お代官様、あんまりだ。
Title: お代官様、あんまりだ。
Body: 「腐敗した政府」といわれたら、どういう政府を思い浮かべるでしょうか。
トップがごく一握りの側近や業者の要求を「よきに計らえ」とばかり聞き入れ、これに反対する箴言には耳を貸さない。側近は側近で、箴言を厭わない忠臣をトップから遠ざけ、一握りの業者側の意見だけをトップの耳に入れようとする。そして、忠臣がいよいよ直訴に及んでも、側近の顔色を見て忠臣を遠ざける。そして、ごく一部の側近や業者の利益ばかりに配慮した政策が行われ、庶民からは怨嗟の声が上がっていく。
時代劇ではよく見る光景ですね。歴史的には、国力を衰退させた政権にはありがちなパターンです。
ところで、第6回知的財産戦略本部議事録 を読んで異常に気が付かれたでしょうか?
東大で知的財産権法を受け持つ中山信弘教授といえば、知的財産権法の分野では押しも押されぬ第一人者ですし、その温厚なお人柄は、誰からも尊敬を集めるお方です。そこら中に敵を作りまくる私とは対極にいるお方です。
その中山教授が、大学・研究機関における知的財産を巡る動きについて意見を求められたのに、小泉首相、福田官房長官らのいる前で、事務局の在り方について、余りにも独善的であるとして、異議を述べています。中山教授ほどの方が、「事務局はあくまでも本部の事務局でありまして、事務局自体が特定の見解、特定の案に固執するとか、特定の本部員を排除して、政治家や財界のトップと話しをつけて決着をするというたぐいのものではない」ということを、「重大な決意」をもって述べなければならない。そういう状態に、今の知的財産戦略本部はあるようです。
そして、この異例の事態を目の当たりにしていながら、このことを報じようともしないマスメディア。
衰亡していく国というのはこういうものなのでしょうか。
Posted by 小倉秀夫 at 11:37 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Notifié: 12 janv. 2004, 20:41:16
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Commentaires
いつもお世話になっております。
中山先生の「重大な決意」に関して当方のBLOGで取り上げたところ、予想外に大きな反響がありましたが、まだまだマスメディアが渋々でも取り上げるような所までは行っていません。
Rédigé par: 謎工 | 11 janv. 2004, 03:34:37