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02/29/2004

簗瀬議員へのメール

今日は、民主党の簗瀬議員に下記のようなメールを送信しました。

簗瀬先生へ

簗瀬先生がレコード輸入権創設に積極的に賛成されていると知り、メールを差し上げるに至った次第です。

文化庁は「邦楽CDの国内還流防止措置」等と説明しているようですが、簗瀬先生のところに届いている法律案は正しく「邦楽CDの国内還流」のみを防止するものとなっているでしょうか?
英米のメジャーレーベルが米国または英国向けに出荷するCDのジャケット等に「For US Consumers Only」とか「国外輸出禁止」等というマークを印刷するようにしてしまえば、米国ないし英国向けの商品の並行輸入を禁止することもできるような条文になっていないでしょうか。

知的財産権を行使して並行輸入を禁止しようとする裁判は今まで数多く行われてきましたが、裁判の対象となった商品のほとんどが、東南アジア等の発展途上国向けに出荷された廉価品ではなく、世界的著名企業が欧米諸国において出荷した商品であったことは、簗瀬先生もご存じのとおりです。欧米の著名企業やそのライセンシーである日本企業は、欧米諸国におけるよりも顕著に高い価格を日本国内で付けており、そのような欧米諸国との内外価格差を守るために輸入禁止権を行使しようとしてきたことは、知的財産権法等に造詣の深い法律専門家の中では常識といえます。

今日、英米系のメジャーレーベルが制作する音楽CDについていえば

1 日本国内向けの商品は、英米系のメジャーレーベルと結びつきの強い日本のレコード会社がライセンス生産しており、米国向けまたは英国向けの商品の日本国内への輸出ができなくとも、その分、日本向け商品が売れればメジャーレーベルは損をしないし、商品単価が顕著に高ければ却って得をすること
3 日米間の価格差は2倍又はそれ以上あること
4 米国向けの商品と日本向けの商品とでは品質においても大いに差があること(日本向け商品の多くは、正規のCD規格を遵守しておらず、レコード会社もオーディオメーカーも再生保証していない(実際、再生できなかったとか音がぶつぶつと切れるとか音がこもっている等の問題点が消費者により指摘されており、または、再生後オーディオ機器が故障したとの例もいくつも報告されている類のものである。)
5 それ故、歌詞カードや日本語による解説を必要としない洋楽ファンは、HMV等で米国向け商品の並行輸入品を購入したり、Amazon.com等のネット通販業者を利用して米国向け商品を直接購入するケースが増えている(ビートルズの「Let It Be Naked」のときなどはその典型である。)

等の事情があるので、洋楽CDの並行輸入を禁止するためにも活用できる法制度が制定され、施行された暁には、日本の消費者は、安くて質の良い商品を購入する術を奪われる高度の危険性を負うことになります。

私は、簗瀬先生がそんなことは十分承知した上で、法案が通るまではとりあえず「邦楽CDの逆輸入」のみを対象としているかのように国民や同僚議員を誤魔化してしまえと考えておられるのか、文化庁や日本レコード協会の説明を鵜呑みにして信じてしまっているのか、判断する術がありません。後者であるならば、文化庁の役人に対し、英米のメジャーレーベルや彼らから「レコード輸入権」の譲渡を受けた日本のレコード会社が、洋楽CDの並行輸入の差止めを求めて訴訟を提起しまたは税関に申し立ててもこれが認容されることがないような条文になるように強く求めて下さい。実際に、洋楽CDの並行輸入がストップした後に彼らから「遺憾の意」を表明されても何の意味もありません。

稚拙な法改正によって生ずることが容易に予想される問題点を指摘し、修正または法案自体の撤回を要求するというのは、野党側の国会議員が行うべき最低限の責務の一つです。私は、民主党が、そのような責務を果たせる健全な野党であることを願ってやまない次第です。

Posted by 小倉秀夫 at 03:53 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

そう言えば、公明党のとある議員は「消費者団体の懸念に配慮し、洋盤に波及しないよう付帯決議で言及することを検討中」とか寝言を宣っていたそうで……付帯決議なんてものがろくすっぽ遵守される試しが無いと言うのは今や常識だし、日本を「欠陥CCCDを世界一高額で売り付けられる美味しい国」程度にしか考えていないであろう5大メジャーがその国の国会で出された付帯決議など鼻であしらうのは、目に見えています。
http://blog.melma.com/00089025/20040302015217

Rédigé par: 謎工 | le 03/03/2004 à 06:03

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