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04/18/2004

国会の審理は迅速

近年、我々法律業界の人間は、「裁判は時間がかかりすぎる」という批判を受け続けてきました。今回、著作権法改正問題を通じて立法過程というものを見せて頂き、確かに立法過程と比べると、我々司法部門の人間は慎重すぎるといわれても仕方がないように感じました。

我々はどうしても「何が真実なのか」ということを意識してしまいますし、そのために当事者が提示した事実や資料の信用性や「結論」との関連性等を吟味してしまいます。
例えば、日本レコード協会が「念書」なるものを提出し、5メジャーは輸入権が創設されていても行使しないと言っていたと日本のレコード会社が言っていたということが示されたとしても、「5メジャーの経営者が直接誓約書を国会に提出すればよいのに、どうしてそんなに迂遠なことをするのだろう」と疑ってしまいますし、邦楽のアルバムCDの平均価格や主要価格帯がどうなのかは例えばオリコン等に掲載されているアルバムCDの価格帯を見た上で依田さんの発言が現実と食い違っているように見える場合、データサンプルをどこにおいているのかを問いただすことを考えてしまいます。

また、我々は当事者が提示した主張に誤りや論理矛盾があればどうしたって問いただしてしまいます。
依田さんが言うとおり日本の消費者は豪華な商品を好むのならば、邦楽CDだって、日本向け商品は豪華な商品にし、アジア向け商品は質素な商品にしてしまえば、輸入権なんか創設する必要がないではないかとつっこみを入れたくなってしまいます。また、弘兼さんが、「貸与権管理センターに参加していないと違法な貸与がなされたときに権利行使ができないから、8〜9割の著作者は管理センターに参加するはずである」旨述べたときに、附則4条の2を廃止するだけだと管理センターに参考しようとしまいと全ての著作権者は貸与禁止権を行使できることになるに決まっているではないか、あなたは自分たちが作れとロビー活動している法律案がいかなるものであるかすらわかっていないのかと問いつめたくなります。

また、我々は、例えば和解を成立させようと思ったらぎりぎりまで条項を詰めたりするわけですから(対立する当事者双方の不満ができるだけ少ない方がいいわけですから。)、「閣議決定されてしまった以上、条項の修正は難しい」なんてことを言って条項のブラッシュアップを怠る国会と比べるとどうしてもスピード感が足りなくなってしまいます。

それに、司法の世界では、「不利益を受ける可能性のある当事者には主張・立証の機会を十分に与える」というのが原則になっているわけですが、国会の場合、消費者の権利を奪う新たな規制立法を行うにあたっても消費者の意見など聞く必要がないわけですから、そりゃ迅速だと思いますね。我々の世界で言えば、裁判官が、検察官の意見だけ聞いて、有罪判決を下すようなものですね。

Posted by 小倉秀夫 at 10:58 AM |

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