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04/20/2004

国会での質疑

著作権法改正案についての参議院文教委員会での質疑が本日ありました。

 しかし、おしなべて質疑が下手ですね。

 今回は、洋楽CDの並行輸入が阻害されるのではないかということが最大の論点なのですから、輸入業者が米国等で日本で売れそうな音楽CDを見つけてきてから、海外の業者と契約し、日本に輸入し、レコード販売店に卸し、レコード販売店がこれを店頭に置いて消費者に販売するまでの過程で、それぞれの関係者が判断を迫られる場合に、条文に即してどのような判断を行うことが合理的であろうかということをシミュレートできれば、どのような質問をすべきであったかは自ずと明らかだったと思います。

(今回の国会での質疑を見ても、輸入・販売業者としては、どのような音楽CDについては輸入・販売を控えなければいけないのか全く分からないと思います。輸入・販売業者から事前に相談されても、まともな弁護士は答えようがないでしょうし。)

今回の質疑ではっきりしたのは、音楽CD上にシールを貼らなければならない云々というのは、「そうしなければ基本的に『情を知って』いたことにつき著作権者等が立証責任を果たせないから」というのが唯一の根拠だということですね。でも「情を知って」いたことを立証するのであれば、権利者から輸入・販売業者に内容証明郵便で警告状を送りつければ済んでしまう話ですね。「情を知って」という文言は、みなし侵害規定の領域ではよく使われる文言ですが、それらの場合いずれもシールなんか貼りませんし(だいたい、「違法複製物です」なんてシール貼るわけないし。)。

あと、文化庁の役人は、日本国内での頒布が禁止されている旨を表示したものに限り輸入禁止の対象とするように条項を修正してはどうかとの質問に対し、それでは法的安定性を害する云々という答弁をしていましたが、これは全く詭弁ですね。

権利者以外の者がシールを貼るなどした場合は、実際には輸入・所持等は禁止されない(禁止されているのではないかとの誤解は生んだとしても)という点は、表示を明示的な要件としようとしまいと何ら変わりはないです。

また、権利者以外の者がシール等を剥がしてしまった場合には、私の修正案のように「表示したこと」まで「情を知って」の対象に含めてしまえば、禁止の対象とはならないわけですから、法的安定性には何の問題もありません(それがいやなら、シールなんかで対応せずに、CD本体に印刷してしまえばいいわけですし。)。

役人がこういう詭弁を弄して条文を曖昧にしたがるときって、なんか裏があると疑うのが通常ですね。

また、文化庁の役人は、輸入のときに情を知っていたか否かが問題となるようなことを言っていましたが、それも客観的な条文の文言と食い違っています。そういうふうに規定したいのであれば、113条2項のように「これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、」と規定すればよいのです。

Posted by 小倉秀夫 at 09:47 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Voici les sites qui parlent de: 国会での質疑:

» ●著作権改正/4/20の審議ライブラリ de daily electronika. Blog
全部で約4時間32分。長いです ※小倉弁護士が今回の審議についての意見・・・・「シールを貼る・貼らない」「情を知って」の部分の”条文の曖昧さ”を指摘されています。 Lire la suite

Notifié: 21 avr. 2004 à 06:24:50

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参院文科委(2)・Rhapsody(The Trembling of a Lea) 洋楽輸入盤CDが買えなくなる著作権法改正 ですが、20日にも審議が行われたそ... Lire la suite

Notifié: 21 avr. 2004 à 10:54:32

» 著作権法改正審議のウェブキャスト de awake in a muddle
そういえば、例のレコード輸入権規定を含む著作権改正法案は、参議院の文教科学委員会で審議中だとのことで(近々可決見込みでもあるらしい)、ここで知りましたが、委員会... Lire la suite

Notifié: 22 avr. 2004 à 00:45:41

Commentaires

文化庁の異様な態度はどう考えても

「日本の税収を減らして米国の税収を
増やしたくてしょうがない」

としか思えなくなって来ました。もっとも、
そのぐらいの密約があっても今更、驚くには
値しませんけど。米国に尻尾を振りまくる
小泉内閣からこの法案が出たのですから。

Rédigé par: 謎工 | 21 avr. 2004 à 03:45:23

鈴木寛議員から附帯決議案の提案があり可決されたようですね。まぁこんなもんでしょう。
条文案の修正なんてそんな簡単にできるもんじゃないし。

Rédigé par: | 21 avr. 2004 à 00:03:06

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