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04/23/2004

海外のDVDを見ると

レコード輸入権の話題ばかり語っていると殺伐としてしまうのでたまには違う話もしましょう。

一番町綜合法律事務所監修「PC&ネットの違法合法ジャッジ!」という本が宝島社から出ています。

これは凄いです。我々IT系の弁護士には思いつかないような「ジャッジ!」が盛り込まれています。

例えば、猪狩俊郎弁護士は、

「DVDソフトの購入に際して、購入者は、使用許諾契約によって、DVDソフトの使用をその国内及び地域に限定すること、もしくはDVDソフトを国外及び地域外で使用しないことに同意しているものと思われます」「従って、海外で購入したDVDソフトを国内で鑑賞することは、使用許諾契約違反として著作者から損害賠償(民法415条)を請求されるおそれがあります」

なんてことを書いています(158頁)。

しかし、使用にあたって「複製」を伴うパッケージソフトですらシュリンクラップによる使用許諾契約の成立には争いがある(おそらく成立を否定するのが多数説)というのに、どうしてたかだかDVDソフトを買う際に、消費者は「DVDソフトを国外及び地域外で使用しないことに同意している」なんて思われてしまうんだか、意味不明ですね。

っていうか、

「DVDソフトは『著作物』であり、購入者はDVDソフトを購入したとしても、著作権を侵害しない範囲、または使用許諾契約があればその範囲を侵害しない範囲での使用許諾権を得た(同法63条1項、2項)に過ぎないと考えられています」

って書いてあるのですが、映画の著作物の複製物の所有者が、公の上映にはあたらない態様で上映する行為はそもそも著作権を侵害しようがないのですから、63条の許諾の有無や条件など問題になりようがないんですけどね。この弁護士さんは、著作権者が一方的に宣言をすれば、使用許諾契約なるものがユーザーとの間で結ばれ、著作権法上著作権者が専有していない行為すらユーザーが自由に行うことは法的に許されなくなるって本気で考えているのでしょうか?

Posted by 小倉秀夫 at 02:18 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

 なんか9年前に刊行された「よくわかるコンピュータソフトウェア著作権Q&A」と同じ臭いを感じる理屈ですね。
 一番恐ろしいのは、たまたま著作権なり知的財産に興味を持った初心者が最初に手にした本がこの手の「知財ファシズム本」だった場合です。
 やはり、初心者には(少し古いですが)中山先生の「マルチメディアと著作権」を推奨した方が良さげ。

Rédigé par: 謎工 | 23 avr. 2004, 05:03:38

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