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06/28/2004

アンケートの回答(その1)

著作権法改正についてのアンケートについて、幾つかの議員から回答が来ました。公職選挙法の関係もあるので、コメント抜きでご報告いたします。


今村順一郎氏(共産党)

http://blog.livedoor.jp/non386/archives/3407316.html

と同文。

中川直人氏(社民党)

質問1__1、質問2__1、質問3__1

それ以外の候補からは、現時点で回答はありません。

Posted by 小倉秀夫 at 10:59 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (7)

選挙の争点

年金問題や、イラク問題や、北朝鮮問題、はたまた憲法改正問題など、今回の参議院選挙で争点となる事項はたくさんありますね。そんななか、著作権法改正問題に対する態度をみて誰に投票するかを決めるのはいかがなものかと迷っている方もおられるでしょう。

しかし、著作権法改正問題というのは、一部の業界団体やこれと結びついた一部の官僚の意向と、我々名もなき大衆の利益とのバランスをどうとるのかという、各国会議員なり政党なりのスタンスが如実に現れる問題です。しかも、各政党のもつイデオロギーとは直接関係がない問題であり、大衆の意向をはねのける必要がない問題です。そういう意味では、各議員の大衆の利益を思う気持ちと、官僚の嘘を見抜く能力とが如実に現れる問題です。何しろ、イデオロギー的な言説で目くらましをかけることができません。そして、著作権法改正問題で大衆の声、大衆の利益に十分に配慮できない議員が、年金問題や安全保障問題で大衆の声、大衆の利益に配慮した政策を実現できるわけがありません(軍需産業から人気歌手のVIP席のチケットをプレゼントされて、徴兵制導入に賛同してしまうような議員では困ります。)ないですし、著作権法程度の立案、検討をする能力のない国会議員に、新憲法の立案、検討を行う資格などあろうはずがありません(「凶悪犯罪を犯していない人に対しては行使しないから」という答弁を信じて、警察官に「切り捨て御免」の権利を与えるような憲法改正を行ってもらっては困ります。)。

そういう意味では、我々は胸を張って、著作権法改正問題に対する各立候補者の態度を見て、誰に投票するかを決めればよいのです。

Posted by 小倉秀夫 at 01:56 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (1)

06/26/2004

吉川さんは、これから試される

著作権情報センター主催で行われた吉川著作権課長の講演録がアップロードされ、波紋を呼んでいるようです。

まあ、これは、いずれにせよ「コピライト」という著作権法専門誌に掲載されますから、ネットサーフィンを
しない知財法専門家の目に触れることになります。

それ以外にも、文化庁の官僚さんたちは、著作権法の改正を行うと、「ジュリスト」や「NBL」や「自由と正義」等の法律専門雑誌に解説を書くことになっていますし、ある程度大きな改正だと、有斐閣あたりから改正法に関する逐条解説(改正に至る経緯や審議会での審議結果なども踏まえたもの)を出版するのが通例です。

今回の著作権法改正は、知財法の専門家たちからは結構嘲笑されていたのですが、これからは、吉川さんたちが提唱する「法解釈」が、一般の法律家の目に触れることになります。

試されるといえば、輸入禁止期間をどう政令で定めるかということでも、吉川さんたち文化庁のお役人は試されるわけですね。

輸入禁止期間算定の基準をどこに置くかで、文化庁がどこまでレコード業界と「ずぶずぶ」の関係にあるのかがわかります。輸入規制という「原則に対する例外」はなるべくその範囲を限定するというのは、大原則です。

ところで、「邦楽CDが廃盤となるまでの期間」を基準とする考え方と、「レコード会社が小売価格に対するコントロールを失うまでの期間」を基準とする考え方、「結果的にリクープする邦楽CDがリクープするまでにかかる期間」を基準とする考え方とがあります。邦楽CDのアジア諸国向けの正規ライセンス盤が日本国内に並行輸入されることによって邦楽CDについて投下資本が回収できなくなることを防ぐということが今回の著作権法改正の趣旨であるとするならば、「結果的にリクープする邦楽CDがリクープするまでにかかる期間」を基準に輸入禁止期間を定めるのが筋であり、日本国内盤発売とほぼ同時にアジア盤が出荷されるような邦楽CDに関していえば、日本国内盤の発売日から1~2ヶ月でいいのではないかという気がします。

Posted by 小倉秀夫 at 07:02 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (6)

06/24/2004

アンサーチェック

さて、いよいよ参議院議員選挙が公示日を迎えます。

これから、知人や、一方的に知人だと思いこまれている人々から、特定の候補者への投票をお願いされる機会も増えることでしょう。また、全く知らない運動員から電話等で投票を依頼されることもあるでしょう。

そのときには、

 洋楽CDの並行輸入が実際に阻害されることがわかったら、輸入権に関する規定を廃止するのか
 
 ゲームソフトや音楽CDに対する中古売買規制には反対するのか

を確認し、この点につき消費者の側に立った態度表明をきちんと行わない候補者には投票しないということを告知する

ということはやってもいいのではないかという気がします。

Posted by 小倉秀夫 at 11:43 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (1)

06/22/2004

コンテンツの価値

 コンテンツ系商品における中古売買規制の導入を推進する側の論理には、「コンテンツ系商品においては、消費者は専らコンテンツに着目して商品を購入する」ということを当然の前提としているようにも思えます。その前提の下で、「同一のコンテンツを享受できる以上、新品と中古品との間には商品としての差異はなく、従って、中古品売買が野放しにされると新品が売れなくなる」と心配しているようにも見えます。

 しかし、果たしてそうなのでしょうか。

 私は、中古ゲーム訴訟のころから、コンテンツ系商品においては、「コンテンツ」の価値に負けず劣らず、「物」自体の価値が大きいと考え、そのように主張しています。新品のゲームソフトと中古のゲームソフトは、ゲーム機にかけると同じ画面が出てきて同じ反応をするでしょうが、消費者が適正と考える価格は自ずと違っています。これは、音楽CDについても、書籍についても同じことがいえます。書籍なんかは、同一のコンテンツについて、媒体の「質」に応じて、複数の価格帯の商品が同時並行的に生産・販売されることは少なくないわけですから、この点は顕著です。特に嗜好品の価値は、多分に記号論的に決まっていくのであり、「コンテンツ」のみが記号論的な商品価値を高めるものでもなければ、「コンテンツ」こそが記号論的な商品価値を高めるものでもありません。「コンテンツ」は、記号論的な商品価値を高めうる「One of Them」に過ぎません。
 
 でも、「コンテンツ」が記号論的な商品価値を高めうる程度は、他の商品において「創作性」が記号論的な商品価値を高めうる程度よりも一般的に大きいではないかとの反論もあり得るとは思いますが、本当にそうなのかは実はよくわからないところです。書籍の価格を決める大きな要因は、「コンテンツ」の善し悪しではなく、媒体の品質、ページ数、発行部数など、「物」に関する部分です。音楽CDについても、「コンテンツ」の善し悪しによらず、収録されているCDの枚数と流通経路が価格を決める大きな要因となっています。実は音楽CDなんかでも「コンテンツ」自体の価値というのはそれほど大きくなくて、レンタルCDのレンタル料程度なのかもしれません。まあ、レンタルCDをダビングして得られる音質というのはCD−RレベルないしMDレベルですから、それよりも音質が良ければ、そういう音質を含めた「コンテンツ」の価値は高まるでしょうし、それより音質が低ければ価値も低下することでしょう。

 もちろん、その商品の市場における価値を無視した価格設定をすることは供給者の自由ではあるわけですが、大量生産品の場合、適正な価格を設定して売上高を増やした方が、供給者側により多くの利益をもたらす可能性が高いともいえます。
 
 ついでにいうと、日本の音楽配信サービスが「いけていない」理由の一つは、「コンテンツ」の価値を過信しすぎていることにあるのではないかと思います。iPodに収録できるコンテンツと、MDにしか収録できないコンテンツとは等価値ではないし、ましてダウンロードしたパソコンでしか聞けないとか、高くて持ち運べない専用家電機器を用いなければ聞けないコンテンツとは全く商品価値が異なります。iTunes Music Storeは、iTunes、そして、iPodと結びつくことによって、1曲99セントという価格に見合うだけの価値を消費者に与えているのです。あれは、「ユビキタス」込みの価格です。それなのに、それを無視した商品設計、価格設定をしている日本の音楽配信サービス。同じ「コンテンツ」を配信するにしても、これでは流行るわけがないと私は考えてしまいます。

Posted by 小倉秀夫 at 11:16 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (2) | TrackBack (1)

06/19/2004

Induce Act

参議院選挙候補者へのアンケート事項は、中古問題を含めた3点とすることにしました。
東京以外で同様のアンケートをしたいという方は、自由にテンプレートをお使い下さい。

ところで、米国では、Induce Act法案が話題になっているようです。

アメリカの場合、ベータマックス訴訟最高裁判決があるおかげで、議会を通さないと、著作権者が「表現の自由を殺」したり、「技術を狙い撃ち」にしたりすることはできないわけですが、日本では、どこまで責任範囲が拡大するのかわからない「幇助」の規定と、明文の定めがなくどこまで責任が拡張されるか事前には全く分からない「利用主体拡張の法理」のおかげで、「Induce Act」以上に「表現の自由を殺す」権原を著作権者に与えてしまっているのですね。

Posted by 小倉秀夫 at 11:54 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (3) | TrackBack (7)

06/18/2004

アンケート2004

私は、東京都民ですので、来る参議院選挙にて、東京選挙区の立候補予定者に対し、下記アンケートを実施する予定です。皆様は如何されますか?

(○○)様へ

 私は、来る参議院議員選挙において誰に投票すべきかを考慮する際の参考とするために、候補予定者に対してアンケート調査を行っているものです。同選挙の選挙期間を目前としてご多忙の折とは存じますが、下記質問にお答え頂ければ幸いです(なお、アンケート結果は、インターネット上で公表することを予定しています。)。
 
質問1

 新設著作権法113条5項を創設する著作権法改正法は平成17年1月1日に施行されます。同法は、海外のレコード会社が洋楽CD(邦楽CDのアジア諸国ライセンス盤を除く音楽CDのことをいいます。)の並行輸入を阻害するために活用しないことを前提として可決・成立しましたが、その担保はありません。
 そこで、海外のレコード会社が洋楽CDの並行輸入を阻害する動きを行ったことが明らかになったときは、新設著作権法113条5項を廃止して頂けますでしょうか。
 
 1 そのような著作権法改正案を超党派で提出して廃止を目指す。
 2 他の議員がそのような著作権法改正案を提出した場合には賛成する。
 3 そのような著作権法改正案には反対する。
 
質問2

 著作権法附則4条の2を廃止する著作権法改正法は平成17年1月1日に施行されます。この法案は、施行日までに、「貸与権管理センター」のような著作権集中処理機関が書籍・雑誌等に関する著作権者から貸与権の処理の委託を受けることにより、スムーズに権利処理を行い、ライセンス料さえ払えば書籍等の貸与事業自体は禁止しないことが前提となっています。
 そこで、同施行日までに、「貸与権管理センター」が、あらゆるジャンルの書籍・雑誌等について網羅的に貸与権の処理の委託を受けることに成功しなかったときは、書籍・雑誌に関する貸与についても、著作権法第97条の3第2項以下のような規定を設けて、報酬請求権を設ける代わりに、貸与禁止権の適用除外とする法改正を行って頂けますでしょうか。
 
 1 そのような著作権法改正案を超党派で提出して廃止を目指す。
 2 他の議員がそのような著作権法改正案を提出した場合には賛成する。
 3 そのような著作権法改正案には反対する。

Posted by 小倉秀夫 at 11:29 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (4) | TrackBack (6)

06/14/2004

情報は誰のものか?

近々青弓社から「情報は誰のものか?」という書籍が出版されますが、そのうち、第3章「自由か制限か──知的財産権の現在」という部分を私が担当させて頂きました。

この書籍には、同じく葛飾区出身である安藤和宏さんの「ネットワーク時代の音楽著作権ビジネスの現状とその課題」など、非常に参考になる論考もあるので、その向きに興味がおありの方はご購入頂けると幸いです。

Posted by 小倉秀夫 at 10:44 AM | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

06/10/2004

建築業界が文化庁にロビー活動を行うと

(以下はフィクションです。)

構造不況に悩む建設業界は、「知財立国」の名の下に我が世の春を謳歌するコンテンツ業界を見て、ある日ふと不況脱出策を思いついた。

 「俺たちが建てた家に、俺たちに一銭も支払うことなく使用している連中が山程いるぜ」
 「そうだそうだ。俺たちが苦労して立てた住宅が中古で売買されても、俺たちに一銭も入ってこないだなんて、世の中間違っている。」
 「世の中から中古住宅なんてなくなってしまえば、親元から独立したり転勤するなりして新たに住居を構える人は皆、我々に住宅を新築してくれと頼まざるを得なくなるんだ。そうなれば、我々建設業界は、構造不況脱出間違いないね」
 「でも、そうしたら、皆賃貸で我慢してしまうのではないか」
 「それなら、賃貸も禁止してしまおう。」
 「そうだな。俺たちが建てた家を俺たちに無断で貸して儲けているやつがいるだなんて許せないよ。そのおかげで、新築住宅が売れなくなってしまっているんだ」
 「そうだそうだ。住宅の賃貸が禁止されれば、今までは住宅を借りて済ませていた人も、新築住宅を購入せざるを得なくなるはずだ」
 「これで、我々はさらに儲かりますね」
 「でも、中古禁止、賃貸禁止なんてどうやったら実現できるのですか」
 「なんでも、『建築の著作物』という概念があって、建築物についても『著作権』の保護を受けられるらしいぞ」
 「それなら、文化庁にロビー活動をすれば、著作権保護のために、中古販売の禁止や営利目的の貸与などを禁止する法律を作ってくれそうですね。」
 
 はたして、文化庁は、著作権法46条2号と3号の間に新設3号として「三 建築の著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する行為」という条項を挿入するとともに、著作権法26条の2第2項の規定を削除する法改正を実現した。
 
 この結果、親族・友人間以外の住宅等の譲渡や貸与は、当該住宅が「建築の著作物」にあたるときは下手をすると懲役刑まで科される犯罪行為となってしまうため、不動産業者は、新築専門の所以外は廃業を余儀なくされることとなった。その結果、転居するたびごとに新築住宅を購入することができる一部の富裕層以外は、何が何でも転居しなくとも済むように画策するか、それが果たせないときはホームレスとして生きていくよりなくなることになった。
 
 「知財立国」というマジックワードでロビー活動を行うとどんな規制でもたちどころに創設できてしまう社会にしてしまうと、活力ある社会が実現するという思考実験でした。

Posted by 小倉秀夫 at 01:13 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (3) | TrackBack (7)

06/09/2004

J-WAVE

今日(というか、昨日というべきでしょうか)、J−WAVEで、Winnyの問題について話をいたしました。

私は、ファイルローグの日本国内における運営主体である日本MMOの訴訟代理人であるとともに、WinMXにてプライバシー情報を送受信していた者についての発信者情報開示を最初に認めさせたパワードットコム事件の原告ら訴訟代理人という、P2Pに関しては微妙なポジションにいる者なのですが、そういう私から見ると、権利者団体はこせこせとP2Pサービス提供者を叩くのではなく、P2Pサービスを悪用して自分たちの権利を侵害している人々を堂々と叩けといいたいわけです。

著作権管理団体が、P2Pサービス叩きに没頭する間に、悪用者叩きに没頭していたら、匿名の陰に隠れて権利侵害情報を送受信を繰り返している人の氏名・住所等を、裁判によらずして開示するための手順が、テレサ協との間にとっくにできていたかもしれず、そうすれば、名誉やプライバシーを毀損された被害者も反撃の機会を簡単に得られたかもしれないというのに、全く役に立たない人たちです。

Posted by 小倉秀夫 at 01:33 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

06/08/2004

今必要なもの

性懲りもせず、「知的財産推進計画2004(案)」なるものが作られたようです。

このような「計画」を立案してしまう人たちって、エンターテインメント産業の主要な消費者である若者たちが、エンターテインメントのためにどの程度の支出することが可能だと思っているのでしょうか。ゲーム産業衰退の最大の原因は、消費者側の可処分所得を無視して、開発コストを闇雲に上昇させていったことにあるのだということにいつになったら気が付くのでしょうか。中古ゲームを立法によって撲滅したら、若者たちはどこからかお金を調達して、莫大な開発費を賄って利益が出る程の売上げをソフトハウスにもたらしてくれるとでも思っているのでしょうか。そういう世の中をお望みなら、著作権法改正の前に児童ポルノ法を改正して、少年・少女売買春を合法化すべきでしょう。

それはともかくとして、こういう計画を策定してしまう役人、賛同してしまう政治家、有識者の間には、「法と経済学」的な素養を持つ者はいないのでしょうか。何人かはいても、彼らが発する冷静で合理的なメッセージなどどこかに引っ込んでしまう程、不合理でエゴ丸出しの議論がまかり通っているのでしょうか。

知的財産戦略会議の中で、中川経済産業大臣から、「国際的な知財専門弁護士というものを短期間で大量に人材育成をしていかないと、世界の知財戦争の中でかなり不利になっていくということも大事なポイントではないかと思っております。 」なんてことをいわれてしまっているわけですが、それ以前に、知的財産権制度を「法と経済学」的に正しく理解し、それを立法に反映できる国会議員を短期間に大量に養成することの方が先決ではないかという気がします。立法府におかしな法律を作られると、国際的知財弁護士が如何に大量に要請されようとも、いかんともしがたいのですから。

Posted by 小倉秀夫 at 01:56 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (1)

06/05/2004

踏み絵

 Sonyという会社は、よくよく日本国民が嫌いなんですね。
 
 米国では1曲99セントで音楽配信サービスを提供して商売になるのであれば、日本でもほぼ同様の価格で提供できるはずですが、そうしようなんて意欲は全くなさそうですね。
 
 東京の中心で「愛国心」を叫ぶ人たちは、こういう日本人を馬鹿にした日系企業について、日本人軽視ないし蔑視の行動パターンを改めさせるのが先なのではないかとも思うのですが、どうも自称「愛国者」の行動パターンというのは論理的ではないようです。

 で、私は、レコード会社が自主的に改心するのを待っていては、細石が巌となって苔が蒸してしまいそうなので、商業用レコードに収録された「音」については、自動公衆送信(送信可能化を含む。)について強制許諾制度を創設することを提唱するとともに、これに賛同しない候補者には来る参議院選挙で決して投票しないことにする予定です。

 他にも賛同者がいらっしゃれば、各自の選挙区の候補予定者に、強制許諾制度の創設に賛同するかどうかを尋ねてみてはいかがでしょうか。

Posted by 小倉秀夫 at 02:21 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (3)

06/03/2004

VIP

浜崎あゆみVIPチケット問題について、もう少し掘り下げて取材するジャーナリストがいると面白いですね。取材の進展具合によっては、贈収賄の容疑等で刑事告発できるかもしれないわけですし。

Posted by 小倉秀夫 at 11:07 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (2)

着メロなど

今回の著作権法改正に抗議して、CDの購入を差し控えると意思表明する方々が散見されます。しかし、レコード輸入業者やレコード販売店には、私たちと一緒になって著作権法改正に反対してくれた方々が多くいたのです。恩を仇で返すようなことをするのは、あまり褒められた生き方ではありません。そもそも、全国のレコード店の中でレコード輸入権創設に積極的に賛成したのは、レコード商業組合傘下のレコード店だけなのですから、それ以外のレコード店には罪がありません。


そのこととは直接関係がないのですが、みなさん、着メロ、着うたってやめませんか?

ポケベル時代後期は、バイブレーション機能により着信を知らせることとし、着信音を鳴らさないことが「マナー」とされつつありました。「周囲の人に音を押しつけるのは迷惑だ」というのはメディアがポケベルであろうと携帯であろうと共通しているはずなのに、携帯時代に入っていったら、やれ着メロだ、着うただと、やかましいことこの上ないです。

社会に迷惑をかけてまで、また、JASRACやレコード会社を儲けさせてまで、着信時にメロディや歌を鳴らさないといけない必然性って、何かあるのですか!?

と私は問いたいわけです。

どうせ音楽配信がなされるのであれば、着メロ、着うたのようなただはた迷惑な方法によるのではなく、iTMSのような正しい方法によってもらいたいわけです。

Posted by 小倉秀夫 at 01:24 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (6) | TrackBack (4)

06/02/2004

6月、これからスタートだ。

 先週は、仕事の関係で1週間ニューヨークに行っており、日曜日に帰ってきました。
 5番街のHMVでの商品の安さと商品構成の巧みさを見るにつけ、日本の音楽ファンが如何に虐げられているのかを改めて実感することができました。

 今回、我々は、国会議員の方々や官僚の方々にお金も女も提供することはしなかった(できなかった)わけですが、一部の国会議員は我々の要請に誠実に耳を傾けてくれることがわかりました。他方、現実の国会議員の多くは法案を作成する能力がないのみならず、法案を解析する能力すら乏しく、官僚の嘘をろくに検証もせず信じ込んでしまうのだということがわかりました。

 よく考えてみれば、我々も主権者なのですから、薄汚い業界団体からの法改正圧力に抗うだけでなく、我々の側から、我々の利益を守るための積極的な法改正を求めてもよいはずです。著名な法人・団体の意見は聞けるが、名もなき大衆の意見等聞く耳を持たない等という国会議員は、主権者である我々が選挙で排除してしまえばよいのです。

 ということで、私は、当面、

 1 商業レコードに収録された実演に関して、公衆送信(送信可能化を含み、放送及び有線放送を含まない。)についての強制許諾制度を創設する旨の著作権法改正

 2 国家公務員が国会議員に対し虚偽内容の法案説明等を行った場合に懲役刑を科す旨の国家公務員法改正

を求めていこうと考えています。

なお、私がゴールデンウィーク中に送ったパブリックコメントの完成版を末尾に付けることとします。

一 全体について
 既に一定の商業的価値を有している知的財産の保護と将来的な知的財産の創造の促進とは、しばしば相矛盾し衝突する。日本が今後知的財産立国として栄えることを目指す場合、既に一定の商業的価値を有している知的財産の保護については、将来的な知的財産の創造の促進の妨げとなるものについては、せいぜい諸外国と同程度かできればそれ以下に抑えることこそが賢明である。現在の政治的な「声の大きさ」に目を奪われて既に一定の商業的価値を有している知的財産の保護を過度に強化することは、将来的な知的財産の創造の促進の妨げになり、未来に禍根を残すことになる。
 従来「知的財産創造のサイクル」という言葉は、「投資家がエンターテインメント産業に投下した資本を回収し、また投資する」というサイクルを指すものとしてのみ用いられてきた。そこでは、「エンターテインメント産業にまつわるお金の流れ」にのみスポットがあてられてきた感が強い。短期的には、投資家は、今既に存在するクリエーターを使えばコンテンツの作成を行うことができるので、専ら投資家のインセンティブに焦点を当てて制度設計を行うという考え方もあり得なくはない(但し、消費者側の満足度を過度に軽視した制度設計を行った場合に、短期的な「知的財産創造のサイクル」すら崩壊しかねないことは忘れてはならない。)。
 しかし、中・長期的に見た場合、今既に存在するクリエーターは、じきに引退し又は陳腐化していくことから、「知的財産創造のサイクル」を維持するためには、新しい世代のクリエーターが次々と現れてくる環境を整えることが不可欠である。そして、投資家のインセンティブを高めただけでは、良質のクリエーターを生み出すことはできないのである。

二 クリエーターの育成
1 日本国民、特に若い世代が将来優れたクリエーターになる為には、よい作品にたくさん触れることが必要である。従って、図書館、レンタル業者、中古品販売店等、国民が無料であるいは安価に作品に触れる機会を提供する事業者等を積極的に保護することが知的財産の創造基盤の整備には不可欠である。なお、これらの事業者を撲滅して国民が1つの作品に触れるために支払わなければならないコストを上昇させても、国民が芸術・娯楽作品に触れるために費やすことができる金額の総額が大幅に増えることが期待できない以上、現在のクリエーターの収入を大幅に増大させることには繋がらない。国民が触れることができる作品の数を大幅に減少させるだけである。したがって、推進計画に掲げられている、国民が1つの作品に触れるために支払わなければならないコストを上昇させるための諸政策(書籍・雑誌に関する貸与権の創設、レコード輸入権の創設、中古品売買の規制等)は、中長期的な「知的財産創造のサイクル」を崩壊させる、極めて愚劣な政策であるといえる。貸与規制に関してはWIPO著作権条約等で最低限義務づけられた範囲にとどめるべきであるし、消尽しない輸入権や消尽しない譲渡権など条約等で義務づけられていない規制は、米国政府等から求められようとも、一切拒否すべきである。
 他方、無償又は低コストで作品に接する機会を公的部門が阻害せず、むしろ促進することは、次世代のクリエーターの育成に有益である。例えば、音楽配信サービスについては、日本のレコード会社はサードパーティーにライセンスを与えないため、レコード会社が自ら出資した、高くて使い勝手のよくないサービスしか提供されていないのが現状であるが、iTune Music StoreやNapstar等のサードパーティーによる音楽配信サービスについては、文化庁への申請により、国際標準価格での強制許諾を受けられるようにするような法改正を行うことは極めて有益である(日本の音楽業界が1曲享受するのに要する価格を高止まりさせることに躍起になっている間に、英米では、安価で音楽を享受するための様々なサービスが開始され、かの国民は若いうちから多様な楽曲に親しむことができるようになっている。このようなことでは、音楽産業については英米に水を空けられた状態が今後も続いていくことは避けられない。せいぜいアジアの中で君臨する程度のことしか目標を設定できない志の低い既得権者にあわせて制度設計を行っておきながら「知財立国」を標榜するのは羊頭狗肉であるから直ちに改めるべきであろう。)。
 また、今日市販のDVD等においては「リージョンコード」が組み込まれており、米国等で正規に流通している商品を購入しても、これを再生できないようになっている。このリージョンコードを回避することは現在の技術水準化では比較的容易であり、リージョンコードを回避することを可能とする機器は市場に流通している。米国等で流通している映像作品の全てが日本国内向けに商品化されるわけではない現状の下では、米国等で流通しているDVD等の作品を国内で鑑賞するためにリージョンコードを回避するということは、日本在住者が多様な作品に接することによってクリエイティビティを醸成する上で極めて有益であることから、リージョンコードを回避するために用いられる機器の生産・販売等を国が規制することは妥当ではなく、それらの行為が不正競争防止法等に違反しないことが明らかとなるような法改正を行うことが望ましい。

2 優れたクリエーターになるためには、既存の作品から多くを学ばなければならない。既存の作品を模倣したり、自分なりにアレンジしたりして、自分なりの作風を確立する──ほとんどのクリエーターにとってそのような時期が不可欠である。
 このような観点からは、芸術家の育成に熱心なフランスなどで既に行われているように、国や地方自治体が所蔵している絵画等の芸術作品を若きクリエーターが自由に模写、模倣することができるようにすべきである。
 また、「同人誌」で既存の作品をパロディ等として取り入れた作品を発表していくうちに漫画家としての技量を身につけ、ついには人気漫画家として育っていくという例が後を絶たないことからも明らかなとおり、既存の作品の改変を自由に行えるようにすることもまた、次世代のクリエーターの育成には有益である。ところが、現行法では、私的使用目的の改変であっても同一性保持権侵害にあたるという見解が根強い。したがって、次世代のクリエーターを育成するためには、既存の作品を改変して制作した作品を既存の作品そのものと誤解するような態様で公表した場合以外は同一性保持権侵害にはあたらないことが明らかになるように著作権法の改正を行うことが必要である。
3 優れたクリエーターといえども、全くの「無」から優れた作品を作り出すことは困難である。多かれ少なかれ、意識的であれ無意識的であれ、過去に他人が創作したものを取り入れつつ作品を作り上げているのが実情である。もし、新たな作品を創作するにあたって、過去に他人が創作したものを一切取り入れてはならないとしたら、ほとんどのクリエーターは新たな作品をほとんど創作することができなくなることだろう。この傾向は、著作権の保護期間が長くなり、かつ、インターネットの発展により誰もが膨大な数の著作物にアクセスする可能性を有するに至った現代において特に顕著である。
 このような弊害を除去し、優れたクリエーターが新たな作品を安心して創作できるようにするためには、過去に他人が創作したものを取り入れつつ新たな作品を作り上げる行為は原則として著作権(翻案権)侵害にはあたらないこととし、取り入れられた過去の作品の著作権者にはせいぜい報酬請求権を付与するという方向で法改正を行うべきである。特に「パロディ」や「オマージュ」表現の自由化は、サブカルチャー部門の発展のためには必要不可欠である。
4 日本では、エンターテインメント企業は膨大な作品を著作権・著作隣接権によって囲い込むことには熱心だが、それを活用し続けることには熱心ではない。今日多くの作品がエンターテインメント企業のために死蔵されてしまっている。知的財産は、クリエイティブな人々の目に触れるなどして享受されることにより、新たな知的財産を生み出すことに繋がっていくことを考慮すれば、この「死蔵」問題を克服することは、将来的な知的財産の創造の促進する上で重要な問題である。
 この問題を克服するためには、少なくとも商業的に頒布された著作物に関しては、権利者又は権利者から許諾を受けた者により発行されなくなったときは、自由に複製、公衆送信(送信可能化)できるように法改正すべきである。
5 「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」においても、人材育成のための施策はいくつか提示されている。しかし、それらは、大衆音楽、映画、漫画、アニメ等のサブカルチャー分野の人材の育成方法としてはいずれも的はずれなものである。若い世代から多様な作品に接する機会を奪いまたは著しく制約しても、旧世代のクリエーターに若い世代を指導させておけば、優れた人材を育成できるはずだという前提の下で戦略本部は制度設計を行っていると見受けられるが、その前提が間違っている。

三 環境の整備
1 日本では、ミュージシャンはライブ活動では生活できないとの声を聞く。そうだとすると、ミュージシャンは定期的に新作を発表し、音楽CD等を製作しなければならなくなる。新作のCD等がヒットしなければ、旧作が好きだというファンが幾らいても、廃業に追い込まれることになる。レコード会社等としては次々と新しいミュージシャンを開拓しては古いミュージシャンを切り捨てればいいだけの話であるからさしたる問題とはならないが、ミュージシャンとしては死活問題である。
 このような問題を克服するためには、日本においても、ライブ活動でアーティストの生活費等を稼ぎ出せるようにすることが必要である。しかし、そのために壁として立ちはだかっているのは、日本国内における会場使用料の高さである。だとすれば、国や地方公共団体が運営している質の高い音楽ホール等を、大衆音楽等におけるライブ活動にも活用させるとともに、その使用料を、他の先進諸国における会場使用料と同程度か又はそれ以下に抑えることが有益である。
2 また、アニメ分野に関していえば、テレビ局がアニメ製作会社に支払う報酬の下限を法律で決めることによって、アニメが安く買い叩かれている現状を改善するのが先決である。その上で、アニメ製作を実際に支えるスタッフたちが健康で文化的な生活を送ることができるように、労働者保護ないし下請け保護法制を整備し、厳格に適用していくことが必要である。テレビ放送事業は免許事業であり数が限られているのに対し、アニメ製作事業は自由な参入が許されているために、アニメ製作の受注という場面においては価格形成の力関係にゆがみが生じているのであるから、法律でこれに介入してこの力関係のゆがみをある程度是正することは十分許される範囲内というべきである。
  
四 国民の知的財産意識を向上させる
1 国民の知的財産意識を向上させるためには、知的財産権諸法によって規制される範囲を国民の常識に合致させることが肝要である。エンターテインメント業界の声にのみ耳を傾け消費者の意向を無視して新たな知的財産権を創設した場合、これを守らなければならないという意識が国民に根付かないのは当然である。「中古品の販売は犯罪である」「正規品の並行輸入は犯罪である」「図書館がベストセラーを貸すのは問題だ」などという常識とかけ離れたことを幾ら教育により植え付けようとしても、それが根付かないのは当然なのである。
2 国民が日常的に行っている行為でも厳密にいえば著作権侵害とされている場合が少なくない。このようなことを国民が知れば、国民は知的財産権諸法など守ろうという意識が薄れていくのは当然である。そのような事態を回避するためには、「フェアユース」規定を創設し、国民の知的財産権意識に法律を近づけることが肝要である。

Posted by 小倉秀夫 at 02:54 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (3) | TrackBack (13)