著作権法改正2005
仄聞するところによると、文化庁から各種関係団体に著作権法改正要望について照会が来ているそうなので、緊急に改正する必要があるものについて、とりあえず改正案を作成してみました。
文化庁から照会を受けている団体の皆様、自由にお使い下さい。
(同一性保持権)
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
一 第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
二 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
三 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
四 改変された著作物を公衆に提示又は提供しない改変(原作品の改変を除く。)
四五 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
(頒布権)
第二十六条 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
2 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
3 前二項の規定は、当該複製物により当該著作物が公に上映されることを目的とせずになされる頒布には適用しない。
(譲渡権)
第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りではない。
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
二 第六十七条第一項若しくは第六十九条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和三十一年法律第八十六号)第五条第一項
の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
三 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
四 この法律の施行地外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物
(貸与権)
第二十六条の三 著作者は、その著作物(次の各号のいずれかに該当するものに限る。映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。ただし、第二十六条の規定の適用がある場合は、この限りではない。
一 プログラムの著作物(ただし、当該プログラム自体が貸与の本質的な対象でない場合を除く。)
二 映画の著作物
三 レコードに固定された著作物
2 前項第二号の規定は、複製行為を防止または抑止する手段が講じられる等当該複製物の貸与が当該著作物について複製権を著しく侵害するような広範な複製をもたらさない場合には適用しない。
3 書籍又は雑誌の公衆への貸与を営業として行う者(以下「貸本業者」という。)は、書籍又は雑誌の貸与により著作物(ただし、本条第一項の規定の適用がある場合を除く。)を公衆に提供した場合には、当該著作物(著作権の存続期間内のものに限る。)の著作者に相当な額の報酬を支払わなければならない。
4 第三項の報酬を受ける権利は、国内において書籍又は雑誌へその著作物を複製することを許諾することにより反復して対価を得ている者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
5 文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、前項の指定をしてはならない。
一 営利を目的としないこと。
二 その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
三 その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
四 第三項の報酬を受ける権利を有する者(以下この条において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務をみずから的確に遂行するに足りる能力を有すること。
6 第四項の団体は、権利者から申込みがあつたときは、その者のためにその権利を行使することを拒んではならない。
7 第四項の団体は、前項の申込みがあつたときは、権利者のために自己の名をもつてその権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
8 文化庁長官は、第四項の団体に対し、政令で定めるところにより、第三項の報酬に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。
9 第四項の団体が同項の規定により権利者のために請求することができる報酬の額は、毎年、当該団体と貸本業者又はその団体との間において協議して定めるものとする。
10 前項の協議が成立しないときは、その当事者は、政令で定めるところにより、同項の報酬の額について文化庁長官の裁定を求めることができる。
11 第七十条第三項、第六項及び第七項並びに第七十一条から第七十四条までの規定は、前項の裁定及び報酬について準用する。
12 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、第十項の協議による定め及びこれに基づいてする行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
13 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項の報酬の支払及び第五項の団体に関し必要な事項は、政令で定める。
(中立的行為の保護)
第百十二条 著作権、著作者人格権又は著作隣接権(以下この条において「著作権等」という。)を侵害する行為以外の行為に用いられ又は用いられる可能性がある物(プログラムを含む。)又は役務を開発し、生産し、譲渡し、貸与し、又は提供する行為は、当該物又は役務が著作権等を侵害する行為に用いられ又は用いられる可能性があることを知りたる場合と雖も、著作権等を侵害し若しくは著作権等の侵害を教唆又は幇助しないものとみなす。
2 前項の規定は、特定の著作権等侵害行為をことさらに教唆又は幇助する場合には適用しない。
(差止請求権)
第百十二条の二 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。
Posted by 小倉秀夫 at 04:59 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
とおりすがりの者ですが・・・
第二十条の五は項目を一個追加したのだから、「前四号に掲げるもののほか~」に直さなくてよいのですか?
Rédigé par: ゆももちゃん。 | 12 août 2004, 15:33:23
間違えて2つトラックバックを送ってしまいました。
申し訳ありません。
1つ消してください。
Rédigé par: 弁護士壇俊光 | 12 août 2004, 14:07:40