卑怯者になる自由
一匹狼tedie氏によれば、「HakkaAmeP氏の知人が誹謗中傷の被害者である場合ですね。電子掲示板に、HakkaAmeP氏の知人を実名で誹謗中傷する発言が書き込まれ、それを苦にしてHakkaAmeP氏の知人が自殺してしまったという場合」であっても、「弔いといっても、その意味はいろいろあるのであり、実名を曝されないことを堅持しようという態度によってもなりたちうる。」とのことなのですが、本当にそうでしょうか?
電子掲示板で、匿名の発言者により実名で誹謗中傷されている例というのは結構たくさんあるわけですが、この場合、「ネット上で匿名で発言している人に対してはその実名はもちろん、その所属等を追及したり、明らかにしてはいけない」というルールを広めても、「匿名の発言者により実名で誹謗中傷されている人」は一切救われないし、むしろ、より安心して誹謗中傷できるということで、誹謗中傷が激化し、「匿名の発言者により実名で誹謗中傷されている人」がより追いつめられ、更なる犠牲者が発生してしまうかもしれないわけです。
したがって、「匿名の発言者により実名で誹謗中傷されている人」が自殺に追い込まれてしまうという自体の再発を防ぐためには、むしろ、「他人を誹謗中傷する匿名の発言者についてはその実名が暴かれる」システムこそが必要であるということができます。そして、「他人を誹謗中傷する匿名の発言者についてはその実名が暴かれる」システムを作るために、誰がどこまでの情報をどの程度の期間保有し、それをどういう手続きで誰に開示するのかということを様々な方面から一般市民による情報発信を支えている関係当事者が集まって話し合い、一定の結論が出てきたら、これを受けて議会がこれを明文化することは十分行われるべきです。
Winny事件の問題点のひとつは、匿名性に関するルールが(プロバイダ責任制限法4条の「あるものを開示すればよい」というもの以外には)定まっていないのに、匿名性を保障したことが悪いことであるかのように言われているところです。FileRogue事件に至っては、利用者に戸籍上の氏名及び住民票上の住所を登録させなかったことが責められています。
事前に、議会が制定した法律によって、「不特定人に情報発信することを可能とするサービスを提供する事業者は、ユーザーのIPアドレスを開示するだけでは足りず、各事業者ごとに、各ユーザーの戸籍上の氏名及び住民票上の住所を確認すべき」というルールが制定されたのであれば、施行期間までに、このルールを遵守するシステムが構築可能かを検討した上で、新たなシステムのもとサービスを継続するか、新たなルールは遵守できそうもないのでサービスの継続を諦めるかを検討しようがあります(その場合、全国各地に代理店等をおいて、免許証の提示を受け、戸籍上の氏名及び住民票上の住所を確認できたもののみを入会させるシステムを構築できる大企業しか、その種のサービスは営めなくなるとは思いますが。)。しかし、裁判所が裁判のたびごとにアドホックに新たなルールを作り出され、そのたびごとにイノベーターが刑罰を科されたり高い賠償義務を負わされたりという不利益を課せられるのではたまったものではないということが問題なのです。
ところで、匿名で他人を誹謗中傷する発言を行っていたところ実名を晒されてしまい、その結果追いつめられて自殺してしまった知人を弔うために、ネット上で匿名で発言をしている発言者について「実名を曝されないことを堅持しよう」としている人がいたとした場合に、一匹狼tedie氏はそれに賛意を示すのでしょうか。
Posted by 小倉秀夫 at 01:39 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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