中立的道具2
Winnyの開発者をどうしても有罪にした人たちは、「中立的道具」云々という話が嫌いなようですね。日常的な経済活動を行っている者を、いつでも恣意的に逮捕、起訴して有罪に持ち込める社会──逮捕、起訴され、有罪に持ち込まれることを回避するためには、適宜、捜査当局に「天下り」を含めた便宜供与をしておかなければならない社会──を望む人が複数人いたって不思議とは思いませんけどね。まあ、匿名の発言者は、自分はそのような党派性を有していないと抗弁してみたって信頼されないリスクを負っているわけです。
それはともかく、「中立的な道具ないし行為」という視点がなぜ重視されなければならないのかといえば、「中立的な道具ないし行為」を不特定多数人に提供する行為について、「正犯による犯罪行為を容易にした」という客観的な事実+概括的、未必的故意という主観にて幇助責任を問いうるとした場合には、「犯罪行為に利用されることを完全に除去できるようになるまでは道具なりサービスなりを公衆に提供すべきではない」──犯罪行為に利用されることを完全に除去できていないことを知りながら当該道具なりサービスなりを公衆に提供し、果たして当該道具なりサービスなりが犯罪行為に利用された場合には、事実上結果責任的に、当該正犯による犯罪行為に関して幇助責任を負うことを甘受せよということになってしまうからであり、それは明らかに技術の発展を阻害し、産業の停滞をもたらすからです。
もちろん、それが「中立的な道具」だといってみたからといって直ちに刑事的に免責するような理論は少なくとも我が国では判例理論として採用されていない(だから、Winnyの開発者の行為が「中立的な道具ないし行為」は不特定多数人に提供する行為に他ならないのだと弁護団が立証できたからって、開発者が無罪となる保証は全くない。)わけですが、そのことは、「中立的な道具ないし行為」を不特定多数人に提供する行為を刑法上の「幇助」行為と捉えることの一般的な問題点を摘示するとともに、そのような行為を処罰対象から外すための理論を模索し、裁判所に採用させようとすることの価値を何ら減ずるものではないのです。
Posted by 小倉秀夫 at 05:56 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Notifié: 23 sept. 2004, 19:20:24
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