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11/28/2004

レコード会社による発信者情報開示請求

 エイベックス等のレコード会社が、その著作隣接権を有するレコードをリッピングして作成したmp3ファイルをWinMX等で共有している者の発信者情報の開示を求めて、ISPに対して訴訟を提起したことがニュースになっています。
 
 私からすると、ファイルローグのような中立的サービスの提供者を叩く前に、それを悪用して違法にmp3ファイルを共有していた人を叩くべきなのではないかと思っていたので、レコード会社たちは今まで何をやっていたのかという思いです。仮にレコード会社がいうとおりファイルローグで送受信されるmp3ファイルの約97%が市販のレコードの複製物であったとしても、その主たる原因は、レコード会社がそれを放置していたからではないかとすら思います。
 
 なお、プロバイダ責任制限法第4条の発信者情報開示請求権につき一部誤解があるようです。
 
 プロバイダ責任制限法4条2項は、

開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。
とありますが、開示関係役務提供者が発信者の意見を聞くこと及び発信者情報を開示することについて当該発信者の同意を得ることは発信者情報開示請求権の要件となっていません。したがって、同法4条1項の要件が具備されれば、意見照会の結果発信者情報を開示することについて当該発信者が反対の意思を表明したとしても、ISP等は発信者情報の開示義務を負うことになります。
 
 そして、発信者情報の開示を命ずる判決が確定した後ISP等がこれに応じない場合は、開示請求者側の申立てにより、開示を行うまで、ISP等は開示請求者に対し、一定の金員(間接強制金)を支払い続けなければならないということになります。

Posted by 小倉秀夫 at 04:59 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

11/21/2004

分室開設

 著作権法関連の立法に関する議論をするための分室を作りました。

Posted by 小倉秀夫 at 12:24 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (2) | TrackBack (0)

11/18/2004

29部

東京地裁民事第29部に係属していた特許権侵害訴訟が、昨日無事和解で解決。
と思ったら、先日受任したばかりの著作権訴訟は、民事第29部係属。どうも、民事第29部から離れられないですね。

今度の新件は、コンピュータプログラムをリバースエンジニアリングすること自体が複製権または翻案権侵害だと言ってきています。

Posted by 小倉秀夫 at 08:57 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

11/14/2004

CMスキップ

日本民間放送連盟会長であり、フジテレビの会長でもある日枝久氏が、DVD録画再生機を使ってCMや見たくない場面を飛ばして番組を録画・再生することが「著作権法に違反する可能性もある」と述べたことが、各地で話題となっています。報道によれば、日枝久氏は、「放送は1時間すべてが著作物と考える学者もいる。」と述べたそうです。

日枝氏といえば、エンターテイメント・ロイヤーズ・ネットワークの理事も務められており、しかるべきアドバイザーがおられるのかもしれません。そこで、この見解の当否について検討してみましょう。

例えば、下記のような放送がなされた場合を考えてみましょう。

20:00:00  番組のタイトル表示
20:00:30  番組スポンサー名の表示及び主要スポンサー名の読み上げ
20:01:00  スポットCM
20:03:00  オープニングテーマ
20:06:00  スポットCM
20:08:00  ドラマ放送
20:25:00  スポットCM
20:27:00  ドラマ放送
20:40:00  スポットCM
20:42:00  ドラマ放送
20:53:00  エンディングロール
20:55:00  スポットCM
20:55:30  次回の予告
20:56:30  スポットCM
21:00:00  次の番組開始

 日枝氏は、上記番組を録画する場合は、20:00:00~21:00:00まで些かも欠くことなく録画しなければならないと言いたかったのかもしれません。すると、家庭用ビデオ機メーカーとしては、Gコード予約オンリーで、かつ、番組を途中から録画することも番組録画を途中で中止することもできないような商品を製造・販売する義務を負うことになるでしょう。
 
 さて、営業的な意味はともかく、法的な意味で上記のような見解を成り立たせるためには、20:00:00~21:00:00の一連の放送の流れを1個の「著作物」と見ることが必要です。
 何をもって1個の著作物と見るかは実は難問です。ただ、ドラマ部分とスポットCMとは、表現態様という点から見れば同じく「映像表現」であり、連続性もあるとはいえ、それぞれによって表現しようとする思想または感情は全く別個であり、しばしば著作者も異なることを考えるならば、別個の著作物と見るのが相当でしょう。
 
 もちろん、複数の著作物を組み合わせて1個の著作物を創作することも可能です。著作権法12条1項は「編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。」と定めています。
 
 では、上記のような放送において、「素材の選択又は配列」に創作性はあるといえるかというと、通常は難しいように思います。テレビ放送中にいつ、どのCMを、どの順番で放送するかということは、スポンサーから支払いを受けるスポンサー料等に応じて決定されており、またCMを挿入するタイミングもだいたいありふれており、「素材の選択又は配列」に創作性は認めがたいからです。
 
 すると、CMをスキップして番組録画するという行為は、連続して放送する著作物の一部を取捨選択して録画(私的使用目的の複製)をするにすぎませんから、少なくとも現行著作権法には違反しないといえそうです。
 
 


Posted by 小倉秀夫 at 03:28 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (6) | TrackBack (5)

11/09/2004

プロセス重視

法科大学院は、プロセスを重視するらしいと聞いています。

そうであるならば、新司法試験の合格率がいかなる数値であれ、講義を軽視し、判例等を読み込むことを怠り、暗記に走る学生を、「プロセス」の中で排除すればよいだけのことです。日本の法科大学院制度がモデルとした米国のロースクールは、ポイントポイントで基準を満たせない学生はその先に進ませないという意味での「プロセス重視」の思想が基本的に実践されています。日本の法科大学院の関係者が重視する「プロセス」っていったい何なのか、訳がわからないです。

なお、6000人を超える学生を入学させ、しかもそのほとんどをそのまま卒業させたあげく、その卒業生の7〜8割が新司法試験に合格できるように新司法試験の合格者数を拡大せよといわれたって、その要求を実現するためには司法修習制度を廃止するしかないわけで、では、司法修習制度を廃止した場合に、わずか3年で、法律実務家として活動する上で最低限必要な法律知識ならびに法律の解釈方法等を習得した上に、裁判所で行われている事実認定の方法等を習得することを可能とするようなカリキュラムが本当に組めるのかという疑問が生じます。

法科大学院の先生方は、新司法試験さえ通してしまえば後は野となれ山となれだからいいですけど、法曹界としては新規参入者のレベルが著しく落ちることは非常に困りものです。

日本の司法改革は、ごく一握りの権力を持った年寄りの妄想に従って、科学的検証の精神を忘れ、過去と現在を否定することにばかり終始する極めて歪んだものになったということがいえそうです。

もはや、「司法改革」ではなく、「司法文化大革命」と呼ぶべきなのかもしれません。

Posted by 小倉秀夫 at 09:03 PM dans D'autre problème de droite | | Commentaires (3) | TrackBack (1)

録画ネット

録画ネットの話題は、中央大学法学部での著作権法ゼミのゼミ合宿用の課題にしていたのでこれまで発言を控えていましたが、11月6日・7日の土日で無事にゼミ合宿を終了致しましたので、これからはこの点についても発言をすることができます。

録画ネット事件の仮処分決定で注目されるのは、裁判所は、図利性の要件の有無を吟味することなく、録画ネットの運営会社をテレビ番組の複製主体として認定している点です。利用主体拡張の法理を適用するにあたって図利性の要件は不要であるとする学説は以前よりありましたからそれ自体は不思議ではないのですが、従来の判例、裁判例とは異なる判断を示したのですから、その理由付けくらいは決定文の中で述べるべきなのではないかと思います。

日本の判決文は、法解釈部分の理由付けが一般に極めて薄いので、判決文を読んでその射程範囲を判断することが実際には極めて難しい状態となっています。

Posted by 小倉秀夫 at 11:31 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

法科大学院の学長さんたちの要求

ある大学で、推薦入学制度を始めることとした。予備校教育の弊害を除去するため、学生の選抜は、IQテストと面接だけで行うこととした。
そして、その大学の学長は、推薦入学で入ってきた生徒に対し「君たちは、優を7〜8割とれるように頑張って勉強して欲しい」と演説した。

しかし、各講義においては、優を与えられる割合というのはあらかじめ決まっているため、学生全員が7〜8割優をとるという事態がありえないことは制度的に明らかであった。

この場合に、推薦入学で入ってきた学生が結集して、「我々学生が7〜8割優をとれるように大学が保障したのに、優の割当数が2〜3割に限定されているのはおかしい。優の割当数を大幅に増加すべきだ」とか「推薦入学の学生が全員7〜8割優をとれるようにするために、一般入試で入ってきた学生が取得可能な優の数をできるだけ少なくすべきだ」
と大学に要求してきたら、ほとんどの人は、その学生たちのことを馬鹿だと思うでしょうね。

Posted by 小倉秀夫 at 09:11 AM dans D'autre problème de droite | | Commentaires (14) | TrackBack (1)

11/01/2004

故山原健二郎議員を偲ぶ

 レコードの輸入禁止期間は、結局我々のパブリックコメントむなしく、政令で4年と決められてしまいました。文化庁の「足して2で割る」方式だと、権利者側は法律上の上限7年を、輸入者・消費者側は0年に近い数字を主張するわけですから、最初から3.5年に近い数字になることはわかっていたわけですね。
 あとは、民主党の若手と社民党の横光議員に期待するより他ないですね。共産党は、かつては山原健二郎氏のような骨のある議員もいたのですが、その山原氏も今年3月に逝去されてしまいました。
 以下、昭和45年4月8日の衆議院文教委員会における山原健二郎衆議院議員(当時)と安達健二文化庁次長(当時)の質疑を掲載し、日本共産党が「不正と戦う政党」に立ち戻ることを祈願することとします。
 


 

○山原委員 この経理上の不正問題というのは、私の聞くところによりますと、いまあなたの言われた裁判の記録も読ませていただいたのでありますけれども、数億に達する、あるいは三億ともいわれる、そしてまた一億数千万ともいう、いわゆる刷新委員会の経理専門員でありました深町輝明会計士補の調査によりましたら、そういう数字も出ているわけですね。そして九千二百三十七万という、そういう金額も出てくるわけで、それに対して、東京地方検察庁の調査によりますとその金額が減っておりますけれども、少なくとも三千二百五十万というものを返還しなければならないという不正部分がはっきりしてきたわけですね。この三千二百五十万は、いま次長も言われたわけですが、この金額は現在返還をされて、しかもそれがどういうふうに配分をされているかわかりますか。

○安達政府委員 旧役員から返還されました三千二百五十万円の扱いにつきましては、今後理事会その他で慎重に検討の上その措置をきめるということで、その措置がきまるまでは、定款の規定に従い、理事会の決定により定期預金にして保管いたしてございます。

○山原委員 この三千二百五十万というのは、これは非常に控え目といいますか、非常に少なくされた金額で、他は不明であるというのが、東京地方検察庁の見解なんですね。だから、非常に不明朗な内容があったということは、これはどなたがお考えになってもわかると思いますし、さらに監督官庁としての文部省の問題ですけれども、これはこの数年間にわたってなぜこのような放置がなされたか、私は非常に疑問に思うわけで、特に文部省は、著作権ニ関スル仲介業務ニ関スル法律及び同法の施行規則によりまして、監督官庁であるわけであります。しかも臨検まで行なうことのできる権限を持っておる官庁であって、この数年にわたってどうしてこういう状態に置いたのかという点で調べてみますと、文部省の役人との間に非常に金品の授受が行なわれておるということで、その金額についても、はっきりはわかりませんけれども、最初百二十万といわれておった。それが次長の前の答弁では七十万、最後には七十二万何がしという金額だと思うのですが、これはあなたの答弁によりますと、非常に儀礼的なつき合い的な金額であるというふうな答弁が前になされているわけですけれども、私の調査では、ここに資料もその後出ておりますが、この文教委員会で質疑応答が行なわれた後においても出ておりますし、また文部省が協会に提出させました菊池豊三郎氏から文部省の社会教育局長蒲生芳郎氏に出された文書を読みましても、これは七十二万になっておりますけれども、しかし儀礼的なものとは思えないのです。この点は、現在も儀礼的なものだとお考えになっておりますか。

○安達政府委員 御了承願いたいことがございます。一つは、三千二百五十万円という数字でございますが、これは裁判長が和解案として出したものでございまして、裁判長の判断において三千二百五十万円が適当である、こう判断されたものであるということを御了承いただきたいと思います。
 それから第二に、文部省の職員との間に金品の授受があったというお話でございますけれども、金品の授受というようなことは一切ございません。というよりは、実際問題といたしまして、最初出ました数字の中には、これはちょっと言いにくいのでございますけれども、文部省職員でない者が飲食したものも文部省職員が飲食したごとく帳簿につけてあったというような、要するにぬれぎぬを着たところも粗当実際問題としてはあったわけでございます。その何十万円というのが、五年間にわたりまして、たとえば新旧課長がかわったときに歓送迎会をやるとか、そういうようなものが中心でございます。しかしながら、そういう御指摘のような誤解を生ずるならば、そういうことはやはり慎むべきであるということで、その後はそういうことの一切ないようにわれわれとしては十二分に戒心をいたしておるというのが実際でございます。
 それから第三番目に、監督上の問題につきましては、実は裏経理であって、正式の帳簿に載ってなかったわけでございますから、実は私どもでは不明でわからなかった。その不明はわびなければいけないと思うわけでございますけれども、その点はわれわれとしても遺憾であったと思うわけでございます。その問題が起こりましてから、私どもといたしましては、いろいろな状況を調査し、今後の運営に遺憾のないように、経理上の処理等につきましても十分な監督を加えるというようなことをいたしてきたわけでございますが、ただ一つは、こういう団体の内紛の問題等がございましたので、こういう問題は自主的に内部的な処理をすることが第一原則でございまして、こちらが内部に入ってその渦中に投ずるというよりは、まずは協会自体の自主的解決をまちたいということで、そういう方向でこの評議員会も改革されまして、新しく組織された評議員会のもとで新しい執行部も選ばれてくる。こういう形でその著作権協会の運営は、現在においては健全に行なわれているものと確信いたしておるところでございます。

○山原委員 こまかいことを言うようですけれども、私はそう簡単には思えない点があるわけです。ここに協会から文部省に出された関係書類があるが、これは信憑性につきましては、非常に少な目に見積もったものだと思うのです。たとえば昭和三十五年には、文部大臣に対する贈答品とか、あるいは日時を言いますと、四月十九日に文部大臣その他の懇談会、あるいは五月四日の著作権課長に対する病気の見舞い代とか、あるいは文部省会合費とか、あるいはまた再び見舞い代とか、あるいは著作権課に対する贈りもの代であるとかいうのが、連日のごとくずらっと並んでいるわけですね。しかもその容体を見ますと、なまやさしいものではないわけで、われわれの感覚ではちょっと想像ができない感覚だ。これを簡単なものだと言う文部省のあなたの答弁は、私はかなり感度が鈍っておるのではないかと思うのです。接待の態様を見ましても、たとえば贈答品あるいはせんべつ、これはあなたが言われた歓送迎会というようなものになるかもしれませんが、病気見舞い、あるいは講師依頼、転任の記念品、それから接待費、折衝費、中元、おみやげ、こういう数費目にわたって支出がなされておるので、これは簡単な儀礼的なものだとは私は思えませんし、しかもほとんど料亭が使用されているわけで、たとえば赤坂、築地などの料亭、キャバレー、舞台は申し上げませんけれども、小梅とかその他の料亭がずらりと並んでいるわけです。そうすると、当時協会が求めておったのは、旧法の三十条八号、これを何とかして削除してもらいたいというので、三十・八という数字が至るところで出てくるわけです。三十条八号の削除、これを文部省へ働きかけるためのそういう折衝費にお金が使われているわけですね。これはただごとではないわけでございまして、それまでもたいしたことではないというお考えに立つことが、私は文部省の姿勢の問題として究明をしなければならぬと考えるわけですが、この点について、当時文部大臣ではなかったわけですけれども、文部大臣の所見をちょっと伺っておきたい。

○坂田国務大臣 私もただいま御指摘になって初めて知ったようなわけでございますが、そのようなことがもし行なわれておるとするならば、いやしくも文部省といたしましては、どう考えてみましても好ましいことではございません。ことに、何らかの目的をもって、それを助けるためにそのような会合を持つというようなことは、よくないというふうに思うわけでございます。今後、そういうような点につきましては、十分注意をしてまいりたいというふうに思います。また、私といたしましても、その間の事情をよく聴取をしてみたいと考えておるわけでございます。

○山原委員 一つの協会の問題ですからあまり詳しく申し上げたくないのですけれども、これはただ文部省だけでなくて、国税庁に対しても行なわれているわけです。それは、この協会に対して三百五十万の税金の徴収が行なわれましたので、これを何とかして税金を課税されない団体にするという知恵を借りるために、国税庁の係官に対しましても、東京国税局あるいは京橋税務署の係官に対しましても、昭和三十五年から三十六年に至るまでひんぱんに金品の贈与、酒食の供応ということが重ねられているわけでございまして、そういうような中で、この団体が課税対象にならない団体になっておるというその結果は、私は非難するわけではございませんけれども、こういうような中で行なわれることは決して明朗なことではございませんし、さらにバー、キャバレー等を暴力団が経営しておるところから著作権法違反の問題が起こるわけで、それに対して警察当局を導入する、これに対しましても、警察庁の保安課に対する金品の授受、昭和三十八年八月五日から九月の五日まで、たった一カ月の間に、私の計算では九万円以上の供応がなされておる、こういう状態なんです。
 これは三つの官庁にわたって申し上げたわけでありますけれども、これは綱紀の粛正の面から申しましても、私は非常に重大な問題だと考えておるわけでございまして、これはやはり官庁としてははっきりと姿勢を正すべき問題だと思うのです。こういうことが続くということになりますと、たいへんな問題でありますし、その被害は利用者にも及ぶわけでしょう。さらに著作権者にもその被害は及ぶわけで、双方に迷惑をかけてくるわけですね。そういう意味で、これは今後の問題として再びかかることが起こらない対策というのは、厳重に講ずる必要があると私は思いますので、そのことを申し上げたいと思うのです。
 さらに、それに対する対策がなされたと言われますけれども、私はそれは行なわれていないのではないかと思うのです。たとえばそういうことが起こる原因として私は数点問題を考えておるのですが、一つは、ブランケット方式というもの――これ以外には徴収方法はないように私も思います。しかし、それならブランケット方式というのは、特にバー、キャバレー等におきましては、どこでどれくらいレコードあるいは演奏がやられておるかわからないという問題もありますので、徴収する金額が非常にわからない部分があるわけです。配分についても困難な面があることは、わかるわけです。これが一つの落とし穴になるわけです。そうしますと、それを扱う協会そのものが相当厳重な監査体制をつくり、あるいは協会そのものが徹底した民主化をされないと、不正が起こる苗床というものは依然として存在をする、こういうふうに考えるわけです。その点について、どういう体制をとられておるのかということが一つです。
 もう一つは、こういう協会と文部省とのつながりですね。たとえば名前をあげて非常に恐縮ですけれども、菊池前常務理事の場合には、かつての文部次官でありますし、もちろん文部省からそのまま行ったわけではないわけですけれども、文部省とのつながりはあるわけですね。今回常務理事として行かれました北岡健二さんにいたしましても、かつて文部省の調査局長でありますから、そういうつながりというものが、監督官庁と指導を受ける機関との間に明確なものをなくしている。そこらあたりから非常に雑然とする状態が出てくるのではないか。こういう点は、明確にすべきではないかと思うのです。これについて意見をお聞きしたいのです。
 もう一つは、時間もあまりありませんから、菊池豊三郎さんのことを例に出しますと、この方は、かつては文部次官、そして次には協会の常務理事といたしまして、三十条八号の削除のために努力をされた。努力をされたけれども、その間に先ほど言いましたような不明な金が使われるという事態があるわけですね。贈収賄ということばを使うならば、いわば贈賄側の人に当たる責任者だった――本人がやったかどうか知りませんよ。しかし、そういう席にあったことは事実です。ところが、その方が依然として、そういう大問題が起こっておるさなかにもかかわらず、著作権法の審議会の委員をやっておられたわけですね。審議会の委員を確かにやっておったと思うのです。間違いであったら指摘していただきたいのですが、その審議会の委員を菊池さんがやられて、そして答申が四十一年の四月に出たわけなんですね。そうすると、悪いことばでいうならば、贈賄側の方が審議に参加して、そして答申が出てくる。事実今度の法案によりますけば、九十五条で三十条八号の趣旨が生かされてくるわけですから、それはけっこうでありますけれども、そういう関係というのは、決して正しいものではないわけでございます。しかも当時、菊池さんの場合には不起訴にはなりましたけれども、ようやく起訴猶予になったという点、しかも三千二百五十万の不正部分の一人の責任者であるという点から申しまして、こういう形で審議会が構成をされておるところに問題があるのではないかというふうに考えるわけです。この点についても、私の調査が誤りであれば指摘をしていただきたいのですが、御答弁をお願いします。

Posted by 小倉秀夫 at 07:58 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)