« 「幇助の故意」と宗教紛争 | Accueil | ポスナーとベッカー »

12/05/2004

出版物貸与権管理センター

 2004年の著作権法改正において、書籍・雑誌の貸与権を創設するにあたって、貸与権についての権利集中管理を行うべき組織とされていた有限責任中間法人出版物貸与権管理センターが、平成16年12月2日付で、著作権等管理事業者として正式に登録されたそうです。
 では、貸本業者の団体と出版物貸与権管理センターとの協議が進んでいるかというと、どうも暗礁に乗り上げてしまったようです。
 CDVJの赤田理事によると、「貸与権管理センターは口頭で『3週間禁止、使用料280円』提示してきました。280円の根拠をただしたら、『作家には80円、出版社、取次店、貸与権連絡センターに200円』との返事でした。」とのことです。
 
 音楽CDの場合、レコード会社にはレコード製作者としての著作隣接権としての貸与権または報酬請求権がありますから、作詞家、作曲家、実演家とは別にライセンス料を徴収するというのは分からなくはないのですが、書籍について出版社には貸与権または報酬請求はありませんから、何故、貸本業者が出版社に貸与についてのライセンス料を支払わなければならないのか理解に苦しみます。まして、取次店なんて、音楽CDの貸与についてだって何の報酬の支払いも受けていないのに、なぜ書籍については突然貸与に関する報酬を受けようなんて考えたのか、全く不可思議としかいいようがありません。
 また、貸与権管理センターの管理手数料をいくらとする予定なのか分かりませんが、権利者に支払われるべき金額と同程度またはそれ以上の管理手数料を徴収する管理事業者だなんて、有害といわざるを得ません。弁護士がこんなことやったら、それこそ懲戒を受けかねません。

Posted by 小倉秀夫 at 06:47 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13499/2161721

Voici les sites qui parlent de 出版物貸与権管理センター:

» 2005年は「貸与権元年」です。(だそうです) de 日々適当なblog
小倉弁護士「BENLI」のエントリ(出版物貸与権管理センター)が 気になったのでご紹介。 意味が分らん所は 「出版社が報酬請求権がないのにも関わら... [Lire la suite]

Notifié le 5 déc. 04 21:21:44

» 書籍レンタルの使用料は、作家には三割しかいかないらしい de StarChartLog
2004年の著作権法改正で書籍・雑誌の貸与権が認められてしまったのですが、その権利集中管理を行う出版物貸与権管理センターが、平成16年12月2日付で、著作権等管... [Lire la suite]

Notifié le 5 déc. 04 23:27:02

» 出版物貸与権管理センター de 道の駅
小倉弁護士のblog「benli」より、 http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2004/12/post_4.html >> 音楽CDの場合、レコード会社にはレコ ... [Lire la suite]

Notifié le 6 déc. 04 09:37:52

» 出版物貸与権管理センターは何処かの団体よりもぼったくり? de Where is a limit?
関連リンク benli 笹山登生の掲示板の0249.0253.0259.0267.0269.0275.0277.0278を参照して下さい。 2005年は「貸与権... [Lire la suite]

Notifié le 6 déc. 04 15:04:41

» 緒方恵美さんの発言から考えたこと de 名古屋中央通信局
かつて放送されたラジオ番組「緒方恵美の銀河に吠えろ」の録音を手に入れて聴く機会に恵まれました。「銀河に吠えろ」については、私が書いた記事や放送を文字化したHPを... [Lire la suite]

Notifié le 3 janv. 05 16:37:52

Commentaires

 7月20日以降のレンタルポパイのレンタルコミックに「出版物貸与権管理センター」のシールが貼ってあったので、検索してコノページにたどり着きました。
 なんかつくりが簡単なシールで、新刊に全部貼ってあります。なんか、胡散臭さを感じます。

Rédigé par: 福岡p | le 07/22/2005 à 16:44

グロスで貸与権使用料のうち3割しか著作者のもとへ行かないとすると、管理作業の精密さによっては「それほど売れていない本」の著作者に対しては実際に支払われた著作権使用料のほんの数パーセントしか届かないケースだって十分ありえそうですね。
JASRACでも「売れていない作曲家」の場合は包括許諾の関係で最終的には支払われた使用料の1割前後しか行かないケースがあるとは聞いていますが、今回のケースは明らかに異常です。

Rédigé par: きたじま@織研 | le 12/08/2004 à 13:57

やっぱり、著作権は創作者のためにはなっておらず、中間の連中を肥らせるものになっているんですね。

Rédigé par: ジョミニ | le 12/08/2004 à 12:27

小倉先生
いつも私のつたない問題意識を整理していただきありがとうございます。
おかげでずいぶん励まされています。
今後ともよろしくお願いいたします。

Rédigé par: 赤田和博 | le 12/07/2004 à 18:07

Poster un commentaire