むしろ、報道大学院を!
毎日新聞の社説が今頃話題になっています。
「超難関のため多くの受験生は大学より司法試験予備校に通い、マニュアル化した受験教育を受けているのが実情」ということと、「合格するために有名大学に、有名大学に入るには有名高校に……といった受験偏重主義も幅を利かせている」ということとが併存していると素直に考えられる論説委員を抱えている毎日新聞社は、論理的思考力や社会常識という点に問題があるかもしれません。また、「実情」をきちんと取材していれば、司法試験が極端に易化したごく最近を除けば、「大学より司法試験予備校に通い、マニュアル化した受験教育を受け」た受験生が大量に合格する事態には至っていなかったことがわかったであろう(司法試験が超難関である場合、「マニュアル思考」しかできない人はあまり受からないのです。)し、旧司法試験においては有名大学、有名高校に入るということが、全く意味を持っていなかったこと及び法科大学院においては就職するためには有名法科大学院に入り、有名法科大学院にはいるためには有名大学に、有名大学に入るには有名高校に……といった受験偏重主義も幅を利かせてくるだろうということがわかったであろうに、思いこみで社説が書ける毎日新聞はお気楽な職場であるようです。
法科大学院の前に、報道大学院を作るべきだったかもしれません。
さらに付言すると、法科大学院でどういう教育をしたら「豊かな社会常識、幅広い人間性などを身につけ」させることができるようになるのか、少し考えたらわかることなのですが、毎日新聞社の論説委員は、大学院教育で「豊かな社会常識、幅広い人間性などを身につ」くという幻想を抱くほど思考力がないということがいえそうです。
Posted by 小倉秀夫 at 11:41 AM dans D'autre problème de droite | Permalink
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Commentaires
この社説の「大学より司法試験予備校に通い」という部分と、「合格するために有名大学に」という部分、矛盾してるように思うのは私だけでしょうか?
「大学より司法試験予備校」に通えば、試験に受かるのであれば、何も、「有名大学」に行く必要はないのでは?
「大学より司法試験予備校に通うので、有名大学であることが無意味となりつつある」というのであれば理解しやすいのですが。あるいは、「苦労して有名大学に行っても、無駄であり、更に、司法試験予備校に通わなければならない」という問題意識なのでしょうか。
Rédigé par: 伊豆隆義 | 31 janv. 2005, 15:49:42