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06/28/2005

Grokster事件速報

Grokster事件について、連邦高裁の判決が連邦最高裁で覆された模様です。

まずは、こちらを参照のこと。

PS
 とりあえず、みんなで手分けして仮訳をつくりませんか?


追記

 シラバス部分は、井上先生が仮訳を付けてくれたようです。

追記2
 ポスナー判事ベッカー教授のブログでも、この事件について議論がなされているようです。

追記3
 井上先生が仮訳を完成させたようです。

Posted by 小倉秀夫 at 01:52 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

06/27/2005

共謀罪と著作権

PCJAPANでの連載用に、今国会で提出された「共謀罪」と著作権法との関係を書いて編集部宛に提出しました。

著作権侵害(著作隣接権侵害、著作者人格権侵害を含む。)って、最近の法改正のおかげで、長期4年以上になってしまった(5年以下の懲役又は禁固若しくは罰金)ので、共謀罪の対象となるのですよ。このことがどういうことを意味するのかが今回のエッセイのテーマです。

Posted by 小倉秀夫 at 03:20 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (5)

06/19/2005

SXSW 2005

 6月17日の夕方から、SXSW2005の報告会にゼミ生有志共々出席してきました。

 「日本のアーティストを世界に売り込む」ということのために日々努める人々の姿がそこにはありました。米国人等にも受け入れられる作品をアーティストたちは既に作り上げているのに、それを世界につなげるシステムなり支援機構なりを我々は未だ作り上げていないということが問題点として浮かび上がってきました。

 例えば、外国のアーティストがインタビュー等で日本の特定のアーティストの、あるいは特定の楽曲に言及したときに、それでその楽曲に関心を持った外国の音楽ファンがその楽曲を聴いてみたいと思ったときに、これを聞くことができるシステムが現状ほぼないといって差し支えないわけです。Apple や Napster等と組んで日本のアーティストの楽曲も広く米国や欧州等で音楽配信してもらうことでその問題は解決するわけです。そしてそれは、例えば、政府が日本のレコード会社の尻を叩き、Apple等との交渉を下支えするなどすれば実現不可能な話であるとは思えません。

 知的財産戦略本部系の知財立国論は、日本のユーザーに不便を強いることによって、コンテンツホルダーを富み栄えさせようというものが主流となっています。しかし、実際に必要なのは、こういう地道な作業を国が支援していくことなのではないかと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 10:24 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (3) | TrackBack (0)

06/13/2005

フィッシングと著作権

 今日の朝日新聞の夕刊の1面トップに、フィッシングを行っていた会社員が著作権法違反の容疑で逮捕されたというニュースが掲載されていました。

 もとより、フィッシングという行為が許されるべきでない行為であり、従ってそのような行為を行った者に刑事罰が下されるようになることに私自身反対するものではありません。

 ただ、フィッシングを著作権法で規制しようという点には大いに疑問を抱かざるを得ません。

 だって、フィッシングは、著名企業のロゴの創作性のあるデザインを複製ないし翻案して公衆に提示することが問題の本質ではないはずですから。そして、問題の本質をはずしたところで行為者を逮捕・起訴してしまうと、量刑の判断などに悪影響を及ぼします(例えば、著作権法違反被告事件であれば、「フィッシングによって集めた情報を何に活用する計画であったのか」ということは本来量刑の判断要素に含まれないはずです。)。また、悪質なフィッシング犯を処罰するために、本来ならば「著作物性」が認められないはずのロゴデザイン等に裁判所が無理矢理「著作物性」を認めてしまう危険だってあります。その結果、著作物性に関する裁判例が、著作物性の範囲を、本来あるべき姿以上に拡張してしまう虞だってあるのです。

 フィッシングにより入手したID、Password等を利用して不正アクセスを行ったかどうかを確認する前に、フィッシング行為を見つけた時点で、強制捜査を行い、被害を未然に防ぐ必要性を全く否定するものではありません。また、人を欺罔させてID、Password等を入力させる行為が(2項)詐欺罪等で処罰可能化というと、確かに危うい点もあるでしょう。

 そうであるならば、フィッシングを行った者を処罰する立法を行うのが筋というものです。方法としては、


  1. ID,Password等の、財産的利益の得喪に密接に関連する情報を詐欺罪等の保護法益に加える

  2. 不正アクセス防止法において、不正アクセス行為の予備的行為としてフィッシング行為を規定して処罰規定を設ける

  3. 不正競争防止法の中に、フィッシング用の模倣サイトの開設行為を不正競争行為とする規定を設ける


等があり得るように思います。そして、フィッシング行為を刑罰をもって規制するということ自体は与野党間に異論が有るとも思えませんから、条項案が固まればさっと可決することが可能でしょうし、元々推奨されるような行為ではなかったので、施行までさほど間をおく必要もないといえるかと思います。すなわち、フィッシングが日本でも問題とされるようになってから今回の逮捕に至るまでの間に、これを処罰する旨の法改正を行う時間的余裕は十分あったはずです。

Posted by 小倉秀夫 at 10:53 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (4) | TrackBack (4)

06/10/2005

録画ネット仮処分異議申立事件東京地裁決定について

 この事件で裁判所はまず、「海外に赴任する者が、従来の自宅にテレビアン テナが接続されたテレビパソコンを残しておき、インターネットで自己のパソコンに接続して放送を録画し、それを海外の自己のパソコンに転送する行為は、著 作権法102条1項、30条1項により適法であると解することが可能であり、日本の自宅で使用するためのテレビパソコンに各種ソフトウェアをインストール して販売する行為自体も、違法となることはないと解することができる」としています。ここがスタートラインです。

 その上で裁判所は、「このような録画についての業者の関与の程度が高 まるに連れて、私的複製の要件である公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いないこと(著作権法30条1項1号)との要件や 使用する者が複製すること(同法30条1項柱書)との要件を満たさず、海外在留邦人の複製行為自体が違法となり、業者の行為も、海外在留邦人の行為との共 同行為や教唆又は幇助と評価される場合が生じてくる」としています。

 ここがまずわからないところです。

 複製に用いる機器が「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」か否かということは、誰でも使用できるものとして当該複製機器が 設置されているのか否かということだけが問題なのであって、複製機器の管理等に業者がどれだけ関与しているのかということは関係がありません。

 また、海外在留邦人が複製の主体であると認められる場合であっても、業者の関与の程度が高まると、「使用する者が複製すること」という要件を満たさなく なるという論理もよくわかりません。業者に教唆されようと幇助されようと、録画したデータを使用して日本のテレビを見ようと思っている海外在留邦人自身が 複製行為を行っているわけですから、まさに「使用する者が複製」しているとみるのが常識的だと思います。

 もっとも、海外在留邦人と業者とが「共同して」複製行為を行っている場合には「使用する者が複製」したとは言えないという見解も条文解釈としてはあり得 ます。では、録画ネットの場合はどうでしょうか。

 裁判所はまず、「各利用者は、テレビパソコンを所有して録画予約を 行っているものであるから、自然的観察により、各利用者の行為を本件放送の複製行為と認めることに何ら困難はない」としています。

 しかしながら裁判所は、

  1.  債務者が「テレビパソコン、テレビアンテナなどの機器類 及びソフトウェアが有機的に結合した本件録画システムのうち、テレビパソコン及び内部のソフトウェアの一部以外を所有し」ていること(具体 的には、テレビアンテナ、ブースター、分配機、ルーター、ホームページサー バー(利用者はそこでアクセス認証を受ける)、監視用サーバーを 保有していること)
  2.  債務者が「本件録画システムを設置・管理し」 ていること
  3.  債務者が「本件サービスが海外に居住する利用者を対象 に、日本の放送番組をその複製物によって視聴させることを目的としたサービスであることを宣伝し」ていること
  4.  「利用者は、それに応じて本件サービスを利用し、債務者 は、毎月の保守費用の名目で利益を得ている」こと

の4点を理由として、録画ネットを利用したテレビ「放送の録画行為は、 利用者と債務者が共同して行っているものと認めるべき」と判示しています。

 しかし、これで債務者が各利用者と録画行為を共同して行っていたというのは無理があるように思います。

 上記1〜4のうち、1,3,4が、利用者による録画行為を何ら分担する行為ではないことは明らかです。で、2は、利用者が私的複製するのに用いる機器・ システムを設置・管理しているということですが、それは利用者による複製行為を「幇助」するものではありえても、複製行為を分担して行ったと評価できるも のではありません。(私的使用目的の)複製行為に用いる機器等を業者が提供していた場合「使用する者が複製」していないとして著作権法第30条第1項柱書 の適用を受けられなくなるのであれば、同項第1号のような規定は不要です。しかし、そう考えられてはいないから、貸しレコード屋の高速ダビング機を潰すた めに著作権法第30条第1項第1号を創設したし(注1)、同号の適用が附則第5条の2により留保されている文献複写機については、 これを公衆に提供する業者が堂々と営業していられるのです。
 さらにいえば、アップル社は、「.Mac」会員に対して、「iDisk」というサービスを提供しており、個々のユーザーがその使用するパソコンにインス トールされたiTunesによりリッピングされた音楽データをアップル社が設置・管理するサーバディスク上にバックアップすることを可能とするサービスを 提供しています。東京地裁の論理が正しいのであれば、iDiskサービスを提供するアップル社もこれを使用して音楽データをバックアップする利用者も皆犯 罪者ということになりそうです(注2)


 また、「本件サービスはテレビパソコンのハウジングサービスにすぎない」と債務者が主張していたのに対し、裁判所は、「本件サービスは、単にテレビパソコンを預かり、空調など環境を管理し、各機器類に 電気を供給する等の通常のハウジングサービスの範囲をはるかに超えているものと認めざるを得ない」として、この主張を退けています。

 しかし、いまどき「通常のハウジングサービス」が「単にテレビパソコンを預か り、空調など環境を管理し、各機器類に電気を供給する」程度のサービスしかしていないというのはどこから得た情報なのか気にかかるところです。技術者を常 駐させて24時間態勢でネットワーク、ハードウェア、ソフトウェア等の監視を行い、障害発生時には即座に障害を取り除くための対応をすることとしているハ ウジング業者というのはもはや珍しくないと思いますし、データセンター内のルーター等まで利用者に購入させているところは少ないと思いますし、監視用サー バもハウジング業者の側で用意しているのが普通だと思うのですが、疎明資料として提出された「普通のハウジングサービス」の仕様書、パンフレット等がどこ のものであったのか興味があります。

 オリンピックやサッカー・ワールドカップ等一部の番組について海外転送されると非常に困ったことになるというのであれば、テレビ局とエフエービジョン社 とEPG事業者とで協議して、海外転送されるととても困る番組だけ特別の信号を付し、この信号が付されたものについては海外転送できないシステムを作り上 げればよいだけなので、両当事者は早く和解してもらいたいと思います。

 さらに付け加えるとすれば、個人的なことですが、私の自宅は最近民放各局の映りが非常に悪いので、録画ネット又はこれに類似するサービスを、日本国内の 電波状態の悪い地域の住民でも使用できるようにして頂けると嬉しいです。といいますか、このようなサービスが一般化すれば、
日本全国どこにいても東京キー局で放送された全ての番組を視聴できるようになり(地方に よっては、民放が5局あるとは限らないのが実情ですね。)、もは や東京キー局で製作した番組を垂れ流すだけの地方局は不要になる(地方局は、独自の番組製作を求められることになります)など、社会に多大なるメリットを もたらすことになるのではないかと思います。



(注1)
 もちろん、東京地決昭和59年4月6日判タ525号314頁のように店頭で高速ダビング機を客に使用させることを禁止するような仮処分申立てが認容され た例がなかったわけではありませんが、この仮処分決定は、理由も付さない、適用法例も明らかにしない、いわゆる「えい、やっ」とやってしまった決定であ り、裁判所も本案での審理に委ねたいと思っていたのか自信がなかったのか、金800万円という高額の保証金を立てさせたものであり、先例としての価値はあ りません。

(注2)
 「使用する者が複製」するとの要件を満たさないとのことであれば、著作権法第119条第1号括弧書きの適用を受けられないので、単に「公衆用自動機器を 用いて私的使用目的の複製を行った場合」と異なり、利用者の刑事責任は免責されません。

特に、録画ネットの場合、ファイルローグの件とは異なり、利用者の行為はそもそも適法な行為だったわけです。それなのに、業者がその適法な行為を行うため の環境を整えたら、利用者共々違法行為を犯したとの誹りを受けるというのは不可思議というより他ありません

Posted by 小倉秀夫 at 11:39 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

06/02/2005

録画ネット事件、異議申立却下決定を受けて

録画ネットに関する仮処分命令に対する異議申立事件について、6月1日に却下決定が下されたそうなので、民主党のエンタメ議連に次のようなメールを出しました。


民主党エンタメ議連事務局御中

 テレビチューナー付きパソコンとインターネットを利用して、日本で放送されているテレビ番組を海外にいながらにして視聴することを可能とするサービス「録画ネット」について、その差止めを命ずる仮処分に対する異議申立てが昨日東京地裁で却下されました。

 私はこの事件の代理人ではないので詳細はわからないのですが、仕事の関係で海外に赴任している友人、知人からも、日本のテレビ番組を視聴したいとの声はよく聞いており、ITを活用することにより、これが果たせることになったのであればそれは素晴らしいことであるのに、著作権法がこれを阻害してしまっているとすれば、著作権法の専門家として大変忸怩たる思いに駆られてしまいます。

 このサービスの利用者の多くは、テレビ局に別途視聴料を支払うことは吝かではないことが予想されますので、このようなサービスが適法となるような新規立法の制定またはサービス提供者とテレビ局との間の仲介などをしていただけると幸いです。

Posted by 小倉秀夫 at 06:44 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (2)

06/01/2005

改正案コンクール

 最近、憲法改正論が盛んです。既に読売新聞社は2回にわたり改正私案を出しているし、自民党も近々試案を公表するとしています。

 しかし、今の時代に合わなくなってきているという意味では、憲法よりも著作権法の大改正の方が急務なのではないかという気がします。日本国憲法はかなりできがいいですが、日本国著作権法はかなりできが悪いですから。

 文化庁は文化庁でいろいろ考えているようですが、憲法制定意思が盛り上がっているときには民間から改正私案がわっと提出されるように、民間から改正私案をわっと提出することによって、著作権制定意思を盛り上げていく時期なのではないかなんてことも考えます。

 ということで提案ですが、

我々の側で、さまざまに「著作権法私案」をつくって公表してみませんか。

 

Posted by 小倉秀夫 at 07:04 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (1)