SXSW 2005
6月17日の夕方から、SXSW2005の報告会にゼミ生有志共々出席してきました。
「日本のアーティストを世界に売り込む」ということのために日々努める人々の姿がそこにはありました。米国人等にも受け入れられる作品をアーティストたちは既に作り上げているのに、それを世界につなげるシステムなり支援機構なりを我々は未だ作り上げていないということが問題点として浮かび上がってきました。
例えば、外国のアーティストがインタビュー等で日本の特定のアーティストの、あるいは特定の楽曲に言及したときに、それでその楽曲に関心を持った外国の音楽ファンがその楽曲を聴いてみたいと思ったときに、これを聞くことができるシステムが現状ほぼないといって差し支えないわけです。Apple や Napster等と組んで日本のアーティストの楽曲も広く米国や欧州等で音楽配信してもらうことでその問題は解決するわけです。そしてそれは、例えば、政府が日本のレコード会社の尻を叩き、Apple等との交渉を下支えするなどすれば実現不可能な話であるとは思えません。
知的財産戦略本部系の知財立国論は、日本のユーザーに不便を強いることによって、コンテンツホルダーを富み栄えさせようというものが主流となっています。しかし、実際に必要なのは、こういう地道な作業を国が支援していくことなのではないかと思います。
Posted by 小倉秀夫 at 10:24 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
JASRAC過去使用分請求の件でネット内で大きく取り上げられた銀河のほとりですが、ついにJASRACは一曲個別支払い90円という条件を認めましたね。
http://8726.teacup.com/kannrininn/bbs
これは小規模な店や商業ベースにのらない表現領域に関わる演奏家を育てている店の経営を可能にする本来JASRAC使用規定に書かれてある条件だったのですが、JASRACは長く事実上これを認めてこなかったわけです。今回はタイムリーに政府知財の方針に合致した判断ですね。まぁ、本来使用規定に明記されていたこととはいえ、適切な方向に駒を動かしたことは事実です。
Rédigé par: コマプ墨田 | 21 juin 2005, 23:54:05
アーティストらはとっくの昔に自分負担で海外活動を行う方法とを開拓しております。自分の知ってるバンドも自腹で国内活動しながら、先日はイギリスのフェスに行ってきたり、現在EUツアー中バンドもありですが、そういう連中を支えているライブハウスが、過去使用料だと言って数百万はらわされたりしてるんですね。
まずは政府サイドの支援というのは、既存利益確保のために創造的環境の成長を阻んでいるこうした機構の旧態依然たる発想こそが国益全体に不利益をもたらすことを正しく認識させること、これに尽きると思います。
そう言う意味で、政府知財推進が今回出してきた、知的創造サイクル専門調査会においては、こうした現状に関する分析がまずは成されるものと大いに期待するところです。
Rédigé par: コマプ墨田 | 20 juin 2005, 03:45:54
必ずしも国内における権利強化一本槍ではないと思いますが。
そもそも国の支援というが、支援と介入とは表裏一体。介入はいつの間にか過度のものになりがちです。
私人の側でできることがないか、まず検討すべきでしょう。
Rédigé par: むむ。 | 19 juin 2005, 15:25:28