Posner's middle way
Grokster最高裁判決に関連して、米国連邦高裁判事であるPosner氏は、次のように述べます。
There is a possible middle way that should be considered, and that is to provide a safe harbor to potential contributory infringers who take all reasonable (cost-justified) measures to prevent the use of their product or service by infringers. The measures might be joint with the copyright owners. For example, copyright owners who wanted to be able to sue for contributory infringement might be required, as a condition of being permitted to sue, to place a nonremovable electronic tag on their CDs that a computer would read, identifying the CD or a file downloaded from it as containing copyrighted material. Software producers would be excused from liability for contributory infringement if they designed their software to prevent the copying of a tagged file. This seems a preferable approach to using the judicial system to make a case by case assessment of whether to impose liability for contributory infringement on Grokster-like enterprises.
意訳すると、
自社の提供する商品ないしサービスが著作権侵害行為に利用されることを防ぐ(コスト面も含めて)合理的な措置をすべて講じた場合、寄与侵害にはあたらないとしてやってみてはいかがだろうか。著作権者たちと共同してそれらの措置を講じてみたらどうだろうか。例えば、寄与侵害のかどで訴訟を提起できるようになりたい著作権者は、訴訟を提起するための条件として、コンピュータによる読み取りが可能な、除去不可能な電子的なタグをCDに付け、そのCDや、そのCDから抽出したファイルが著作権法により保護されるコンテンツを含んでいることを識別できることを要求するのである。ソフトハウスは、「著作権タグ」のついたファイルが交換されたファイルの交換を阻止するように設計した場合には、寄与侵害責任を免責されるとするのである。これは、Groksterのような企業に寄与侵害責任を課すかどうかを決めるために司法制度を利用する際にはより好ましい方法のように思える。
ということになろうかと思います。
Groksterのような企業に対し著作権侵害責任を追及する──差止請求であれ、損害賠償請求であれ──にあたっては、その商品なりサービスなりが著作権侵害に利用されるのを防ぐために必要な情報を、当該企業に対し著作権者側で予め提供しなければならないとするのは、一つのあり得る提案です。本来想定した適法な利用を阻害することなくその商品なりサービスなりが著作権侵害に利用されるのを防ぐことが経済的、技術的に容易に実現できるのに防止策をとらなかったという場合に初めて、あえて第三者による著作権侵害行為に寄与しようという意図が商品等の提供者にはあったと推認することが許されるといえるのだ(その商品なりサービスなりが著作権侵害に利用されるのを防ぐには、その商品等の提供自体を中止したり、経済的または技術的に大変な困難性を伴ってしまうという場合に、結局著作権侵害に利用されるのを防ぐための対策を講じなかったということをもって、あえて第三者による著作権侵害行為に寄与しようという意図を推認してしまうのは、経験則に違背するのだ)といえるからです。
我が国の法解釈としても、例えば差止請求訴訟においては、著作権侵害に利用されることを防ぐための方法を、具体的に実行可能な程度に特定することを原告たる著作権者に求めつつ、「著作権タグ」を付けるなどして著作権者側で一定の共同作業を行うことによって侵害防止措置を具体的に実行可能としうることが明らかになった場合には、原告側がそのような必要な作業を行うことを条件とする差止命令を下せばよいのではないかとも思えます。裁判所としては、被告たる商品等の提供者が著作権の侵害主体であるとの心証を固めた段階で、中間判決を下すなり、その心証を開示して、審理の対象を差止命令の内容の具体化に集中させればよいのですから、それほど難しい話ではないように思います。
Posted by 小倉秀夫 at 10:05 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
TrackBack
Voici les sites qui parlent de: Posner's middle way:
» もう1度「著作権絡みの現状」を考える de 仰觀宇宙之大、俯察品類之盛。
うちの7月2日に書いた記事の続き、言うことで。
さてさて、他のサイトなんか見ても、米国P2P訴訟の一件が落ち着いてきはったんで、ゆっくりと考えてみるかのぉ。
・まず。
まず、うちでの発端になったのはこの記事やったし、もう一度読み直してみるかのぉ。
... Lire la suite
Notifié: 12 juil. 2005, 22:56:47
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires