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07/22/2005

テレビ番組のネット最新と地方テレビ局の未来

 今日は、総務省が2006年を目途にテレビの地上デジタル放送をインターネット経由で各家庭に配信できるようにする方針を固めたとのニュースが注目を浴びました。

 技術的な話は技術者の方にお任せするとして、著作権法的には、他人の著作物や実演を放送・有線放送する場合の規定と、自動公衆送信する場合との規定を、放送・有線放送側に合わせる方向で法改正していくか、非オンデマンドタイプのストリーミング配信については放送・有線放送に該当するということで公権的な解釈を変更する(または明文の規定を置く)ということが考えられるように思います(著作権者や隣接権者に送信可能化禁止権を残した状態で、権利処理機構をつくることで対処しようというのは、実際には難しいと思います。)。

 ただ、これをやると、東京キー局が制作した番組を周辺地域向けに転送するのが主な仕事となってしまっている地方テレビ局がその社会的な役割の大半を失うことになるので、反対するのだろうなあとは予想してしまいます。

 私としても、高速インターネット回線も衛星回線もなかった時代は、全国津々浦々に動画コンテンツを送り届ける重大な社会的役割を地方テレビ局が担ってきたわけで、その歴史的な意義を軽視するわけでありません。ただ、全国津々浦々に動画コンテンツを届けるのによりコストが安く済む手段が現実に選択可能となっていったとき、地方テレビ局の「インセンティブ」を守るために、このような新たな手段を選択することを妨げる法律をそのままにしておくというのは私には本末転倒であるように思えます。特に、地上波デジタルへの切り替えによって、「動画コンテンツをテレビ放送により各家庭に届ける」という手段は、これまでとは異なり、大きな投資を必要とする手段に成り下がってしまうわけです(都市部なら、地上波デジタル対応TVに切り替えるより、それなりの処理速度のあるパソコンを購入し、光ケーブルに切り替える方が、とりあえず安上がりなのではないでしょうか。)から、「動画コンテンツを各家庭に届ける」という方式を専らテレビ放送に委ねるというのは、「できるだけ多くの国民が一定の動画コンテンツを視聴できるようにする」という観点からもどんどん下策になってしまうわけです。

 ということで、「放送と通信の融合」の先には、「オリジナルコンテンツ制作力の乏しい地方テレビ局の淘汰」が待っており、それゆえ、彼らが「放送と通信の融合」への最大の抵抗勢力になるのではないかとの予測を開陳して、本日は寝ることとします。

 

Posted by 小倉秀夫 at 02:15 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Voici les sites qui parlent de: テレビ番組のネット最新と地方テレビ局の未来:

» [Broadcast][Broadband]Re:テレビ番組のネット最新と地方テレビ局の未来 de ryuzi_kambe の?D
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2005/07/post_6f7d.html 下記のエントリとは逆に、番組編成を自由に選んでも広告モデルがなりたつという前提に立つと、ユーザは観たいときに、自分の観たい番組を観ることが出来る(どの番組を観ていいかどうかわからないときに「お任せモード」にすることも出来るし、他の人がよく見ている「おすすめ番組」を観るようにしてもいい)それはともかく、そのようにして番組をバラ売り、放送局をもまたいでバラ売りした場合、広告というのはど... Lire la suite

Notifié: 27 juil. 2005 à 01:18:54

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