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08/13/2005

「郵政解散」かもしれないけど、私にとっては「iPod選挙」

 郵政事業の民営化って、私にとってはどっちでも良い話題であって、そんなものを争点にされたって困ってしまうなあというのが正直な感想です。ちょっと陰謀論的にいえば、郵政事業の民営化問題なんて大抵の国民にとってはどうでも良いことなので、こういうものを争点にしてしまえば、「小泉=改革派、反小泉=守旧派」みたいな路線に国民もあっさり乗ってくれるのではないかという思惑があったのではないかという気がしなくはありません。実際には、財政投融資に問題があるというのであれば、郵政事業を民営化しなくったって、財政投融資のあり方を変更すればいいだけなのではないかという気がするので、民営化反対=守旧派ってほど単純ではないとは思うのですが。

 そんなことより、既得権者と国民とどちらの味方をするのかがはっきり分かれるのは、著作権法改正問題です。

 著作権の保護期間の延長問題は、少なくとも既に著作権が発生している作品についても保護期間を延長する限度においては、「インセンティブ論」とは全く関係がない、現在のコンテンツホルダーの既得権擁護以外の意味を持ちません。

 また、メディアシフトのための私的複製が行われているにすぎないiPod等への私的録音録画補償金課金問題もまた、経済的損失の裏付けがない補償金制度の創設の是非という問題であって、コンテンツホルダーによる国民への不当な搾取を法の力によって義務づけようとするものです。これまた、既得権の拡大という意味しか持ち得ないものです。

 また、現在の日本の著作権法は、どこの音楽配信サービス事業者に楽曲の音楽配信を行わせ、どこの事業者に行わせないかを決定する権限を原盤権者に与えており、また、日本の独占禁止法制は、原盤権者がその子会社、関連会社が音楽配信サービスを行うことを認め、さらに、原盤権者の子会社・関連会社に音楽配信を認めた楽曲について第三者に音楽配信を認めないという差別的取扱いを明らかには禁止していません。その結果、音楽配信についていえば、日本国民は、日本と同レベルの経済水準にある諸外国と同様の消費生活を享受できない環境におかれています。

 インターネットラジオについても、文化庁は非オンデマンド・ストリーミング型ですら放送・有線放送ではなく自動公衆送信だと言い張っており、かといって、レコード会社にライセンスのための条件整備を促すこともしないため、「お金を支払ってもいいから、日本の楽曲をインターネットラジオで流したい」と思っても流せないでいるのが実情です。これなど、既得権者たるレコード会社にどんな利益があるのかすら理解できないのです(自分たちが権利を握っているコンテンツが第三者の手により有効活用されてしまうこと自体が、レコード会社の「明日のインセンティブ」を奪うとでもいうのでしょうか。)。

 そこで、私は、今回の選挙の争点は、


  1. 著作権の保護期間延長に反対かどうか

  2. 私的録音録画補償金制度を廃止するとともに、正規商品の代替品を市場に供給しない複製を私的使用目的の複製として保護し続けるかどうか

  3. コンテンツのストリーミング型配信について、少なくとも一定の禁止期間経過後は、コンテンツホルダーの権利を許諾権から二次使用料請求権へとシフトさせるかどうか

  4. 原盤権者に対して、楽曲のオンライン配信について日本国内又は他のG8参加国内にある事業者の一つにライセンスを付与した場合、他の事業者に対しても、少なくともそれと同程度の条件でライセンスを付与することを義務づけるかどうか


ということにしようかと思います。まあ、衆議院の文教委員会の議員さんたちに質問状を出してみて、無視されたらそれまでですが。

Posted by 小倉秀夫 at 10:49 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

>インターネットラジオについても、文化庁は非オンデマンド・ストリーミング型ですら
>放送・有線放送ではなく自動公衆送信だと言い張っており、

初めまして。

仰ることはごもっともですが、文化庁の返答に不満があるのなら、
裁判を起こせばよろしいだけの話なのではないでしょうか。

小倉さんは弁護士ですから、裁判はお手の物ですよね。

自分でできることがあるのに、ブログで文句を言っているだけでは物事は改善しないように思います。

Rédigé par: 七氏 | le 08/14/2005 à 08:54

 民主党のWebで検索してみましたが、「知財政策に関心はあります」程度の話しか書かれておらず、具体的にどうしたいのかとんとわかりませんな。
 英国なみにシャドウキャビネットを作っているなら、影の総務大臣がもっと詳しく政策を論じているのかと思ってましたが、カタチをマネしただけで中身は空っぽ。

Rédigé par: Inoue | le 08/14/2005 à 01:11

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