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02/23/2006

別館のリニューアル

以前よりはてなの方にもっていた別館を、文献情報の備忘録としてリニューアルすることにしました。

Posted by 小倉秀夫 at 07:33 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

02/22/2006

フランスP2P合法化動議騒動の後日談

 昨年末、フランスで、P2Pを用いたコンテンツのダウンロードを合法化する修正案を含む著作権法改正法案が国民議会で可決され、大騒ぎになりました。

 その後日談が、fenestraeさんのブログに掲載されています。

 騒動の発端は、著作権法による規制の強化を図った政府側が策を弄して著作権法改正法案を遠そうとしたところ、与党議員の反乱にあって、却って著作権法による規制を緩和する修正案が通ってしまったという「策士策に溺れる」型だったようで、著作権法による規制の強化を図る人達のやることというのは世の東西を問わないのだなあと感心してしまいました(日本の場合も、レコード輸入権の関係で最初の説明をごまかしてしまったため、レコード輸入権と書籍・雑誌貸与権の創設には成功したものの、その行使は事実上相当限定されてしまったし、それよりなにより著作権法による規制の強化を図る立法を推進することの政治的なリスクを高めてしまったわけで(実際、iPod課金は断念させられたわけですし)、やっぱり策に溺れてしまったのだなあと感じざるを得なかったりします。)。

Posted by 小倉秀夫 at 11:21 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

02/18/2006

Prof.Murai on Winny Trial

 慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純先生が、Winny事件で証言したのだそうです。この件は、壇先生はもちろん、落合先生も触れています。

 村井先生は「効率の良い情報共有のメカニズムが、著作権法違反行為を助長させることに結び付くということは理解できない」と主張されたとのことです。しかし、効率の良い情報共有のメカニズムが、著作権法違反行為を助長させることに結びつくということは理解すべきでしょう。問題は、だからといって、著作権保護という要請を重視して「効率の良い情報共有のメカニズム」を断念しなければならないのかということでしょう。私もファイルローグ事件の被告側代理人を務めていましたから、そういうメカニズムを実現しようとしている側は、著作権法違反行為を積極的に助長させようと思っているわけではなく、著作者の経済的権益を保護するための従前のシステムと「効率の良い情報共有のメカニズム」とが互いに相容れないのであれば従前のシステムを改良して「効率の良い情報共有のメカニズム」と両立できるようにしてほしい(「効率の良い情報共有のメカニズム」への流れが押しとどめようがないのであれば、いずれ従前のシステムは見直さざるを得ない)という程度だろうということは予想することができます(それを「著作権システムを崩壊させる」という意図と結びつけようと言うのは無責任な周囲(特にマスメディア。ファイルローグのときはTBS。)であって、本人は周囲に煽られてオーバーな表現をしてしまうことはあっても、もともとコンテンツ産業に恨みがあるわけではありませんから、「著作権システムを崩壊させる」こと自体に積極的な意義なんて見出していないものです。)。

 そして、この問題は、2つの正義が衝突し、それをどこで調整するのかという話ですので、一方当事者のみが非常なリスクを負い、他方当事者または利害関係者の声が直接反映されず、かつ判断者が当該正義について素人である刑事裁判において解決が図られるものではなく、公開討論やパブリックコメントなどを繰り返して様々な利害関係者の声を反映させた上で、立法的に解決されるべきものなのだろうと思います(もちろん、金子さんが匿名であったために、「刑事裁判」でしか議論の場を設けることができなかったという「事情」はあるわけですけど。)。

 村井先生はまた、検察側が、キャッシュやクラスタ化などのWinnyの個別の機能について、著作権法違反行為を助長させる目的を持って搭載されたものだと主張していることをどう思うかという質問に対して、これらの技術は「ネットワークの効率を上げるための洗練された技法であり、これを利用の目的と結び付けて考えるのは理解できない」と述べたとのことです。確かに、キャッシュ等の機能は、「ネットワークの効率を上げるための洗練された技法」といえそうです。ただ、金子さんのWinny開発の動機が匿名性の保障の側にある以上仕方がない面はあるにせよ、匿名性を排除しつつキャッシュ等の「ネットワークの効率を上げるための洗練された技法」を導入することも可能だったのではないかという気はします(例えば、特定のファイルをWinnyネットワークの外からWinnyネットワーク内に持ち込んだユーザーについてはそのID情報をメタデータとして暗号化の際に当該ファイルにくっつけるとか。)。

 なお、村井先生は「情報システムにおいては匿名性の確保は追及すべき重要性の高い技術だと説明。プライバシーの保護や、電子投票のシステムなどを考える上で、どのように匿名性を担保するのかといった研究は広く行なわれているとした」とされています。ただ、電子投票システムを考える上で必要となる匿名性とWinnyによってシステム的に保障される匿名性とは性質が異なるのは気になるところです。つまり、電子投票システムでは、個々の投票に関してその投票を行ったのがどこの誰であるのかを開票システム側で正確に把握する必要があります(投票権がない人による投票を排除したり、1人で複数回の投票を行うことを排除したりしなければなりません。)。電子投票システムにおいて要求される「匿名性」というのは、どこの誰がその投票を行ったのかという情報と、その投票の内容がいかなるものであったのかという情報とを切り離すという限度で認められるべきものです。proxyを多段階に経由させることによって誰がその情報のOriginであったのかをわからなくすることを志向するWiinyとはだいぶ方向性が異なるのではないかと思います。

【今日聴いた曲の中でお勧めの1曲】

Sing For Absolution
 by Muse

Posted by 小倉秀夫 at 11:18 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (4) | TrackBack (0)

02/13/2006

Q&Aのレベル

 東京行政書士会の「著作権相談センター」がウェブサイトを開設していることを知りました。

 そのウェブサイトには、「著作権よくある質問」コーナーが設けられていました。行政書士さんのところに著作権関係の相談を持ちかける人ってこういうことを聞いているのかと若干の驚きを持ってみてしまいました。

 それ自体は「客層が違う」というだけの話なので大したことはないのですが、回答の方を見ると驚きは「若干」という範囲ではすまないように思いました。

 大学の教員は「教え子」のことを「生徒」とは呼ばない(普通は「学生」と呼びます。)ということは些末的だからいいとして、学生の論文を「記念論文集」として出版する際に校正を行うことの著作権法上の問題を説明するにあたって、法政大学懸賞論文事件高裁判決(東京高判平成3年12月19日)を踏まえないというのはどうかと思ってしまいます。

生徒の論文を校正する行為は、正当な範囲内で許可されます。つまり、生徒の著作物の内容を著しく改変しない誤字、脱字等の校正は認められますが、意味内容に重大な変更をきたすものは、同一性保持権を侵害するものと考えられます。
なんて説明だと、送りがなを変更したり、「等」の前の読点を削除したり、中黒を読点に変更したり、原文通りの改行を行わなかったりしても大丈夫なのだと勘違いされてしまいかねません。そもそも論でいけば、「正当な範囲内」であれば著作者の同意なくして著作物を改編すること許可されるという考え方がどこから発生してきたのかということ自体不思議でなりません(「やむを得ない」と「正当な範囲内」とはだいぶ異なる概念だと思います。)。

 大学の教員が学生の論文を出版するにあたっては、出版することについて個別に許諾をとらざるを得ないのですから、その際に教員側で適宜校正を行うことについて事前に包括的な同意を得ておくか、校正を行った後に当該学生に校正結果を見せて同意を得てから出版することとするかのいずれかを選択させるというのがこの種の「Q」に対する正解なんだと思うのですけど、行政書士さんにこのような質問をしてしまった大学教授の方は大丈夫だったのでしょうか?

Posted by 小倉秀夫 at 12:23 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

02/10/2006

ライブハウス経営者の刑事責任

 平成18年2月7日に、ライブハウスの経営者が著作権法違反の疑いで逮捕されたそうです。

 ライブハウスにおいて公衆に直接聞かせる目的で実際に歌唱・演奏をしているのは当該ライブハウスを利用するアーティストの方々ですから、ライブハウスの経営者に著作権侵害違反の罪を問うには工夫が必要です。

 考えられる方法としては、

  1. 各アーティストを正犯とし、ライブハウスの経営者に幇助犯としての責任を問う
  2. 各アーティストをいわば道具として利用した間接正犯としての責任を問う
  3. いわゆる「カラオケ法理」を刑罰法規としての著作権法を適用する場面でも活用する
あたりが考えられます。

 報道の書き方を見ると、「カラオケ法理」をあっさり適用して普通の直接正犯として逮捕してしまったのではないかという気もするのですが、そうだとすると、「著作権法の規律の観点」という明文化されていない正当化要素によって、曖昧模糊とした処罰範囲の拡張を認めようとしているという点で、罪刑法定主義という観点からもかなりまずいのではないかという気がします。

 そういう意味では、起訴をする段階で幇助に落とせば問題はなくなるのですが、そうすると、刑事法的には正犯性がなくせいぜい幇助犯が成立するにすぎないのに、民事的には利用主体、侵害主体と認定できるのかという問題を生ずることになります。

 著作物等の利用行為に間接的に関与したに過ぎない者を直接の利用主体と無理矢理認定してきたツケが現れたといえなくもなさそうです。

Posted by 小倉秀夫 at 06:02 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (3)

02/07/2006

Respect Your Music Campaign 案1

レコード会社の皆様

 あなたの音楽は、
  人に感動を与えたくて、
  人を幸せにしたくて、
   うずうずしています。

 あなたの音楽を、
  「廃盤」という檻から開放してあげてください。

   Respect Your Music.

「廃盤」になっている音楽をネットで配信してあげてください。

Posted by 小倉秀夫 at 01:55 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (1)

02/06/2006

テレビ局がこぞってIPマルチキャスト放送の自由化に反対する理由

 ゲームラボの3月号の原稿は、South by Southwest (SXSW)の話題から入って、IPマルチキャスト放送のお話を書きました。

 系列ローカルテレビ局という「中」を抜くだけでなく、そもそもテレビ局という「中」を抜くこともあり得るのだよと言うことまで軽く触れています。

Posted by 小倉秀夫 at 11:08 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)