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08/20/2006

情報の流通や文化の伝播を「国境」で食い止めるのはもうやめよう。

 まねきTVのようなサービスを押しつぶすために、テレビ局は、「こんなサービスが容認されると、日本はオリンピックなどの映像について放送ライセンスが得られなくなる」云々と言って脅してきます。まあ、こんなニッチなサービスが容認されたからといって、日本の放送局が支払う莫大な放送権料を諦めて日本への放送ライセンスの付与を拒絶する組織があるとはにわかに信じがたいところではあります。

 百歩譲って、仮に有力なコンテンツをお持ちの組織の中にこの種のニッチなサービスが容認される国には一切放送権を付与しないという傲慢な組織があり、その組織がお持ちのコンテンツを視聴したいという国民が多い場合、その組織がお持ちのコンテンツだけはエリアシフトできないように工夫したらよいだけのことのようにも思います(テレビ局と機器メーカーとの間で「エリアシフトを不可とする番組」であることを示す信号を取り決めれば済むだけのことです。)。

 もっといってしまえば、海外スポーツの中継や映画のTV放映のような外部コンテンツ以外のコンテンツ(ニュースやドラマ、バラエティなど)は、ストリーミング型でいくかダウンロード型でいくかはともかくとして、全世界に向けてオンライン配信してしまえばよいのです(配信先の国・地域ごとにCMを入れ替えられるようにすれば、国外配信分についても広告収入が得られる可能性が高くあるわけですし。)。実際問題として、海外に滞在している際に見たくなる日本のテレビ番組としては、ニュースや日本国内制作のドラマ、日本の国内スポーツ等が上位にくるのであって、オリンピック中継だのサッカー中継だのは、無理して日本国内で放送されているものを見たいとは思わないですし、そういうものとして番組を制作すれば権利処理だってそんなに難しいものだとは思いません(いずれにせよ、YouTubeその他のサービスが存在する以上、外国人タレント等が日本のバラエティやCMで羽目を外した映像が日本国内で流れれば、その映像は米国等にも流れるわけですし。)。

 情報の流通や文化の伝播を「国境」で食い止めるという、反社会的なことのために、貴重な資本や法的なリソースを活用するという無意味なことは、そろそろやめにしてもらいたいものです。

Posted by 小倉秀夫 at 12:53 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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