立ち読み
10月1日付の日経新聞朝刊によると、湯川れい子さんによって、今度は書店での立ち読みがやり玉に挙げられているようです。
自分のお小遣いで新刊が買える範囲内でしか書籍等を読まない人や、読みたい書籍等を新刊で買えるだけのお小遣いがもらえる人にとっては、「立ち読み」等という所業は信じがたいところがあるのかもしれません。ただ、一般には、読みたい書籍等の数や一冊あたりの価格が上昇したからといってそれにあわせてお小遣いが増える人というのは限定されているので、「新刊を買うことなしには書籍等を読むことはできない」というシステムのもとでは、新刊の売り上げが増大して作家たちの懐が潤うということになる可能性よりも、「読書」という娯楽が一部の富裕層に許された贅沢になっていくのだろうという気がします。特に、書籍等が子供たちの知的好奇心を満足させるに足りないものとなる(子供たちがそのお小遣いで新刊が買える範囲内でしか書籍等を読めないということになれば、書籍等という情報流通手段は、好奇心旺盛な子供たちから見放されることになります。)。
しかも、この種の作家たちは、読者に対しては立ち読みせずに新刊を購入して読むことを要求するのに、それがつまらなかった場合にその書籍等を読者が返品することを認めません。書籍等は、実際に読んでみなければ各消費者にとっての価値がどうなのかわからない特性を持っているわけですし、IT革命以降のマスコミュニケートされる情報の単価の大幅な下落を前提とすると「一回読み捨てれば満足」できてしまう程度の情報の入手手段としては新刊書籍は高すぎるわけですから、何度も繰り返し読みたくなるような内容であることを確認してからでないと、新刊書籍の購入というのはリスクが大きすぎるということが消費者サイドからはいえます。これはバランスを大いに欠きます。
割高かつリスクの高い商品というのは敬遠されやすくなるのであり、しかも「読書」という娯楽はこれを享受できるようになるためには一定の修練を必要とするわけですから、書店での立ち読みを禁止するなりして「新刊を買うことなしには書籍等を読むことはできない」というシステムを作り上げることは、書籍市場の需要者の裾野を狭めようとするものであって、作家たちにとってもあまり面白いことにはならなそうな気がします。
Posted by 小倉秀夫 at 01:28 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Voici les sites qui parlent de: 立ち読み:
» 立ち読みっていけないこと? de 著作権マニア
湯川れい子氏が「立ち読みは違法だ!」と声高に主張しているようですが、クリエーターを代弁したがる方々は、某漫画家にしろ、某作家にしろ、もう少し大局的に物事を見られないのかなぁと、思ってしまいます。... Lire la suite
Notifié: 5 oct. 2006, 11:01:44
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Commentaires
まずはスンバラシイフランス語に引き寄せられました。
おフランスの某学院で勉強しておりましたので、ちっとは私もおフランス語はわかるのです。
で、本題ですが、“立ち読み”せずに書籍の購入、これはかなり勇気のある買い物となります。著作権のことを考えるといかんのかも知れませんが、パラパラと本をめくり、興味深い項目などを発見し、「買って帰って読みたい」と欲することって罪でしょうか。
本屋での一期一会もあるのです。
何気に立ち読みした本がことのほか面白く、購入したという経験は誰にでもあることでは?
この楽しみを奪われては・・・。
立ち読みではなく、いっそのことLES HALLESの“FNAC”みたいに床に座ってしまいましょう。
Rédigé par: Claire Chandrier | 18 oct. 2006, 00:13:33