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11/14/2006

芸術として長く読み継がれることを確保するため

 文芸著作権通信第7号1頁によると、

 作家の創作活動を促し、励ます要因を「インセンティブ」といいますが、多くの作家は目先の収入を求めるのではなく、芸術として長く評価されることを期待し、そのことを目標として創作活動に励みます。ですから芸術を愛し、創作に命を捧げようとする作家にとって、「インセンティブ」とは、金銭ではなく、将来の評価だということになります。
とのことです。

 そうであるならば、芸術として長く評価される前提として、芸術として長く読み継がれることを確保するためにも、大半の作品が商業的に出版されなくなるころには、その作品を芸術として高く評価しその作品を多くの人に読み継いでもらいたいと思う人がボランティアでその作品を流布することができるように、著作権の保護期間を設定することこそが、作家にとって重要なインセンティブとなりそうです。

 作品の著作権は法的には長く子孫のもとにあっても、子孫はその作品をさほど評価していないため、作品を敢えて流通させようとせず、結果としてその作品は、新しい世代の目に触れることなく朽ち果てていく──もし、未来を覗く望遠鏡があって作家が自己の作品のそのような姿を目の当たりにしたら、さすがに「インセンティブ」は落ちてしまいそうです。他方、作品の著作権は法的に長く子孫のもとにあって、そのおかげで子孫は、その作品からの著作権収入のおかげで、ろくに働きもせず、贅沢三昧の自堕落な毎日を漫然と過ごしている──もし、未来を覗く望遠鏡があって作家が自己の子孫のそのような姿を目の当たりにしたら、芸術を愛し、創作に命を捧げようとする作家の「インセンティブ」が高まるのかというと、却って落ちそうな気がします。

 「芸術として長く読み継がれることを確保するため」には、芸術作品の伝達ルートを制約する機能を有する著作権の保護期間が短い方がよいことは、自明の理ではないかと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 09:08 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

 文芸的価値のある日記だが、遺族にとってはスキャンダラスなもの、というのは厄介でしょうねえ。また、単独相続原則ではなく共同相続原則をとる国では遺族が複数になることがおく、ひとりでも反対したらダメというのも厄介なところであります。(このへん議論はありますが)

Rédigé par: madi | 28 nov. 2006, 15:52:02

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