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11/12/2006

生活笑百科の著作物性

 某所で、テレビ局から著作権に基づく差止請求を(私の依頼者が)受けているのですが、その際に、NHKが差止の対象としてもってきたのが、なんと「バラエティ生活笑百科」!。あの土曜日の昼間にやっている法律バラエティの草分けです。

 しかし、です。果たして「生活笑百科」には「映画の著作物」としての著作物性があるのかというとはなはだ疑問です。

 東京高判平成9年9月25日判タ994号147頁は、「本件におけるようなテレビ放映用のスポーツイベントの競技内容の影像は、競技そのものを漫然と撮影したものではなく、スポーツ競技の影像を効果的に表現するために、カメラワークの工夫、モンタージュやカット等の手法、フィルム編集等の何らかの知的な活動が行われ、創作性がそこに加味されているということができるから(前記検甲第一号証によれば、一九八三年インディ五〇〇においても、右に述べたカメラワークの工夫等が行われていることが認められる。)、本件における国際影像は知的創作性の要件を満たすと認められ」と判示しているのですが、「生活笑百科」の場合、「漫才師による『相談』内容の提示、コメンテーターによる素人的な見解の提示、弁護士による専門的な見解の提示という構成」からなるバラエティ番組として、「カメラワークの工夫、モンタージュやカット等の手法、フィルム編集等」は極めてありふれているように思えてならないからです。

 詳述すると、「漫才師による『相談』内容の提示、コメンテーターによる素人的な見解の提示、弁護士による専門的な見解の提示という構成」自体は著作権法による保護の対象外である「アイディア」にすぎません。「相談」を持ちかける漫才師や3人のタレント回答者及び弁護士が語る言葉の一つ一つが台本に書き込まれているのであれば台本について著作物性が認められる可能性がありますが、基本的な筋立てだけが台本に書いてあってそれを具体的にどのような言葉で表現するのかが出演者に任されている場合、出演者が語る言葉自体はせいぜいその出演者の著作物となるにすぎません。テレビ局側は、その辺のところ一切証拠を出さず、「「『生活笑百科』では、事前に『漫才師による『相談』内容の提示、コメンテーターによる素人的な見解の提示、弁護士による専門的な見解の提示という構成』を考えた上で、実際にそれに従って、『演出、カメラワーク、編集等』が行われているのであるから、著作権法第2条1項が要求する創作性を満たしていることは疑いの余地がない」というだけで済ませているので、実際のところどうなのかはわからないのですが。

Posted by 小倉秀夫 at 07:04 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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