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11/11/2006

スナックでの演奏

 JASRACの許諾を得ることなく、ビートルズの楽曲をスナックで演奏していた経営者が著作権法違反の容疑で逮捕されたという事件が、ネット上で話題になっています。

 現行法上、公衆に聴かせる目的で他人の著作物を演奏する行為は、無償かつ非営利でなされるなどの例外を除き、著作権侵害となるわけですし、バーやスナックなどで管理著作物が実演されている場合に所定のライセンス料を徴収するというのは音楽著作権管理団体の本来的な業務の一つなので、JASRACがこのスナック経営者にライセンス料の支払いを求めたこと自体は特段の問題はない(認可されたライセンス料が高すぎるとか、徴収されたライセンス料の配分が不透明であるということは、とりあえず関係ない話です。)のであり、このスナック経営者に話し合いに応ずる意思がない場合、法的な手続きを講ずることもまた特に権利の濫用だ云々と言うべき話でもないように思います。

 私は、JASRACに対しては批判的な方だとは思いますが、明らかに違法な行為をして、それが見つかったのに、なおも開き直ってしまった相手に対して、法的な措置を講ずることまで非難するというのは行き過ぎではないかと思います。民事的な解決が困難ということになれば刑事的な解決に向けて公権力が発動されてしまう、というのも仕方がないことです。料率について意見の相違があったために契約に至っていないということであればその点が解決するまで暫定合意をする等の措置を講ずべきであったとは言えると思いますが、スナック経営者の側で、JASRACとの話し合いを拒否して演奏を継続したのだとすれば、「法」というものを甘く見すぎたのではないでしょうか。

 もちろん、「逮捕」が必要だったのかという点は問題となりうるでしょう。しかし、逮捕するか否かは告訴人の意向では決められない話です。むしろ、現在の刑事手続き一般の話として、「安易に逮捕しすぎでは?」ということを問題とすべきではないかという気がします(もちろん、報道だけでは、「逃亡のおそれ」がどの程度あったかわからないのですが。)。

Posted by 小倉秀夫 at 10:13 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

もうひとつ重要なのは、現使用料規程は現実的な利用者の承認を得たものとする納得行く説明をJASRACは出来ておりません。
利用者の上部組織の承認を得たとしてますが、その団体が現実的な利用者たちとの綿密な連絡を取りJASRACと協議した事実は確認できません。現実の利用者らの全てがその団体を代表者として承認した訳でもありませんし、JASRACと団体とのやり取りがこれこれこうでこういう規程になったと現実の利用者らの多くに対して明確な内容を提示した事実も確認できないわけですね。

そうなると、現実の利用者らが的確な支払い義務を理解出来ていなかったとしても、一方的な責任を引き受けなければならない根拠は希薄な気がします。もちろんこの場合支払い義務は当然あるでしょう。しかし、請求に至るまでの法的に必要なな過程(利用者からの承認)が成立していない状況だとすれば、「それでは話し合いにもなりませんね」と利用者側が言ったとしても理屈が通らないとまでは言えない気もします。

Rédigé par: コマプ墨田 | 12 nov. 2006, 01:01:30

過去のJASRACの事例で行くと、納得できない使用料規程には従えないという意思表示を、支払う意志がないと言っているように見せるテクニックを用いていますから、本当にこの老人が話し合う気がなかったかどうかはもう少し具体事実が出ないと判断しかねるところです。

メディアはJASRAC側の言い分をトレスするだけなので正確な状況は隠蔽される場合がほとんどです。例外は、SWAN事件の際の朝日新聞と週刊ダイアモンドの告発きじですね。フェアな取材に基づいているのは。

Rédigé par: コマプ墨田 | 12 nov. 2006, 00:31:41

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