オリコンの失敗
旧聞に属することですが、オリジナル・コンフィデンス社がPC向け音楽配信サービスを中止することとしたのだそうです。
既に成功している商業サービスを他社が提供しているところに新たに算入するにあたっては、既存の成功しているサービスにはない、魅力的な要素を盛り込むことが必要となります(これに成功した例としては、auの携帯電話がありますね。)。PC向け音楽配信サービスについていえば、「既存の成功しているサービス」としてApple社のiTMSがあるわけですから、iTMSにはない、魅力的な要素を盛り込む必要があったわけです。
で、オリコン社のPC向け音楽配信サービスはどうだったのでしょうか。
2005年1月27日付のITmediaによると、オリコン社は、
音楽配信サイトとしての最大の特徴は、「オリコンチャート」と連動した楽曲配信サービスを展開すること。また、ポータブル・デジタル・オーディオ・プレーヤーなどのハードウェアの販売も予定しており、最終的に業務委託手数料、ハードの売上、Webサイトでの広告収入が売上の3本柱になるという。と考えていたようです。
しかし、「『オリコンチャート』と連動した楽曲配信サービスを展開する」には、「オリコンチャートの上位楽曲のほとんどがダウンロード可能」であることが必要となりますが、例えば、 2006年11月06日付週間シングルチャートについていえば、上位10位のうち「オリコンチャート」からダウンロード可能な楽曲は絢香の「三日月」(10位)のみ、その次がKaoru Amaneの「タイヨウの歌」(22位)という状況では、「『オリコンチャート』と連動した楽曲配信サービス」など成立しそうにありません。しかもこれは構造的な問題です。レコード会社は新譜の発売当初は音楽配信させないので、ごく一部のロングヒット楽曲以外は、音楽配信が許諾された頃には「オリコンチャート」の上位にはもうないからです。
そういう意味では、新譜の発売後せめて1〜2週間後程度には音楽配信させてくれるようにレコード会社各社を説得できなかった以上、オリコン社の音楽配信サービスは、その特徴を活かすことができず、撤退もやむを得ないといえますし、そのような説得ができる見込みもなしに始めたのだとすればそもそも失敗が予定されていたといえそうな気がします。
Posted by 小倉秀夫 at 11:31 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
オリコンスタイルは、平成17年3月からで、ITMSは平成17年8月日本上陸ですから、どちらかといえば、ITMSがあるところにオリコンが新規参入したというよりも、ITMSという黒船が来る前に国内でのビジネススタイルを確立できなかった点が問題だったと思われます。なお、レーベルゲートは平成16年3月から音楽配信を始めています。
ITMSは、実際に上陸する1年くらい前から、すぐにでも日本上陸すると言われていたわけですから、その当時から、ITMSにない魅力を打ち出すべきだったでしょうね。
以上、ご参考までに
Rédigé par: Toshimitsu Dan | 6 nov. 2006, 10:25:01