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12/08/2006

映像作品の違法なアップロードを事前に防ぐための具体策

 YouTubeに関しては、

日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本放送協会(NHK)など映像作品に関する国内の著作権関係権利者23団体は2006年12月5日,米国の動画共有サイトを運営する「YouTube」に対し,映像作品の違法なアップロードを事前に防ぐための具体策を実施するよう要請したと発表した。

とのニュースが報じられています。

 ただ、「映像作品の違法なアップロードを事前に防ぐ」ためには、アップロードされようとしている映像作品が違法なものか否かを参照するためのデータが必要となります。例えば、「日本のテレビ番組をパソコンに取り込んだときには映像データに一定の符号が付加されるようにするから、その符号が付加された映像データについてはアップロードできないようにしてね」という話であれば、YouTube側も無碍には断りにくいでしょう。

 しかし、そういうこともせずにただ漫然と「映像作品の違法なアップロードを事前に防ぐための具体策を実施するよう要請」されたところで、日本のテレビ局が放送したテレビ番組のデジタルデータをほぼリアルタイムで入手した上で、ユーザーからアップロードされる映像作品全てについて、上記デジタルデータのいずれともマッチしないことが確認されたもののみ配信可とする等ということを、米国企業であるYouTubeが果たせるわけがありません(日本企業だって果たせませんが。)。

 「ユーザーからの映像の投稿を受けたらすぐに配信可とする」のではなく、スタッフが当該映像を実際に視聴して著作権等の侵害がないことを確認してから配信可とすればよいではないかとのご意見もあり得るのでしょう。ただ、著作権等の侵害にあたるか否かというのは、名誉毀損や侮辱にあたるか否かという問題とは異なり、当該映像のみを視聴しても全然わからないという点に特徴があります。すなわち、当該映像を視聴している人が、被侵害著作物等の内容を知らなければ、それが著作権等の侵害にあたるか否かというのは基本的にわかりません。そして、米国企業であるYouTubeにおいて、日本のテレビ番組について網羅的な知識を有している従業員を必要数集めよというのは酷というものです。

 実はこのあたりの話は、ファイルローグ事件の時に提起させていただいた問題からあまり進歩していません。日本ではそういう現実性のない要求でも何とか押し切れたからといって、米国で同じ要求をしても何とかなると思うのは大間違いなのではないかという気がしなくもありません。

Posted by 小倉秀夫 at 02:08 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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