iTSJにJames Blunt登場
気がついたら、James Bluntの"You're beautiful"がiTunes Store for Japanでもダウンロード可能となっていました。この曲は、日本版のCDが発売される前に目をつけていたのですが、iTunes Store for Japanでのみダウンロードできないという状況が続いていたので、意地でもCDなんか買ってやるものかということで買わずにいたので、ああ待っていて良かったなあと思った次第です。この間、「ビューティフル・ソングス~ココロ デ キク ウタ~」なんていう抱き合わせ販売が成功したので、単品販売が中心のiTunes Store for Japanには来ないのではないかとも心配はしたのですが。なお、James Bluntについていえば、"No Bravery"も良い曲だと思いましたが。
考えてみれば、このあたりに日本の音楽産業が今ひとつ波に乗れない原因があるのかなあという気がします。このコンピレーションアルバムはなんといっても上記"You're beautiful"とDaniel Powterの"Bad Day"の2曲が売りであって、あとは、「何でこの曲を、いまころ?」という曲を数埋めたという感じの構成です(悪い曲ではないんですが、現時点で顧客訴求力は高くないでしょう。)。 つまり、買う側の感覚としては、"You're beautiful"と"Bad Day"にそれぞれ1000円ずつ出しているような感覚になります(「ビューティフル・ソングス~ココロ デ キク ウタ~」の定価は2630円)。これだと、私の感覚でも「不当に高い」という感じがします。James BluntとDaniel Powterのアルバムを買うよりは安いこともあってそこそこヒットはしましたけど、特にほしくもない歌にお金を払わされれば、妥当な対価を支払ってもほしいと思った他の歌が変えなくなるのが世の習いなので、こういう「抱き合わせ販売強制」型ビジネスモデルというのは、長い目で見れば、消費者の音楽離れを促進させることになるように思います(コンピレーションアルバム自体が悪いといっているのではありません。単体での販売も行った上で、割安なセット販売をするのであれば、それは正当な商行為です。)。
考えてみれば、商業用レコードに関して私的使用目的の複製はどのような目的で行われるのかというと、第1にメディアシフト目的であり、第2に連続して聴きたい楽曲を集約する目的です。だから、正規商品たる音楽CDを購入した利用者だって、その音楽CDを私的使用目的で複製します。これは、SonyがWalkmanを出荷して以来、「移動時間に音楽を聴く」というライフスタイルが定着したのだから仕方がないことです。
レコード業界の戦略ミスは、このようなライフスタイルが提案されたときに、これにマッチした商品ないしサービスを提供しなかったことです。そこでは、可搬性の低い媒体を所有することのメリットが低下する一方、どの楽曲とどの楽曲をどの順番で可搬性の高いメディアに集約するのかということにつきイニシアティブを握りたいとの消費者の欲求が高まったのです。しかし、レコード会社は、ユーザーがお金を支払ってでも聴きたい曲とそうでない楽曲を1枚の媒体に収録して楽曲を抱き合わせ販売するという旧来型のビジネスモデルにこだわりすぎました。そのため、CDレンタルや音楽配信(合法、非合法とを問わない)が栄え、楽曲のMD販売等は(可搬性には優れていたのに)あまり普及しませんでした。楽曲のMD販売を行うときに、何をどの順番で収録するのかを(少なくとも特定のレーベルが原盤権を持っている楽曲の中から)顧客が自由に選べる方式が採用されていたら、状況はかなり違っていたかなと思います(同じことをするのに、CDレンタルを活用するより、安上がりとなりますから。)。
Posted by 小倉秀夫 at 12:39 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
レコード会社は“その点で”戦略をミスったと思っているでしょうかね。
アーティストがレコード会社の選択をミスったと思っているケースはありそうですが。
→ http://www.ymo.org/
たとえば、さだまさしさんは30年ほど前に個人レーベルを立ち上げて、自らアルバムの選曲をしていますね。
Rédigé par: mohno | 1 juil. 2007, 23:57:07