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07/09/2007

私的使用目的の複製によりいかなる経済的不利益が生ずるのかの説明がそもそもないのです。

 IT企業法務研究所の 国時大和さんが、次のようなことを述べています。

 その評価に当たっては、これを肯定又は否定する双方の意見が見られるが、上述の点を踏まえて考えて見れば、次のような見解には納得し得るものがある。

 「三つの調査(総理府調査、三団体及び工業会調査)によれば、録音機器の保有率は、最低66%以上となっており、録音機器は、本来音楽の著作物等を録音・再生するためのも機器であるということを考えあわせると、この事実だけからでも著作権者等の利益が侵害されているものと判断してよいのではないか。」

また、経済的不利益の立証の問題についても、いくつかの考え方が示されているが、次の見解が妥当するように思われる。

 「まず、録音・録画機器の普及により社会全体として大量の著作物や実演等が利用され、権利者がこれによって経済的に不利益を被るであろう可能性ないし蓋然性があれば十分であること、すなわち、経済的不利益をもたらす可能性のある機器が家庭内に普及している事実、例えば、全世帯における機器の普及率が 50%以上になっている程度の立証で十分であり、この状況により権利者の利益が不当に侵害されているものと判断して差し支えない。」

 このように、30条制定当時は民生用の録音機器の普及の程度は低く、現実的に私的使用のための録音の例はそれ程多くはなかったが、その後、録音録画機器の開発が進み、小型化、低廉化した複製機器が家庭内に入り込むことによって、30条に示された要件の適用には捉われずに、「例外的」に定められている自由利用の範囲が肥大化し、その結果、著作権法の目的でもある権利者の報酬を保証するための機能が果たせなくなってきていると判断できるのである。

 しかし、この議論は、録音・録画機器の普及により家庭内での私的録音録画が行われ、それらが累積することにより社会全体として大量の著作物や実演等が複製されることによって、権利者がいかなる経済的な不利益を被る蓋然性があるのかということを、説得的に示していません。そこの説明を抜きにして、「全世帯における機器の普及率が 50%以上になっている程度の立証」をしたところで、「権利者の利益が不当に侵害されているものと判断」されたり、「著作権法の目的でもある権利者の報酬を保証するための機能が果たせなくなってきていると判断」されたりしても、消費者の納得が得られないと言うべきでしょう。

 例えば、家庭用録画機器でのテレビ番組録画の主たる目的は、家庭内でのタイムシフト視聴です。では、仕事が忙しくて月曜日の午後9時までに帰宅することができないOLが月9をビデオに撮って、深夜0時過ぎに帰宅した後にこれを視聴することにより、権利者はいかなる経済的不利益を被るのでしょうか。深夜0時過ぎにしか帰宅できないOLは、家庭用録画機器がなければ、そもそも月9を見るという選択はできなかったのであり、そうなれば、F4層に向けたCMを流すために高い広告費を支払った広告主は却ってそのメインターゲットの一部にCMを見てもらう機会を失っていたはずです。その一方で、家庭用録画機器による録画がなくなることで、その番組を視聴する人がより増えることになる理由というのはどうもなさそうです。もちろん、テレビ番組に関する著作権者にとって「番組を視聴されること=経済的な不利益」ということであれば話は変わってきますが、そうであるならば、少なくともテレビ局が著作権者でもある番組については、番組宣伝をすることをまず控えるべきでしょう。

 あるいは、国時さんがiPodの例を出しているので言及すると、iTunes StoreからPCにダウンロードした音楽データを自分の手持ちのiPodに同期させることにより、権利者はいかなる経済的不利益を新たに被るのでしょうか。経済実態としては、一人の消費者が特定の楽曲を反復して視聴するために対価を支払ってApple社を介して音楽データを入手し、これを用いて当該楽曲を反復して視聴するというだけのことであり、入手した音楽データをiPodに同期するということは、その音楽データを再生するにあたってPCのみならずiPodも使用できるようになったということを意味するに過ぎないのであって、「特定の楽曲を反復して視聴するために対価を支払った人がその楽曲を反復して再生し視聴できる」という以上のことは何も生じさせていません。「iTunes StoreからPCにダウンロードした音楽データを自分の手持ちのiPodに同期させることが禁止されていれば、その消費者は当該楽曲が収録されている音楽CDを正規に購入していたであろう」とはもちろん言えないし、普通に考えれば、「iTunes StoreからPCにダウンロードした音楽データを自分の手持ちのiPodに同期させることが禁止されていれば、多くの消費者はそもそも当該音楽データを対価を支払ってまで「iTunes StoreからPCにダウンロードしよう」とすら思わなかった蓋然性の方が高そうです。

Posted by 小倉秀夫 at 02:26 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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» iPodは権利者に損害など与えていない de 林檎の歌
benli: 私的使用目的の複製によりいかなる経済的不利益が生ずるのかの説明がそもそもないのです。 iPodに対する課金などが話し合われている私的録音録画補償金制度に取って、この「シフトする」という概念がとても重要な... [Lire la suite]

Notifié le 9 juil. 07 09:40:33

» 私的使用目的の複製 de Ten-forward
著作権法 30 条の「私的使用のための複製」の話. -[[私的使用目的の複製によりいかなる経済的不利益が生ずるのかの説明がそもそもないのです:http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2007/07/post_ec [Lire la suite]

Notifié le 11 juil. 07 14:31:20

Commentaires

配信については、著作権者が一定の複製利用も許諾する意思で配信を許諾している場合、その範囲で著作物を複製することは自由だと考えています。

「私的使用目的の複製によりいかなる経済的不利益が生ずるのかの説明がそもそもない」ということでしたが、「テープ録音事件」のドイツ判例等、自然権論からの説明はなされているが、インセンティブ論に立つ先生としては、それが説得的だとは思わないという意味だとわかりました。

いろいろお教えいただきありがとうございました。
「著作権法コンメンタール」の次期バージョンを楽しみにしています。

Rédigé par: 日本映像ソフト協会 酒井 | le 07/13/2007 à 11:28

> 質問事項は数が多い

これはおかしいですね。
少なくとも私は一度ですっきりお答えいただけるように、できるだけ小倉さんの言葉をそのまま引用してご質問しているのですが、別エントリにあるとおり「権利者の保護」を「著作物の流布を阻止」と言い換えられたりして、新たな論じ方を持ち出されるからこそ、新たな質問が生み出されてしまうといえます。

下記質問(07/12/2007 à 19:40)について言えば、とくに2段落目・3段落目は、楽曲という著作物に対する小倉さんの主張を、小倉さん自身の著書という著作物に置き換えているだけですから、「そのとおりです」という簡潔なお答えで十分です。一般には、著書(著作物)を許可無くアップロードすることは禁じられているわけですが、幸いなことに、楽曲(原盤権)や映像のように組織が著作権を保持する場合と違って、著書は著作者が権利を保持していますから、著作者の判断で著作物の自由な利用を許諾できます。実際、出版社に確認の上、私自身そうしているものがあります。

ここで取り上げた『著作権法コンメンタール』については共著ですが、これもまた幸いなことにページごとに担当者が明記されているとのことですから、小倉さんの判断で自由な理由を許諾できる部分が明確になっているといえます。より一般的に言えば、小倉さんの著作については、「在庫が切れた(品切れではなく増刷の予定が無くなった)時点において自由な利用を許諾する」と簡潔に表明されることで、小倉さんの著作物に対するご意見を自ら遂行することができます。逆に言えば、そのようにされないのであれば、ご自身が利用者側という立場か、権利者側という立場かで、意見を変えているとみなさざるを得ません。

ところで、別館において的外れな指摘を受けたままになっている点についても、早々にコメントしておりますので、公開してくださると幸いです。

Rédigé par: mohno | le 07/13/2007 à 01:50

もちろん、ドイツでも法人制度は認められています。でも、自然権的発想に立つと、実際には従業員が創作活動を行っているのに、法人が創作活動を行ったことにして法人に著作権を原始的に帰属させることはおかしいですね。

また、著作権が自然権であるならばこれを任意に譲渡できるというのもおかしな感じがします。

また、著作権法1条は、著作者の権利を保護することを、文化の発展という究極目的を達成するための手段として位置づけています。著作権が自然権なのであれば、これを保障することことこそが著作権法の究極目的であると1条に規定されるのが普通です。

また、少なくとも現行著作権法上は、私的使用目的で書籍を一冊丸ごとスキャンしてUSBメモリに入れて持ち歩くことを規制することはできません。だから、私が、それはいいとか悪いとかと言える話ではないですね。

(酒井さんとmohnoさんの質問事項は数が多いので一つ一つ丁寧に応える時間的な余裕がないので、おおざっぱで済みません。私は、酒井さんやmohnoさんの家庭教師でも顧問弁護士でもないので、ある程度は分量的な配慮をしていただけるとうれしいです。)

で、酒井さんとしては、iTunes Storeからダウンロードしてきた音楽データをiPodに同期させるのは著作権者等の利益を害するから行うべきではない(仮に行うとすれば、ダウンロード料金と同額の複製許諾料を各著作権者及び著作隣接権者に支払うことを前提に逐一許諾をとる)とお考えなのですか?

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/12/2007 à 23:39

私への返信については「著作者等による商用サービスが提供されていなかったものについて、著作者等に許諾権を与えるというのは立法論的には不適切」というご意見について、ご著書に当てはめているだけです。「立法論的に不適切」という条件に追加し損ねているものがあれば、明示くださいませんか?

実際、『著作権法コンメンタール』は商用サービスが維持されていませんし、中古品の販売は著作権者に対価を還元しませんから、匿名ではない誰かがアップロードしたところで阻害される「商用サービス」は現時点で存在しません。改訂版など将来の予定については、現在日本で入手しにくい楽曲についても将来のリリース予定(潜在的市場)までが否定されているわけではないことを考えれば、あるいは遅れて入手可能になるまでの間にダウンロード利用することを肯定されていることからも、“現在の入手”を阻止する理由として妥当でないというご意見と推察できます。

また、許諾権の要らない私的使用目的の複製という点に限定すると、追跡不能な匿名の誰かが『著作権法コンメンタール』をアップロードした場合、これを合法にダウンロードすることは「商用サービスを継続しない著作者等に問題があるのだから、阻止しようとすることは適切でない」というご意見であるとも推察できます。

Rédigé par: mohno | le 07/12/2007 à 19:40

わが国では法人の人権共有主体性を肯定していると思いますので、法人著作を認めていることから大陸法系・自然権論に立っていないとはいえないのではないでしょうか。

また、著作権の譲渡を認めるかどうかは、著作権と著作者人格権との関係について一元論に立つか否かの相違に基づくのであって、自然権説かインセンティブ論かの相違に基づくものではないと思います。

著作権法1条は、著作権だけでなく著作者人格権も含む「著作者の権利」を定めているのですから、「文化の発展に寄与することを目的」に掲げていても、インセンティブ論の根拠とはならないのではないでしょうか。

私は自宅で使うためと勤務先で使うために、「著作権法コンメンタール」の上下巻を2冊ずつ購入させていただいたのですが、図書館で借りてこれをスキャンして、USBメモリーで持ち歩いてOKだったのでしょうか。

Rédigé par: 日本映像ソフト協会 酒井 | le 07/12/2007 à 17:02

このエントリーは、私的使用目的の複製に関するものであって、その限度においては、商用サービスが継続しているか否かに関わらず、許諾権などありません。

で、立法論としてどのような利用行為について許諾権を与えるか否かを判断するに当たっては、特定の類型の著作物について特定の方法での利用がなされることが、投下資本回収のために行われている商用サービスを実際に、どの程度阻害するのかということが重視されるべきと言う話と、mohnoさんの疑問と何か関係してくるのでしょうか?

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/12/2007 à 13:11

お尋ねしたのは『著作権法コンメンタール』のレイアウトや他の著作物ではなく、“著作者等による商用サービスが提供されていない”『著作権法コンメンタール』については、もはや許諾権は存在しないとみなすべきとお考えであるかということなんですが。

Rédigé par: mohno | le 07/12/2007 à 12:57

著作権法コンメンタールを製作するにあたっては、どうせ多くの人は図書館で必要なページをコピーして使うのですから、そういう使い方がされたときにもできるだけ使いやすいようにしようということでレイアウト等を考えてあります(執筆担当者が各頁ごとに記載されているのはそのため)。

なお、不正競争防止法コンメンタールでは、LexisNexisの判例データベースに加入している方限定ですが、オンラインで検索し、ダウンロードできるようになっています。著作権法コンメンタールの次期バージョンもそうする予定ではいるのですが、改訂作業がなかなか進まなくて……

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/12/2007 à 12:12

たとえば、このような書籍(↓)については、すでに中古品しかなく「著作者等による商用サービス」が提供されているようには見えないですから、図書館で借りてスキャンして scribd にアップロードし、広く知る権利を守るべきであると主張されているわけでしょうか。

http://www.amazon.co.jp/dp/4810911551/
http://www.amazon.co.jp/dp/4810911403/

そのような行為は(栗原さんのエントリを読む限り)フェアユースにすら該当しないと思われますが、フェアユースとは別次元で小倉さんの意見を述べられているのだということでしょうか。

Rédigé par: mohno | le 07/12/2007 à 01:56

 栗原さんが言っているのは、著作権の制限規定を明示的に定めるというお話であり、ここで私が言っているのは、著作者が正規に提供していないサービスについて著作権者に独占権を付与する立法の当否の問題ですから、前者を提示しても、後者が「トンデモ」であることを示せていません。

 

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/12/2007 à 01:03

 日本の著作権法は、ドイツ著作権法とは異なり、法人著作制度を一般的に認めていますし、著作財産権の譲渡も認めていますから、大陸法系だとは必ずしも言い難いように思いますし、著作権法第1条を素直に読めば、自然権説には立っていないように思います(著作権が自然権なのであれば、その自然権を保護することこそが究極の目的であって、「文化の発展」という究極目的をさらに設定する必要はありません。)。従って、あくまで、「文化の発展」という究極目的に寄与する限度で、一定の競争制限が認められているに過ぎないと言うべきでしょう。

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/12/2007 à 00:58

> 長期保存

ドイツだって、消せないメディアである DVD-R に対応したビデオレコーダーを売っているのでしょうから、長期保存が否定されるということはないのでは?

> 商用サービスが提供されていなかったものについて、著作者等に許諾権を与えるというのは立法論的には不適切

これは、さっぱりわかりません。といいますか、もはやトンデモの域で論じられていませんか?

[栗原氏によるフェアユースの解説]
http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2007/03/post_3943.html

Rédigé par: mohno | le 07/11/2007 à 23:19

著作権法を競業規制法と捉えるのは米国流の捉え方だと思いますが、大陸法系では競業規正法という捉え方はしないのではないでしょうか。わが国の著作権法も大陸法系に属すると思いますので、競業規制法という捉え方はできないのではないでしょうか。
そして、競業規制法と捉える米国でも著作物の全部のコピーは当然には著作権者の許諾なく行うことはできないと思います(米国著作権法107条1項3号)。また、「商用サービスが提供されていなかったものについて、著作者等に許諾権を与えるというのは立法論的には不適切」とのご指摘ですが、米国著作権法107条のフェアユースの規定では、1項4号で潜在的市場に対する影響も判断要素としています。
先生のご見解は、競業規制法と捉える米国著作権法より広く複製権を制限しようというものですから、著作権法が競業規制法だという理由だけでは不十分ではないでしょうか。そもそもどうして他人の著作物を自由に複製できるのか、の説明をお願いできないでしょうか。

Rédigé par: 日本映像ソフト協会 酒井 | le 07/11/2007 à 17:42

 「技術の発展によって生ずる著作物の新しい利用方法は著作者に帰属すると解さなければならない。」というのは、根拠に乏しいと言うことができます。技術の発展によって生じた著作物の新しい利用を開拓するにあたって何らの貢献をしていない著作者がその成果だけを帰属させるというのは、それはそれで一種のフリーライドです。
 もともと著作権法は競業規制法ですから、従前著作者等による商用サービスが提供されていなかったものについて、著作者等に許諾権を与えるというのは立法論的には不適切です。

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/11/2007 à 14:36

つまり、先生が「テレビ番組録画の主たる目的」とされる「タイムシフト視聴」は、米国判例のいう「タイムシフト」より広義の概念で、長期保存も含む意味で用いられているということですね。それならば、経済的不利益の説明としては、ドイツの判例理論で充分なのではないでしょうか。

Rédigé par: 日本映像ソフト協会 酒井 | le 07/11/2007 à 13:33

 内蔵ハードディスクの容量の大きな商品としては、SonyのVaio type X等があったと思いますが、これは番組をうっかり見逃すことがないように、全局録画をするために大容量ハードディスクを用意したのであって、録画した番組データは1週間程度で自動的に消去されます。
 これは極端な例であるにせよ、ハードディスク型レコーダー自体は番組データの長期保存には向いていません。

 なお、録画された番組データを長期保存されたくないのであれば「保存版」を謳った特集番組とかは放送しなければいいのにとは思います。

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/11/2007 à 01:57

日本のスポンサーがどの程度視聴率と売り上げの増加との関連性を考えてスポンサー料の計算をしているのかはわかりませんが、同じリアルタイム視聴率ならば、録画再生視聴率が高い方が広告効果は上昇するはずですから、「リアルタイム視聴できないのであれば、その番組も、そのときに流されるCMも見ないでほしい。」と考えるとは思えないし、録画再生視聴をされることを理由としてスポンサー料の引き下げを要求するスポンサーがいるとも思えないわけです。従って、テレビを私的に録画されることそれ自体が、私的録音録画補償金なしには正当化できないほどにテレビ局等の権利者の利益を損なうものとは考えがたいのです。

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/11/2007 à 01:51

やれやれ。

> 「番組を視聴されること=経済的な不利益」などと揶揄するのは的外れ

と書いたのは、先に書いたとおり「番組の視聴=経済的な利益」ではないという意味なんですがね。タイムシフト視聴しようが、YouTube で視聴しようが、「番組の視聴が増えれば経済的な利益」と受け取られかねない乱暴な論じ方を批判しています。

それと、繰り返しますが、私は勤務先を代表して発言していませんし、代表して答える立場にもないですよ。そういう場でもないですし、言及されて当然とは思わないですね。補足すると、所属を明示して個人的意見を表明する場合は「コミュニティにおけるマイクロソフト社員による発言やコメントは、マイクロソフトの正式な見解またはコメントではありません。」という注釈を入れる決まりになっています(実際、オルタナティブブログのプロフィールには入れている)。くだらない決まりだと思っていましたが、こんなところで社の見解を問うのを当然と思うような人がいるのであれば必要なのかもしれませんね。

くだんの質問について“私的見解”を述べるなら、番組をさまざまな形で利用できることはユーザーにとって便利なものだと思いますし、もちろん著作権保護の機構も組み入れられています。また、スポンサーというのは効果があると推定される番組だからこそスポンサー料を払うものなので、とくに録画視聴を“迷惑”だと思うこともないでしょう。視聴データが上がらない番組に高い対価を払うこともないでしょうけど、まあ、私は「テレビは終わった」とは思っていません。

Rédigé par: mohno | le 07/11/2007 à 01:24

録画率ではなくて録画再生視聴率を調査すればよいわけでしょう。現在のリアルタイム視聴率だって、非常に少ないサンプルで調査しているのだから、やる気になればすぐでしょう。

なお、この文脈では、マイクロソフト社というのは、国内でも沢山のスポットCMを直接又は間接に流している企業であるとともに、Windows Vistaというテレビ番組や映画等を私的録画するのに便利な機能を有するOSを開発し、発売している企業なのですから、言及されて当然ですね。

私的録画されてタイムシフト視聴されることがCMスポンサーにとって迷惑なら、そんな機能乗せなければいいのですから(所詮OSXのシェアなんてたかがしれていますし。)。

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/11/2007 à 00:40

> 視聴率

これはテレビ局じゃなく第三者機関(ビデオリサーチ)に依頼するような話だと思いますが、録画しても見ない人はいるだろうし、現実的に難しいのではないですかね。スポンサー料についていえば、もちろん視聴率だけじゃなく、需要と供給という関係もあるのでしょうけれど。ところで、私は、

> 「番組を視聴されること=経済的な不利益」などと揶揄するのは的外れ

という指摘をしたのであって、勤務先を代表して意見を述べていません。もちろん、勤務先に不利になるような発言はしませんけど、それこそ GNU 宣言に反発していたのは学生時代からですし、立場によって意見を変えたりしていません。こうやって会社名を出す人って3人目なんですが、何かしらの圧力をかけられるとでもお考えなのでしょうかね。

ところで、「ベータマックス訴訟のタイムシフト視聴」というのは私的複製が明文で認められていない米国での判決であって、日本では私的複製が明文で認められているので、何百ギガバイトものハードディスクに私的複製することは特に問題はないと思ってます(自宅のレコーダーは120GBしかないですが)。いつかは見るつもりですし、テレビ番組などはそもそも繰り返し見る機会があるとは限りません。先に挙げましたけど、ドイツは不正コンテンツのダウンロードは違法だそうですね。

Rédigé par: mohno | le 07/10/2007 à 22:35

 スポンサーとしてはリアルタイムに見てもらおうと録画してから見てもらおうとどちらでもよいので、録画再生視聴率をちゃんと計測してデータ化して提示すれば、CM料の上乗せ交渉に使えるのではないでしょうか。
 リアルタイム視聴率に偏ったCM料策定にこだわっていると、可処分所得が多いがその分時間が自由にならない人々が録画してまでも見たいと思う番組はCM料が低く、テレビに合わせて生活サイクルを組み立てられる程度に時間の自由はあるがその分可処分所得が低い人によりリアルタイム視聴率が押し上げられている番組のCM料が高くなりますね。

 で、マイクロソフト社としては、自社がスポンサーとなっている番組が、録画されて再生視聴されるのは迷惑ですか?

Rédigé par: 小倉秀夫 | le 07/10/2007 à 16:03

私的録音録画による損失何かという点は、「技術の発展によって生ずる著作物の新しい利用方法は著作者に帰属すると解さなければならない。」(半田正夫「著作権法の研究」(昭和46年 一粒社)325頁)とした1955年5月18日の「テープ録音事件」ドイツ連邦通常裁判所判決で示されています。わが国の著作権法は大陸法系に属するのですから、同様に考えることができるのではないでしょうか。

また、先生は「家庭用録画機器でのテレビ番組録画の主たる目的は、家庭内でのタイムシフト視聴です。」と述べておられますが、ベータマックス訴訟米国連邦最高裁判所判決では、後で視るために録画して1回視たら消去することをタイムシフトといっていたと思います。2回以上視てから消去したり、消去せずに保存するのはタイムシフトではないと思いますが、先生のおっしゃるタイムシフトも同じ意味でしょうか。

このようなタイムシフトが主たる目的ならば、ハードディスクレコーダーに何百ギガバイトもハードディスクがどうして必要なのでしょうか。

お教えいただければ幸いです。

Rédigé par: 日本映像ソフト協会 酒井 | le 07/10/2007 à 15:36

広告主の判断材料となる視聴率データには、タイムシフト視聴の分までは含まれないんじゃないでしょうかね。CMスキップの機能が付いているレコーダーも多いですし、
> CMを見てもらう機会を失っていたはず
という理屈が通って、スポンサー料を割り増しできると嬉しいのはテレビ局でしょう(そうなる可能性は低いでしょうが)。
本来、民間テレビ局にとっての利益は、まず「リアルタイムにCMを見てもらうこと」でしょう。後日、DVD として売り出されるものも少なくありません。反語表現として、YouTube の不正コンテンツすら肯定しかねない「番組を視聴されること=経済的な不利益」などと揶揄するのは的外れと言われそうです。おかしな理屈を持ち出して、かえって私的複製を制限される方向に向いてしまっては嫌なんですが。

Rédigé par: mohno | le 07/10/2007 à 02:29

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