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09/12/2007

流しっぱなしのテレビを検証できた時代は短くて

 ジャーナリストの江川紹子さんが、「刑事弁護を考える〜光市母子殺害事件をめぐって」というエントリーで、次のように述べています。

 ……という報道を見て、インターネットで探したら、問題の番組を見ることができた。

 不二家を巡る「朝ズバ」でのみのもんたが話題になって時も、ネットでオンエアビデオを確認したが、こういう場合は画質はどうでもいいから、発言者の表情や声のトーン、スタジオの雰囲気が確認できるのは本当にありがたい。

 図書館に行けばいくらでも過去の記事を見ることができる新聞と違って、テレビは流しっぱなしで検証できない(させない)という難点があったが、インターネットのお陰で、ほんの一部は検証が可能になった。非常にいいことだと思う。

 しかし、そんな時代はもうすぐ終わるかもしれません。違法にアップロードされた著作物等をダウンロードする行為は、私的使用目的であっても、違法としようという著作権法の改正案が可決・成立すると、「ネットでオンエアビデオを確認」する行為自体が違法となるからです。この法改正がなされると、テレビ局としては、著作権法を笠に着て、流しっぱなしで検証させないことが可能となるおそれがあります。とりわけ、当該テレビ番組の放送対象地域外の者が当該テレビ番組の内容を批判的に評価した場合には、どのようにして当該テレビ番組の番組内容を知ったかを問いただした上で、仮に違法にアップロードされたものをダウンロードして視聴したことを批判者が認めた場合にはこの者を刑事告訴し、内容を又聞きしただけだとのことでしたら、又聞きのみで内容を批判する不誠実さをあげつらえばよいということになります。


 もちろん、レコード輸入権の時とは異なり、今は参議院は野党が過半数を占めているので、違法にアップロードされた著作物等をダウンロードする行為を違法化する著作権法案は与党政治家や政府等に対する批判の公開を封じるために活用され得る恐ろしい法案であることを、野党各党に示して理解を促すことが、そのような法案の可決成立を阻止する機能を有する可能性が大きくなってきています。文化審議会での議論の流れを見ただけで悲観し絶望してしまうのは、諦めが早すぎとも言えそうです。


Posted by 小倉秀夫 at 01:12 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

インターネットの普及のおかげでメディアの体制を討論したりすることが可能になったのに、官僚などの悪事を隠すために法により規制することは無いと思います。

Rédigé par: 脳内メーカー | 12 sept. 2007 à 15:41:32

下記、「インターネットについても」は「Web サイトについても」というべきですね。

Rédigé par: mohno | 12 sept. 2007 à 02:26:51

> 流しっぱなしで検証させないことが可能

テレビ局の許諾を得ずに投稿されたものは、少なくともテレビ局が個別に指摘することで検証させない(削除させる)ことが、今でも可能なのではありませんか?
出版物を保存する「国会図書館」のような仕組みがテレビ番組に対してあってもよいとは思います。さらに言えば、インターネットについても。

Rédigé par: mohno | 12 sept. 2007 à 02:23:56

現状、サービス提供者が免責されるためには、権利者の求めに応じて違法アップローダーを取り締まれる仕組みを作ることが重要であるという前置きは付きますが。
まずインフラを整備せずにダウンロードを違法化して、実質摘発されない犯罪者を作り出してしまうのは、せっかく比較的高い日本人の遵法意識の維持の面からもよろしくないですね。

Rédigé par: 無七志 | 12 sept. 2007 à 01:54:57

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