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10/30/2007

「初音ミク」と著作権法

 ゲームラボでの連載原稿用に、第三者が著作権を有する「歌詞」を入力して「初音ミク」に「歌わせ」た場合、「歌詞」についての歌唱権侵害となるのか、又、このようにして合成した「初音ミク」の「歌声」は著作隣接権による保護の客体としての「実演」にあたるのかについてのエッセー(1500字前後と言うことなので、「論文」といいうるようなものは作れません。そもそも既存の文献を引用して批判するみたいなことも、媒体の特性上しにくいですし。)を作成し、編集部に送っておきました。

 「第三者が著作権を有する歌をドラえもんが歌った場合著作権法上どうなるのか」という話は学部のゼミで取り上げたことはあるのですが、こんなに早く現実の問題となるとは想像していませんでした。

Posted by 小倉秀夫 at 09:46 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (2)

10/27/2007

Je suis un homme

 コートジボワール出身の音楽ユニットMagic Systemの"Ki Dit Mié"が漸く、iTunes Store for Japanでダウンロードできるようになりました(→ Magic System - Ki Dit Mi? - Single - Ki Dit Mi? (Radio Version) )。とっても、軽快で、気軽に聴くのに最適です。

 また、今週のフランスシングルチャート9位の、Zazieの "Je suis un homme"が早速ダウンロード可能となっています(→ Zazie - Totem - Je suis un homme )。この楽曲は、現時点で上記Zazieの公式サイトで視聴できますので、その素晴らしさは聞いていただければ分かると思います。ベテランらしい重厚感と壮大さを感じさせます。歌詞も、しっかり決まっています。

Posted by 小倉秀夫 at 08:07 PM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

10/26/2007

Japanese Boy

 Shanadooの新曲"Japanese Boy"が、ドイツシングルチャートで初登場23位です。

 そこそこ売れるには、音楽的新味は不要ということなのか、日本のリスナーからは古くさい音楽ではドイツ人には新鮮に聞こえるのか、よく分からないのですが。

Posted by 小倉秀夫 at 02:00 AM dans musique | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

10/23/2007

YouTubeとニコニコ動画と受忍限度

 自分が出演したテレビ番組(って数回しか出ていませんが。)をYouTubeにアップロードされるのと、ニコニコ動画にアップロードされるのとでは、全然等価ではないように思います。

 前者の場合、その映像なり情報なりをできるだけ多くの人に知ってもらおうというある種の善意を感じますが、後者の場合、その映像なり情報なりをネタにして遊んでやろうというある種の悪意を感じるからです。著作権だ、著作隣接権だという財産権以前の問題として、自分をネタにして公然と玩ばれない権利というのが、人格権ないし幸福追求権の一内容としてあって、ニコニコ動画の場合、この種の権利を侵害しているのではないかという気がするのです。

 侵害されるのが著作権や著作隣接権なりの財産権のみであれば、プロモーション効果等を重要視して許諾システムにより事実上、または報酬請求権化により立法上、動画共有サイトを合法化していくというのはありだと思うのですが、人格権侵害が伴う場合には、プロモーション効果等を強調して受忍限度を高くすることが適切なのかという疑問が生じたりはします。

Posted by 小倉秀夫 at 01:42 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (5) | TrackBack (5)

10/16/2007

"Tout va pour le mieux"

 Da Silvaの"Tout va pour le mieux"(このエントリーをアップロードした時点ではここで視聴可能)がとても格好良いと思ったので、ちゃんとお金を出してこれを購入しようと思ったのですが、相変わらず、欲しいと思った曲を正規に購入するというのは日本ではとても大変です。

 "Tout va pour le mieux"は、iTS for Franceではダウンロードできるのですが、iTS for Japanではダウンロードできません。

 iTS for Franceによれば、この楽曲は、"De Beaux Jours a Venir"というアルバムに収録されているようなのですが、Amazon.co.jpでこのアルバムを検索すると、UKからのImportものがあるだけで、しかもそれは「通常3-5週間以内に発送します」との注釈つきです。さらにいうと、このAmazon.co.jpが取り扱っているアルバムの楽曲リストを見ると、肝心の"Tout va pour le mieux"が抜け落ちています(といいますか、このアルバムは、扱っているお店によって、11曲構成とされている場合と12曲構成とされている場合とに分かれています。また、HMVも11曲バージョンしか売っていません。)。

 CDWow等の日本に拠点のない通販事業者から買えばよいのでしょうが、それはそれで難儀な話です。

Posted by 小倉秀夫 at 01:03 AM dans musique | | Commentaires (38) | TrackBack (0)

ゼミ選抜レポートの課題 in 2007

 今年も、来年度のゼミ生を選抜しなければならない季節になりました。

 ゼミ選抜用のレポートの提出期限は昨日(10月15日)でした。今年は、何人くらい希望者がいるのか楽しみです。ただ、去年よりは書きにくい課題なので、その辺がどう響いたかが問題です。なお、今年の課題は下記のとおりです。

 商業音楽の公衆への伝達手段としては、レコード・CD等のパッケージの販売又はレンタル、生演奏、放送、音楽配信等いろいろなパターンがあります。これらの伝達手段は、他の伝達手段の宣伝広告になるというプラスの面がある反面、他の伝達手段の代替手段として消費されてしまうというマイナスの面も有しています。

 音楽産業が発展するには消費者が商業音楽を享受するために支出する金員の総額を増加させることが必要となりますが、そのためには今後、上記伝達手段のうちのどれ(複数可)に力を入れるべきでしょうか。また、そのためには、国又は音楽産業はどのような施策を講ずるべきでしょうか。

Posted by 小倉秀夫 at 12:57 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

10/15/2007

中山信弘「著作権法」

 今日は、午前中にお仕事の用事で東京地裁に行ってきたついでに、弁護士会の地下1階の本屋さんに立ち寄って、中山信弘教授の「著作権法」(有斐閣)を購入してきました。
 これから、おいおい電車の中で読み込んでいこうと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 01:54 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

10/04/2007

J-Popのアジアでの落ち込み

 せっかくレコード輸入権を作ったのにJ-Popがアジア圏で売れていないことが話題となっています。

 しかし、ソニー・ミュージックエンタテインメントの田中章国際グループインターナショナル・マーケティング部長の、

日本の音楽コンテンツがアジアで普及するためには、「映画、テレビ、アニメと連携して展開する」「その国にはない幅広い音楽を提供する」「ライブでアーティストのパワーを直接見せる」といった方法が必要
との発言を見れば、J-Popがアジアでも売れなくなっている理由が分かります。

 そうです。ここには「インターネット」という言葉が一つも出てこないのです。

 私が洋楽ファンだから言うのですが、自国のメディアで普通に流れている楽曲以外の楽曲に出会うのはどういう機会でかといえば、圧倒的に「インターネットを介して」です。「ライブでアーティストのパワーを直接見せる」たって、何を歌うのか分からないアーティストのライブにいきなり大枚はたいていこうという人はなかなかいませんし、そもそも、日本でそれなりに売れているアーティストが、現地での人気を獲得するまで、アジアの物価水準でどっしりとツアーを重ねるというのは、あまり合理的ではありません。

 また、音源を購入する側の立場からいえば、何らかの切っ掛けで聴いた楽曲を気に入ったと思うから買ってみようというのであって、それがどこの国の楽曲かというのはそれほど重要ではありません。「自国にあるようなタイプの音楽なら自国のアーティストのものを買う」と決めている音楽ファンというのは、統計を取ったわけではありませんが、あまり多くはなさそうです。したがって、「その国にはない幅広い音楽を提供する」というのも解決策にはならなさそうです。

 結局のところ、アジアでも豊かになってきた地域では、豊かになった人々又はなりつつある人々の間では急速にインターネットが普及しており、すると、未知の音楽に出会う場としてのインターネットの役割が大きくなってきているわけで、そうなってくると、世界に先駆けて送信可能化権を創設し、しかも同時再送信型のストリーミング配信をも「放送・有線放送」ではなく「自動公衆送信」にあたるという解釈を文化庁が未だに維持している状況の中で、J-Popを含む番組をインターネット上で配信することのハードルが著しく高くなってしまっていることが、レコード会社にとって、却って徒(あだ)になっているのではないかという気がします。

 日本のレコード会社が本気でJ-Popをアジアで売りたいと思っているのであれば、一般のアジアの人々がアクセス可能な場所及びビットレートでプロモーションビデオをストリーミング配信するとともに、一般のアジアの人々に人気のあるインターネットラジオに向けて、インターネットラジオで放送可能な音源を提供するくらいのことは考えるべきではないでしょうか。さらにいえば、日本国内の音楽ファンが、非常に低廉なライセンス料で、J-Popをインターネットラジオ放送や、自作アニメのBGMとしてストリーミング配信してよいということにすれば、テレビ局等とのタイアップのために使う莫大な費用をいささか節約しつつ、音楽ファンの視点に立ったプロモーション活動をそれこそ勝手にやってくれるのではないかと思ったりします(ストリーミングに対するライセンス料をけちって、パッケージ販売やダウンロード販売の機会を減少させていくというのはあまり利口そうな話ではありません。)。

Posted by 小倉秀夫 at 02:00 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

10/01/2007

違法複製物のダウンロードを規制する法律案の効果

 現行の著作権法第30条第1項は、私的使用目的の複製であるにもかかわらず複製権侵害が成立する場合として、

  1. 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する場合
  2. 技術的保護手段の回避により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
の2つの場合を列挙しています。

 では、私的使用目的で「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製 」したとして損害賠償請求をされた事例があるか、あるいは、「技術的保護手段の回避により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行 」ったとして損害賠償請求をされた事例があるかというと、そのような話は未だ聞いたことがありません。「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」を拡大解釈してオンラインストレージサーバまで含めてしまうならばともかく、当初予定されていたような貸しレコード屋等に設置された高速ダビング機のようなものに関していえば、そのような機器を用いて私的使用目的の複製を行ったものを探し出して訴訟を提起することは手間と費用がかかり、予想される賠償額との関係で割に合わないからです。技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行ったものを探し出して損害賠償請求を行う場合も同様です。

 では、これらの行為を違法な複製行為としたのはなぜかというと、前者についていえば、むしろ自動複製機器を設置して利用者に私的複製物の作成を許している業者を取り締まりたかったからであり、後者についていえば、技術的保護手段回避専用装置の譲渡等を行う業者を取り締まりたかったからです。とはいえ、適法行為の幇助行為を違法行為と規定するのは法技術的には好ましくないので、これらの機器・装置を利用した私的使用目的の複製を違法とした上で、これらの機器・装置の提供者を警察権力を用いて取り締まれるように刑事罰を用意したのです。そういう意味では、これらの機器・装置を利用して私的使用目的の複製を行う個人を積極的に取り締まる意図は最初からなかったということができます。

 違法にアップロードされた著作物のダウンロードを違法化しようという文化庁の狙いがこれらとは全く異なることは明らかです。そのような法改正をしなくとも著作物の無許諾アップロードはそもそも違法なものとして規定されていますし、違法にアップロードされた著作物の ダウンロードに専ら用いられる装置・プログラムなんて取り締まろうにもそもそもそんなものは殆どありません。したがって、今回文化庁が狙っている改正についていえば、そのような私的使用目的を行っている個人をやり玉に挙げて取り締まるのでなければ、改正する意味がないということになります。そういう意味では、従前の例外規定とは異なり、「違法にアップロードされた著作物のダウンロード については、私的使用目的でなされたものであっても、刑事罰の対象とせよ」ということに遠からずなっていくのだと思います。


Posted by 小倉秀夫 at 12:45 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)