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11/14/2007

法制問題小委員会中間まとめに関する意見 in 2007

 「法制問題小委員会中間まとめに関する意見」を下記のように作成し、文化庁にメールで送信しました。



5−1 3頁以下 第1節「『デジタルコンテンツ流通促進法』について」


6−1 著作権や著作隣接権等の経済的な権益は、国民の「知る権利」を実質的に保障するためには、一定の制約を受けることはやむを得ません。例えば、その地域を放送対象地域とする民間テレビ放送局が1つしかない徳島県や佐賀県の住民にも、東京都在住者と同様の情報をテレビ番組を介して知る権利があり、これが著作物等に関する公衆送信権(送信可能化権を含む。)と衝突するのであれば、公衆送信権等は一定の制約を受けるべきです。

 このような観点からは、放送若しくは放送される著作物又は実演については、当該放送(当該放送の放送事業者から委託を受けてなされる再放送を含む。)を受信できない地域に所在する者に直接受信させる目的で、著作権者ないし隣接権者の許諾なくしてこれを同時再送信することができるように、権利制限規定を新設すべきであると考えます。

5−2 11頁以下 第2節「海賊版の拡大防止のための措置について」


6−2 親告罪の範囲の見直しについては反対です。

 著作権等を行使しうる範囲を広く解釈することこそが先端的な著作権法の解釈であると研究者等に意識されていた時代が長かったせいもあり、一般の国民が特に罪の意識なく行っている行為が専門家の中では著作権等の侵害と理解されていることがしばしばあります(一例をあげれば、企業や政党の職員が、虚偽内容の報道がなされていないか等をチェックするために、自社ないし自党について取り上げられている報道番組等を録画することは、「私的使用目的」の範囲外として、放送事業者の著作隣接権としての複製権を侵害するとするのが多数説です。)。

 このように、著作権侵害罪というのは、一般の国民が知らず知らずのうちに日常的に犯している可能性が高く、他方、著作権者等としても、そのような日常的な行為に伴うものに関して言えば、通常は処罰を特には望まないものです。このようなものを非親告罪化した場合に想定されるのは、著作権侵害罪が、著作権者の意向を無視する形で、別件逮捕のネタに使われることです。

5−3 45頁以下 第4節「検索エンジンの法制上の課題について」


6−3 新規立法による権利制限の範囲を、自動収集型の検索エンジンに限るのではなく、情報検索型データベース一般に拡張して頂きたいです。そして、著作権者等の保護は、出力結果として、正規商品の代替物となりうるほどの情報を出力しないこと(例えば、画像データであればサムネイル画像しか表示しない、音声データであれば30秒未満しかストリーミング再生しない等)により行うべきだと思います。

 著作物等の利用を促進し、これにより著作物等の享受を介した文化の発展を我が国として目指すためには、わずかな手がかりから、消費者が自分が欲しいと思っている著作物等を特定し、その入手方法を知ることができるデータベースが提供されていることが望ましいからです。また、自己の著作物等がそのようなデータベースに組み込まれることは著作権者等の利益を通常害しない一方、データベースの提供者が各著作物等に係る著作権者等全てから利用許諾を受けることは事務コストが膨大になってしまうからです。

5−4 71頁以下 第6節「いわゆる『間接侵害』に係る課題等について」


6−4 いわゆる「カラオケ法理」は、JASRACや地上波テレビ局等の経済的強者から訴訟等でなされた請求等を認容するために、裁判所が、アドホック的に、要件ないし判断基準を決定しているというのが実情です。また、いわゆる「カラオケ法理」は、米国法の代位責任や寄与侵害責任とは異なり、直接的な利用者の行為が適法なものであっても、これに寄与する行為を違法とするという特徴があります。さらに、「カラオケ法理」によって著作権侵害とされる行為を犯した者は、著作権侵害罪の正犯として刑事処罰をも受けるとする裁判例もあります。

 このため、既存の著作物等のプライベート・ユースに役立つ商品やサービスを提供しようという事業者にとって、「カラオケ法理」の存在が、新規商品・サービスの提供を開始する上での大きな妨げになっています。

 従って、著作物等の直接的な利用者の行為が違法である場合に、専らそのような違法行為にのみ使用される商品又はサービスを提供する行為に限り、これを著作権等の侵害行為とみなす新規立法を行うということに反対はしませんが、その場合には、そのような新規立法の対象外となる行為について著作権法の規律の観点からこれを直接侵害行為と同視することを禁止する旨の規定を同時に新規立法して頂きたいです。

Posted by 小倉秀夫 at 03:57 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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