より簡便で他害的でない方法を利用しない理由は?
違法サイトからのダウンロード行為の違法化というのは、違法サイトの開設者への権利行使が功を奏しないという事実が大前提であり、ダウンローダーへの権利行使は功を奏するはずだという合理的予測が小前提となるはずです。
しかしながら、著作権管理団体が違法サイトの開設者に対する権利行使をどの程度試みたのかというと、私が知る範囲内ではお寒い限りだということができます。WinMXユーザーについての発信者情報開示請求訴訟をレコード会社が提起したという報道はないわけではありませんが、この記事によれば、この記事が作成された2006年05月16日の時点で15人分しか発信者情報開示請求を受けていないわけであって、RIAAと比べて桁が2つから3つくらい違うといった感じです。
Winnyについても、開発者についての刑事事件の地裁判決の事実認定が正しいならば調査機関の直近の転送者がアップローダーである蓋然性は非常に高いわけですし、仮に問題のファイル自体は知らないうちに「キャッシュ」されたものであったとしてもWinnyを使っている時点で過失があるわけですから、直近の転送者を相手に損害賠償請求でもかけられるはずなのに、Winnyのエンドユーザーについてレコード会社等が発信者情報開示請求を行ったというニュースに接した記憶がありません。
アップローダーに対する権利行使は、アップローダーが不特定人に公開している情報を元に行使することが可能(ファイル共有ソフトの利用者は、匿名プロクシーを使用していないことが経験上多いので、名誉毀損系よりは発信者を簡便に突き止められる蓋然性は高いです。)ですが、ダウンローダーに対する権利行使は被疑ダウンローダーのパソコンを証拠保全等により「丸裸」にしなければ困難です。それなのに、著作権関連諸団体は、比較的簡単で、かつ、相手のプライバシーを侵害する度合いの低い前者をまともに行使してすらいないのに、比較的困難で、かつ、相手のプライバシーを完全に蹂躙する後者の権利行使をさせろと声高に主張するのはなぜなのでしょうか。
Posted by 小倉秀夫 at 03:15 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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