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01/05/2008

「創造のサイクル」を維持するためにテレビ局にできること

広告料収入ベースのストリーム配信の場合、JASRACに支払うべき著作権料は、広告料収入の2.5%が基本です(音楽コンテンツ主体の場合3.5%、スポーツ・ニュース主体の場合1.0%という例外はあるにせよ。)。

 これに対し、地上波テレビ局がJASRACに支払うべき著作権料は、年間包括契約を結んだ場合には、放送事業収入の1.5%です(衛星放送も基本的に一緒。ただし。音楽コンテンツ主体の場合2.25%、スポーツ・ニュース主体の場合0.75%という例外があります。)。

 テレビ局が支払うべき著作権料収入を現状の1.5%から広告料収入ベースのストリーム配信と同じ2.5%に引き上げるとどうなるでしょうか。


 平成18年度の「放送」からのJASRACの著作権収入が17,010,444(千円)であり、1.5%→2.5%だと66.6...%増ということになりますから、単純計算で、17,010,444(千円)の収入増が見込まれるということになります。


 これだけで、平成12年から平成18年にかけてのレコード・CDからの著作権収入減少分13,497,673(千円)を軽く取り戻してしまいます。したがって、「創造のサイクル」を維持するために著作権者の収入を確保という目的のためには、JASRACは、一般市民に対し闇雲に訴訟を提起して違法サイトから音楽ファイル等をダウンロードしていたことを発見したらその分の著作権使用料相当金の賠償を求めるという非効率的なことをするより、テレビ局等から徴収する著作権料の料率をストリーミング配信と同レベルにする方がよいのではないかと思ったりします。


 例えば、フジテレビ単体の平成18年4月1日〜平成19年3月31日の広告料収入は2916億円であり、JASRACに支払う著作権料を1.5%から2.5%に引き上げても約29億円の負担増となるに過ぎません。同期間のフジテレビの純利益は、約239億円ですから、問題なく負担できる金額です。フジテレビの従業員数は、平成19年3月31日現在で1423名ですから、この負担増分を従業員の給与を引き下げることにより賄ったとしても1人あたりの負担は約200万円。フジテレビ社員の平均年収は1572万円ですから、約200万円ほど引き下げたところで、まだまだ平均月収100万円以上を維持できているわけです。


 テレビ局の皆様であれば、「創造のサイクル」を維持するために一定の負担増を覚悟することに賛同してくださるのではないかと思いますので、一般市民に負担増を求めるより政治的にも楽なのではないかとも思いますし。

Posted by 小倉秀夫 at 12:10 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

ASCAPやBMIなどの収益の大半は放送関係からで、それを確実にする集計システムは万全ですよね。これに対しJASRACの場合、放送からとチマタからの収入が拮抗するくらいの比率だったと思います。

ようするに、放送曲でタダ同然で使ってもらうために、一般利用者が高額支払わさせられてる。この偏った高値維持体制に苦情を言った利用者は公権力を用いて徹底的にやっつけられる。こういうことをやるための機関がJASRACだと素直に指摘してあげた方が本人たちのためだと思います。もともとJASRACが発足した理由は「放送事業でいかに踏み倒すか」にあったわけですよ。構造が巧妙になってるだけで基本は変わらないんですね。まぁ、こんなものやってる集団が、文化云々とは片腹痛いです。

Rédigé par: コマプ墨田 | 11 janv. 2008 à 10:55:51

>テレビ局の皆様であれば、「創造のサイクル」を維持するために一定の負担増を覚悟することに賛同してくださるのではないかと思いますので、一般市民に負担増を求めるより政治的にも楽なのではないかとも思いますし。

それはないと思うぜ。テレビ局は、一般人も参加できるネットとは違う「優等ユーザー」と思っているからな。かの電話屋上がりのデンパ学者・林紘一郎にしても、著作権法上の特権である「放送事業者」の基準について、「電気通信役務利用放送事業者は、伝送方式がIPであっても、番組編集準則を守らなければならない。ネットの利用者でもある一般的な情報発信者はともかく、事業者はすべて著作権法上の放送として扱うことに統一すべきである。」(林紘一郎「著作権見直し急げ」2006年2月10日付け『日本経済新聞』31面)と言っているしな。
参照:林紘一郎『放送と通信の融合と法制度』9頁 http://www.icpf.sakura.ne.jp/archives/620_past/hayashi.pdf

総務省の通信担当の官僚も、常日頃おれたちネットユーザーを「有象無象(うぞうむぞう)」って蔑んでいるしな。
そういった意味で、平成18年のIPマルチキャストを巡る著作権法改正は、ヤフーBB・4thMediaなどの成り上がりのIPマルチキャスト事業者が恋焦がれている「放送事業者」を目指してうまく成功した運動とも言える。

まあ、「番組編集準則」という放送規制法上の概念を、私人間の関係を規律する著作権法に持ち込む時点で、規制改革会議に規制緩和特区の提案に著作権法関係の事案を提出するバ…、ではなく憂国の志士の方々(爆)と同様に、行政規制と私人間の権利の対立を取り違える勘違い野郎であることが自ずと立証されているがな。

つうことで、放送事業者も通信事業者(企業)は、どいつもこいつも一般ユーザーの負担のことはなにも考えておらず、搾取することしか考えていないってーことだな。

Rédigé par: とおりすがりの一般国民 | 6 janv. 2008 à 05:03:08

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