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04/29/2008

管理していない楽曲の分の使用料は受け取るべきではない。

 JASRACに公正取引委員会が立入検査に入った件についての解説は,ゲームラボの連載コラムで記載しました。ここでは,ではJASRACはどうすべきかについて思うところを書くことにします。

 話は簡単で,JASRACが管理していない分については,JASRACは放送使用料をもらうべきではないということです。もともと,放送事業収入の1.5%という放送使用料は,放送で使用される楽曲のほとんどがJASRACの管理著作物を使用していた時代に作られたものですから,JASRAC以外の管理事業者が著作権を管理する楽曲が使用される割合が増大すればするほど,「放送事業収入の1.5%」をJASRACのみが独占的できる正当性がなくなります。

 実際,特定の1週間のサンプリング調査により,または,放送局の使用実態報告書等により,一定数以上放送されたことが明らかな楽曲について,JASRACに著作権を信託譲渡をしていれば,放送事業者が支払った放送使用料の中から印税の支払いを受けることができるのに,JASRACに著作権を信託譲渡していなければ放送事業者が支払った放送使用料の中から印税の支払いを受けることができない(その分は,JASRACまたはJASRACに著作権を信託譲渡している作詞家・作曲家が余分に利益を得る)というのは,不公正ですらあります。

 この問題は,放送に関する包括利用許諾契約のみならず,JASRACが行っている包括利用許諾契約一般について言える(例えば,カラオケ歌唱等)ことなので,公正取引委員会にとやかく言われる前に,文化庁はJASRACに対し,JASRACが管理していない楽曲についての使用料に相当する金額については,包括的利用許諾契約の相手方からこれを受け取らないように行政指導をすべきだと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 02:05 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (7) | TrackBack (1)

04/20/2008

Gospel With No Lord

 CamilleのGospel With No Lord(→Camille - Gospel With No Lord - Single - Gospel With No Lord) は,「さすがCamille」というAvant Gardな作品に仕上がっています。

 曲としては,Camilleの囁きから入り,囁きが繰り返されるうちに,その上にCamilleの歌声がかぶさるというものですが,この繰り返される囁きの部分が,ベースの奏でるメロディ及び指ならしとともに,快適にリズムを刻んできます。

 瑕疵は英仏混合であり,「it」を神から授かったのではなく,家族から授かったのだということをしつこいぐらい繰り返して歌います。神から授かったのでなければ何でも良いといわんばかりに,my brother,my sister,my mother and fatherはもちろん,my father in law,my brother in law,my cousin in law,my god father in law,挙げ句の果てにはhamster in lawまで持ち出してきます。歌の歌詞,それもジメジメしていない歌の歌詞にfather in lawなんて言葉が使われるというのはさすがだなあとしみじみ感じました。 Camille (French)/Gospel With No Lord

Posted by 小倉秀夫 at 02:43 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

04/11/2008

co.jpドメインを取らない外資系企業は「反日」と受け取られる?

 E社は,「.co.jp」ドメインをとれないことによって,日本国内で信用を失い,ビジネスに差し支えているという主張を繰り返しています。しかし,いわゆるドットコム企業が,日本国内向けサービスを行うに当たって,「.co.jp」ドメインではなく,「.jp」ドメインを用いていると言うだけで,「日本の風習に従う気のない,信頼の置けない企業」という捉え方をされるものだろうかという疑問があります。

 むしろ汎用ドメインとしての「.jp」ドメインが登録可能となってからは,特に一般顧客向けのサービスサイトは,「.jp」ドメインを用いるというのはかなり一般的になってきたとすら私は認識しているわけですが。

 また,「なぜ,.co.jpドメインではないかいちいち聞かれる」ということをずいぶん問題視されているわけですが「co.jpドメインは先に取られていたから」でも「.jpドメインの方が汎用的ですから」でも道都でも説明できると思うのです。「なぜ,.liドメインなのか」(そもそも.liドメインはどこのドメインなのか)聞かれる弁護士だっているくらいなので,大したことはないと思うのですが。

Posted by 小倉秀夫 at 10:07 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (2)

04/09/2008

入手経路不明な他人のID・パスワードの新たな活用方法

 A社がBというドメイン名を管理するためにCというドメイン代行取得業者から付与されたID及びパスワードを,厦門にあるD社から購入する──これ自体NASDAQ上場企業が行うべきこととは思えません(しかも,その入手経路についてD社は回答を拒んだというのであればなおさらです。)が,入手した他人のID及びパスワードの活用方法としてE社が選択した方法は斬新です。

 E社は,このIDとパスワードを用いて,Bというドメイン名についての登録情報のうち,「経理担当者」についてのみこっそり改変しておき,A社が保有しているFというドメイン名についてのドメイン紛争において,A社とE社の代表者尋問を行う直前に,Bというドメイン名を用いたウェブページにアクセスしようとするとF社のウェブサイトにジャンプするように設定を書き換えました。その上で,「A社は,Fというドメイン名をこのように譲渡していることからも分かるとおり,他人に転売する目的でドメイン名を取得する事業者である。従って,Bというドメイン名についてもA社は不正な利益を得る目的でこれを取得したことは明らかである」と主張してきたわけです。すなわち,E社は,厦門の事業者から入手した,Bというドメイン名を管理するためのID及びパスワードを,A社が転売目的でFというドメイン名を取得したと裁判所に印象づけるために(というか,そのためだけに)活用したということになります。

 私は,厦門の事業者から入手経路が不明な他人のID及びパスワードを購入するというだけで,とても怪しいと感じてしまうのですが,この感覚を裁判所に理解していただけるのかがわかりにくいところです。

 なお,A社がBというドメイン名を取得した2日後に,E社はD社との間でBというドメイン名を取得する契約を締結し,D社はその半月後に,Bというドメイン名を管理するためのID・パスワードをE社に納入しています。

Posted by 小倉秀夫 at 02:27 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (1)

04/04/2008

知的財産権研究会100回記念シンポジウム

 5月31日に東京国際フォーラムで開かれるシンポジウムに、パネルディスカッションに、パネリストとして出演する予定です。

 私以外のパネリストは、

  1. ご存じ、中山信弘先生
  2. 最近はワイドショーでもおなじみの相澤英孝先生
  3. TMI法律事務所の石原修先生
ということで、とても豪華な顔ぶれなので、時間と興味がおありの方々は是非ともご参加下さい。

Posted by 小倉秀夫 at 11:24 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

04/02/2008

Yelle/Pop Up

 YelleのアルバムPop upをHMVで発注しました。

 彼女は、シングルカット曲のYelle/Je Veux Te Voirが注目(といいますか、YouTube等で出回っているカラオケ用のバックグランドムービーの微妙に日本情緒溢れる光景が注目といいますか。)の女性シンガーですが、ほぼ一本調子のメロディラインといい、それでいて独特のリズム感を保っているところといい、アイドルポップの王道を行く作りになっています(例えば、Yelle - Pop Up - Version de luxe - Je veux te voir)。

Posted by 小倉秀夫 at 02:00 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

04/01/2008

「知的財産推進計画2007」の見直しにあたり盛り込むべき政策事項

「「知的財産推進計画2007」の見直しにあたり盛り込むべき政策事項」についてのパブリックコメントを下記のとおり提出しました。


1.映画の著作物の送信可能化とともに実演または音の送信可能化を行う場合には実演家またはレコード製作者の著作隣接権が及ばないようにする(報酬請求権化する。)。

 現行法では、ネット事業者が独自番組を製作して配信する場合には、放送事業者が独自番組を製作して放送する場合と異なり、既存のCD等に収録されている楽曲をBGMとして利用する場合には、レコード製作者の許諾を得ることが必要であり、実際には非現実的な利用料を請求され、その利用を断念せざるを得ないのが現実である。しかし、これでは、ネット事業者は、レコード製作者の許諾を事前に得ずにBGMをふんだんに使用できる放送事業者との競争で不利な立場に置かれることになり、結局、効果的にBGMが用いられた質の高いコンテンツの製作は、事実上、放送免許を握った一部の事業者のみが行えることとなってしまう。

 このような閉塞的な状況を打破し、映像番組の製作者の裾野を広げるためには、ネット事業者が独自番組を製作して配信する際にも、放送事業者が番組を放送する場合と同様に、著作隣接権が制限されるように放送度を整備することが求められる。

2.著作権等管理事業法23条第2項に基づき指定著作権等管理事業者に協議を求めることができる「利用者代表」について、特に、多数の個人による非営利または零細な利用が行われている利用区分においては、利用者が支払った使用料の総額に占めるその直接又は間接の構成員が支払った使用料の額の割合等をもとに「利用者代表」を決めるのではなく、当該利用区分にかかる利用者による投票等を通じて「利用者代表」を選任する手続きを新たに設ける。

 現在の著作権等管理事業法の規定では、「一億総クリエイター」といっても、その大多数を占めるアマチュアクリエイターの実情を、著作権等管理事業者の使用料規程に反映させることができず、その結果、多くのアマチュアクリエイターは、きちんと権利処理をした上で既存のコンテンツを利用して新たなコンテンツを作成することを諦めざるを得ないところに追い込まれてしまう。

 このような状況を打破するためには、アマチュアクリエイターの代表が、著作権等管理事業者に対して、その実情に合致した使用料規程を採用するように協議を申し入れる機会を設けるようにすべきである。

3.特に、相続(遺留分減殺を含む。)によって共有著作物となった場合には、過半数の共有持分権を持つ共有者の合意により当該著作物の利用(第三者への利用許諾を含む。)を行い得ることとする。

 現行著作権法では、共有著作物については、共有者全員の合意がなければこれを利用することができないため、特に相続により著作権が複数人の共有となった場合には、相続人間の感情的なしこりなどから、一部の共有者が当該著作物の利用を頑として拒む場合が少なからずあり、それは、優れたコンテンツの死蔵に繋がっていく。

 従って、少なくとも、相続等によって共有著作物となった場合については、「共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。」とする著作権法65条2項の規定は改められるべきである。

4 レコードに収録された実演の特定の利用をその実演にかかる実演家の要求にもかかわらずレコード製作者が拒んだ場合には、当該実演家と当該レコード製作者との約定の如何に関わらず、実演家は、何時にても、当該実演と同一の楽曲に関する実演を新たにレコードに収録してこれを利用することができることとする。

 実演家とレコード製作者との間に専属実演家契約が締結されている場合には、その契約中に収録された実演にかかる楽曲については、当該契約期間中はもちろん、契約期間終了後も数年間は、当該楽曲を別途レコード等に収録して利用することを禁止する約定が付されているのが通常である。このため、実演家がある楽曲にかかる実演を例えば音楽配信したくとも、当該実演にかかるレコードのレコード製作者がこれを拒んだときは、当該レコードに収録された実演を音楽配信できないことはもちろん、当該楽曲を新たに実演してこれを収録したものを音楽配信する等も禁止されてしまっている。

 これでは、レコード製作者が当該実演についての音楽配信等を拒んでいる間は、実演家が、自らの実演を広く世界に配信し、その知名度等を高めてそのライブ収入等を増大させる機会が奪われてしまうのであり、知財立国の名が廃るというものである。従って、レコードに収録された実演の特定の利用をその実演にかかる実演家の要求にもかかわらずレコード製作者が拒んだ場合には、実演家には、これに代替する行為を行う権限が法的に認められるべきである。

Posted by 小倉秀夫 at 02:16 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)