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05/25/2008

昨日の著作権法学会

 昨日は、日本著作権法学会のシンポジウムに出てきました。

 今回のシンポジウムのテーマは「権利制限」なので、どうしてもフェアユースや、3ステップテスト等のトピックが注目されますが、島並先生が発表された「ルールとスタンダード」のお話も面白かったです。

 ところで、討論の際に私が提出した質問の趣旨は概ね下記のとおりです。

 ベルヌ条約やTRIPs協定、WCT等で定められている「3ステップテスト」というのは、著作権の制限規定を定めることができるのは、(1)著作物の通常の利用を妨げず、かつ、(2)権利者の正当な利益を不当に害しない、(3)特別な場合、に限定されるとするものですが、このうちの1つの要件を欠くとの理由で著作権を制限しない≒一定の表現行為を規制する、ということは表現の自由等の憲法的な価値との関係で問題を生ずることはないのでしょうかとのことです。そして、裁判所が現行著作権法上の著作権の制限に関する規定を3ステップテストを満たす限度で合条約的に制限解釈した場合に、あるいは、3ステップテストのうちの1つを満たさないが故に制限規定を新設しない又は改廃するという選択を立法府が行った場合に、表現の自由等との関係はどうなるのかということです。

 例えば、一般的なフェアユース規定が置かれた後に、著作物の通常の利用を妨げず、かつ、権利者の正当な利益を不当に害することもないような態様で、他人の著作物を利用した表現行為が行われた場合に、当該表現行為については「公共政策上の明確な理由」ないし「他の例外的な状況」から積極的にこれを正当化する事情が見られないとの理由で、合条約的制限解釈により、フェアユース規定の適用を否定し、著作物の通常の利用を妨げず、かつ、権利者の正当な利益を不当に害することもない表現行為を規制することが憲法上許されるのかということです。

Posted by 小倉秀夫 at 04:46 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Voici les sites qui parlent de 昨日の著作権法学会:

Commentaires

こんにちは。

私も著作権法学会に参加しました。内容はともかく、
知財高裁飯村裁判官が「自分の担当分は内容が濃いの
で10分くらい時間がオーバーする」といった趣旨の
前置きで話を始められたのが、とても不愉快でした。

あらかじめ時間配分がなされ、その時間内で発表を
まとめるのは社会的常識であるはずです。彼はその
上で、「討論の時間が1時間半あるので、長くなった
分はキャッチ・アップ可能です」といってもいました。

主催者側に了解を得てのうえのことでしょうけれど
も(ひょっとして、そうでないかも)、質疑の時間
を心待ちにしている聴衆にとって、とても失礼な
話でした。

社会的常識を欠く裁判官ですね。

那珂川

Rédigé par: 那珂川春吉 | le 05/26/2008 à 15:23

著作権の対象は表現であって、アイデアは対象ではないと考えられていると思います。
したがいまして、他人の著作物の中のアイデアを別の表現で利用することは著作権侵害にはならないと思われます。
そこで、著作権が表現の自由の制約になるというのは、具体的にはどのようなケースを想定されているのでしょうか。
フェアユース規定の導入を主張される方の中には、表現の自由ではなく、新たな産業の振興という産業政策から著作権を制限しようとのお考えもあるようです。
フェアユース規定導入を主張される真意は表現の自由のためなのか、産業振興なのかよくわからないものですから、お教えいただければ幸いです。

Rédigé par: JVA Sakai | le 05/26/2008 à 15:08

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