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09/29/2008

平成20年度後期第1回目のゼミの課題

 そろそろ中大法学部の2年生の学生さんが3年時以降のゼミの希望を出す時期になりましたので,私のゼミでどのような課題が出されているのかをご提示しておきたいと思います。例えば,前回のゼミの課題は概ね下記のようなものです。


 Aは,著名な戦場カメラマンである。Aは,朝鮮戦争を取材中,中国人民志願軍の反抗に巻き込まれ,行方不明となった。

 Bは,朝鮮戦争について,Aと特派員契約を結んでいた新聞社である。Bは,Aが制作した朝鮮戦争に関する写真および記事の交付をAより受け,その一部をBが発行するB新聞に掲載していた。

 Aが行方不明となった当時,Aの推定相続人はCとDのみであった。

 E市は,その開設する美術館Fにおいて,報道写真で戦後を振り返ることを主たるテーマとした展覧会Gを企画した。E市としては,展覧会Gにおいては,Aが朝鮮戦争を取材中に撮影したAの代表作Hおよびこれに付された記事を展示することは欠かせないと考えていた(なお,写真Hは,国連軍がソウルを奪還した頃の写真であるが,この写真の初出は,中国人民志願軍が北朝鮮内から完全撤退をしたことを受けてその1週間後にB新聞に掲載された,朝鮮戦争を振り返る特集記事であった。)。また,Hについては,パンフレットや展示作品を収蔵した写真集やDVD等を,出入り業者Iに委託して作成させ,FのミュージアムショップJで販売することを企画した。

問1

 BまたはE市は,Aについて失踪宣告の申立を行うことが出来るか。また,Aについて失踪宣告が認められた場合,Aの作品についての著作権の保護期間はいつ終了するか。

 Bから要請を受けたCの申立てによりAについて失踪宣告がなされ,その後の遺産分割協議において,Hのネガフィルムおよびこれに付された記事の草稿等はCが相続することとなった(遺産分割協議においては,ネガフィルムや草稿などの遺稿については,C,D間でそれぞれ半数ずつ分け,その他の遺産については,それぞれ2分の1ずつの割合で共有することとした。ただし,CおよびDは,これらについての著作権は既に保護期間が経過していると考え,ことさら遺産分割協議書には著作権について言及しなかった。)。しかし,展覧会Gの開催日の半年前に,K新聞のスクープにより,Aは朝鮮戦争では死亡せず,「L」と名前を変えて,闇の武器商人として暗躍していたことがわかった(ただし,Aは,ベトナム戦争取材中,テト攻勢に巻き込まれて死亡していた。)。

 Bから自分だけお金をもらって失踪宣告の申立てを行ったC,および自分を無視したBに遺恨を抱いたDは,Hについて,展覧会Gに出品し,その際に,出入り業者Iが作成し,ミュージアムショップJで販売される写真集やDVD等にHを掲載することに反対した。

問2

 B又はE市としては,合法的に,Hについて,展覧会Gに出品し,その際に,出入り業者Iが作成し,ミュージアムショップJで販売される写真集やDVD等にHを掲載するにはどうしたらよいか。

問3

 Cは,あのDの頑なな態度の元では,Cが単独相続したAのネガフィルム等をプリントしてAの作品を世に広めることができなくなると心配になった。そこで,Cは,Cがネガフィルム等を単独相続した作品については,ライセンス料収入の半分をDに支払うことを条件に,Cの指定する出版社等に,写真集,DVD等への掲載を許諾することに合意することを求める訴訟を提起することを考えた。このような請求は認められるか。

問4

 Cは,Hを含むAの作品に係る著作権について,共有物分割の申立て(又はこれに準ずる手続)を行い,これにより,ネガフィルム等について単独相続を行った相続人がその著作権を単独で所有することとするようにしてもらうことは出来るか。

問5

 Cは,妻子ある男性Mと駆け落ちし,その後Mと重婚的内縁状態にあったが,子供をもうけなかった。Cは,自分の遺産は全てMに相続させる旨の公正証書遺言を作成していた。Cの死亡後,DはMに対し,「Aの作品の著作権についてのCの持分がMに渡ることには同意できない。それらは全て,Cの死により,私が相続したのだ」と主張し,その後,Dは,Dがネガフィルム等を相続したAの写真について,Mに相談なしに,出版社Nと出版契約を結んだ。

 MはNに対して,Aの写真を掲載した写真集の出版の差し止めを求めることは出来るか。


 相続等により著作物が共有状態になっているときに著作物を利用するためにはどのような法的な措置が必要となるのか,また,現行著作権法の施行前に作成された著作物についてその保護期間をどのように算定するのか,を理解していただくのが主眼です。まあ,後期の第1回目ということもあって,若干民法の復習もしていただきましたが。

Posted by 小倉秀夫 at 11:25 AM dans D'autre problème de droite | | Commentaires (0) | TrackBack (1)

09/24/2008

Berryz工房の「六本木心中」

 今さっきテレビをつけたら,Berryz工房が「六本木心中」を歌わさせられていたのですが,アン・ルイスのような圧倒的な声量の歌手の持ち歌を,ハーモニーを重ねるなどしてアレンジで誤魔化すことをせずに,彼女たちに歌わせるというのは酷すぎるのではないかという気がしてしまいました。ピンクレディー自体ヴォーカリストとしての力量が圧倒的ってほどではないので(私の記憶ですと。さすがにピンクレディーは幼少期に聴いたにすぎないので,うろ覚えです。),モーニング娘。にペッパー警部を歌わせても,それほど違和感はないのですが。

 キャリアの短いアーティストは,レベルの低いオリジナル曲を増やすより旧作のカバーをしっかりやるべきだというのが私の持論ではあるのですが,元歌のアーティストの力量が圧倒的な楽曲をカバーするのはそれはそれで問題なんだなあということを改めて実感しました(まあ,オリジナルのアーティストを凌駕する自信があればよいのですが。)。

 それはともかくとして,日本のアーティストで,「六本木心中」のカバーを歌うのを聴いてみたいのは,宇多田ヒカルと,椎名林檎と,ジェロくらいだなあ。

Posted by 小倉秀夫 at 01:20 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

Toi + Moi , そしてElle

 iTunes Store for Franceのシングルチャートを見ていたら,Grégoireの"Toi + Moi"がヒットしているようです。iTunes Store for Japanではまだダウンロードできないようですが,GrégoireさんのMySpaceからこの曲のPromotionVideo(但し,DailyMotionにアップロードされているもの)にリンクが貼られているので,日本にいながらにして,"Toi + Moi"を視聴することが出来ました。

 まあ悪くない曲だとは思いましたが,キャリアの長くないインディーズアーティストをスターダムに押し上げるほどかなあとは思ったりしました。

 他方,Exilé(→Kwal - L? o? j'habite - Exil?)で私的には衝撃的のデビューを果たしたと言える,Angers出身のラッパーKwalがナイジェリア出身のミュージシャンであるASA(なお,「アサ」ではなく「アシャ」と発音するようです。)とコラボして制作した「Elle(→Kwal & Asa [アシャ] - Elle - Single - Elle)」(KwalのMySpaceで視聴できます。)は,ASAの歌声とKwalのラップがうまくかみ合っていて結構格好いいと思ったので,ダウンロードしておきました。

Posted by 小倉秀夫 at 12:44 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

09/14/2008

ゼミ合宿 in 2008

 この12日〜14日と,神戸までゼミ合宿に行ってきました。朝方雨が降ったりということはあったものの,基本的には汗ばむほどのよい天気でした。

 昨年ゼミ員の評判がよかったので,今年も競技ディベートをしてもらいました。ただし,去年と違って男女比が1対1ではないので(11対9),男女混交でチーム分けをしてもらいました。

 ちなみに今年のテーマは以下の3つとしました。

テーマ1

著作権法第65条第4項として

4 第二項の場合において、過半数の持分を有する共有者が、共有者の一人又は数人が正当な理由なくして第二項の合意の成立を妨げたと認めるときは、当該合意の成立を妨げたことにつき正当の理由があることが裁判で確定するまでは、相当と認める額の使用の対価を当該共有者に支払って、共有著作権を行使することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、当該共有著作権の行使により当該共有者の受けた損害の額が当該共有者に支払った使用の対価を上回るときは、その差額に年1割の割合による支払後の利息を付してこれを支払わなければならない。相当 と認めて支払った使用の対価に不足があるときも、同様とする。
という条項を挿入し、現在の第4項を、第5項とすることの可否。
テーマ2

著作権法第103条の2として、

(裁定による実演等の利用)
第103条の2 第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て商業用レコードに複製された実演を送信可能化しようとする送信可能化事業者(業として送信可能化を行う者をいう。)は、第95条第5項の団体又は第97条第3項の団体に対しその構成員(当該団体が団体の連合体である場合、当該連合体を構成する団体の構成員を含む。以下、本条において同じ。)が著作隣接権を有する実演又はレコードの送信可能化の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を当該団体に支払って、当該団体の構成員が著作隣接権を有する実演又はレコードを送信可能化(公衆送信用記録媒体への複製を含む。以下同じ。)することができる。
という条文を挿入することの可否
テーマ3

著作権法第50条及び第102条の2を削除することの可否

Posted by 小倉秀夫 at 09:46 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

09/11/2008

California Sex Lawyer

 Lawyer 関係の楽曲のうち最も訳がわからないのは,Fountain of Wayneの"California Sex Lawyer”です(→Fountains of Wayne - Out - Of - State Plates - California Sex Lawyer)。

 曲自体はそこそこ格好いいし,演奏も悪くないのですが,歌詞が意味不明だったりします。California州では,いったい弁護士はどういうイメージでとらえられているのでしょう。

Posted by 小倉秀夫 at 01:49 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

midomi

 iPhone用のアプリケーションですが,「midomi」は面白いです。


 midomiを起動させて,「sing」ボタンを押し,その後で「Tap and Sing or Hum」という部分をタップし,iPhoneに向かって昔聴いたフレーズを口ずさむと,それが誰のどの曲を口ずさんだものか検索してくれます。これを使うと,子供のころテレビかなんかで聴いてメロディは覚えているのだけど,誰の何という曲か思い出せないと言うときに便利です。しかも,検索結果から,iTunes StoreやYouTubeに直接リンクされているので,すぐに視聴したり,購入したりすることが出来ます(日本在住者はできませんが)。

 さっそく,何となくサビの部分だけ覚えているのだけど曲名がわからなかった歌を「midomi」で調べてみたところ,Dennis De Young の「Desert Moon」だとわかって嬉しくなりました(iTunes Store for Japanでも購入できていたら即ダウンロードしていたと思うのですが,それは反実仮想なので,150円使わずに済みました。)。

Posted by 小倉秀夫 at 01:38 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

09/09/2008

デジタル・コンテンツ利用促進協議会

 今日は,「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」の設立総会&記念パーティに出席してきました。設立総会から会費5000円で帝国ホテルだよ,ということで,MIAUとの資金力の差は歴然としていました。

 「利用促進協議会」といいつつ,壇上に上がって挨拶を述べるお偉いさんは,中山先生を除けば,川上のコンテンツホルダ側のお方ばかりで,川下のエンドユーザーや川中の流通業者の代表が誰も壇上に登っていないという時点で,「コンテンツ利用促進」という協議会の本旨はどこかに行ってしまうのではないかという危機感をたっぷり抱いてしまいました(民主党の来賓の方も,この数年の民主党の知財関係での活動をネガティブに評価されている方のようで,川内議員らの活躍が如何に多くの市民の支持を得たのかを十分理解されていないようでした。まあ,あの政党は寄り合い所帯で,政策の幅が広いから仕方ないですけど。)。

 自民党の世耕議員と名刺の交換をしながらお話をする機会がありましたので,「東京キー局の放送を日本全国で見ることができないのはおかしいので,私はこれを何とかしようと活動しています」と自己紹介をしたところ,世耕議員もこれに同感の意を示してくれました。東京キー局に対して,まねきTV事件の控訴を取り下げるように働きかけてくれると良いなあ,と思いました。

 あと,会場には,池田先生と,津田さんと,小寺さんが出席されていました(まあ,皆さん,呼ばれて当然の方々なのですが。)。多少お話はされていたようなので,必要なときに共闘できる関係に戻ると良いなあと思いました。

Posted by 小倉秀夫 at 09:42 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (2)

Housse de RacketのOh Yeah!

 最近ヘビーローテーションで聴いている楽曲の一つが,Housse de RacketのOh Yeah!(→Housse De Racket - Oh Yeah (Radio Edit) - Single - Oh Yeah (Radio Edit) )です。


 リズム部隊のいい仕事の上に,哀愁のあるメロディをのせていくという,ポップスの王道を歩んでいる作品です。"Oh Yeah, Oh Yeah, Oh Yeah,"で始まるサビの部分も秀逸です。Housse de Racketはこの10月に1stアルバムを出すとのことで,これからがとても楽しみなユニットです。

HOUSSE DE RACKET Oh Yeah !

Posted by 小倉秀夫 at 01:12 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

09/08/2008

TRYOの「Toi et Moi」

 自身を「Acoustic/Reggae/Other」に位置づけているTRYOのMySpaceでは,シングルカット曲「Toi et Moi」のプロモーションビデオ(ひたすら歩く人の膝下の映像を映し続ける,例のやつです。)とそのメーキングフィルムがアップロードされています。


 レゲエらしい脱力した曲調と,政治的に毒を含んだ歌詞(「Ce matin」(今朝)という言葉に引き続いて,サダム・フセインの絞首刑や,国連スキャンダル,バイエルン州でのネオナチの台頭,チベット問題だけでなく,AREVA(フランスとドイツを拠点とする原子力産業複合企業)によるニジェールの「不法占拠」まで盛り込んでしまう,ある種のフランスの左翼っぽさ満開)らしさは,実に聴くに値します(この作品が,日本のiTunes Storeでダウンロードできないのは誠に残念な限りです。)。


Tryo "Toi et moi" - Le clip

Posted by 小倉秀夫 at 12:01 AM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

09/01/2008

グーグルのブック検索

 先週,グーグルのブック検索を巡る中村彰彦氏とグーグルとの間の紛争について,週刊文春の記者より電話インタビューを受けました。その結果を,週刊文春の9月4日号に掲載していただきました。

 出版社に著作権が譲渡されることが多い米国と異なり,日本においては,書籍・雑誌に関しては,個々の著者に著作権が留保されるのが通常であり,かつ,出版権が設定されることすら希なので,この種のサービスを開始するにあたっては,出版社を相手に権利処理をしてことたれるとするのではなく,作家らが所属している各種団体を通じて作家らを相手に直接権利処理をしないと,なかなかうまくいかないように思います。

 サービス内容自体は,作家たちにとっても悪いものではないので,ちゃんと法務コストを支払って権利処理をすればよいだけの話なのに,何か勿体ない感じはします。

Posted by 小倉秀夫 at 11:26 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)