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10/21/2008

何が選挙の争点なのかを決めるのは,私たち主権者たる国民である。

 選挙の争点なんて,政治家が決めるものでも,マスコミが決めるものでも,ましてや田原総一郎が決めるものでもありません。我々有権者が決めるものです。だから,私たち一人一人が地元の候補者に連絡を取り,あるいは各政党にメールを送り,自分たちは,私的ダウンロードの違法化に反対であるとの意思を伝えるとともに,各候補者は,各政党はこの問題にどう対処するのか,確認を取ることは有効です。そのような個々人の行動が積み重なっていくと,この問題は,選挙の争点化していく可能性が出てきます。

 基本的には,私的ダウンロード違法化というのは,立法論としては筋が悪いのです。というのも,違法にアップロードされたデータをダウンロードした者に対しJASRAC又はテレビ局等の権利者が権利行使を認めるためには,JASRACやテレビ局等に,我々市民のパソコンの中身を精査する権限を付与しなければならないからです。すなわち,私的ダウンロード違法化というのは,我々市民の私的領域内で行われている行為を,一部の企業や団体の監視下に置くことで初めて実効性を有するに至るのであり,個々人のプライバシー権を包括的に犠牲にすることなしには成り立たない制度だからです。

 ですから,地元の候補者に対しては,文化庁は,私的使用目的のデータのダウンロード行為を著作権侵害とすることによって,私たちのパソコンの中身をいつでも精査できる権利を,テレビ局と文科省傘下の特殊法人に付与しようとしています。先生は,テレビ局や文科省の役人から私たちのプライバシーを守ってくれるのですか,それともテレビ局等に私たちのプライバシーをくれてやるのですか,とお聞きすればよいのです。

 候補者が地元でタウンミーティング等をやっているようであれば,そこに出席をしてこの点を聞いてみるものよいでしょう。「この法律が成立してしまうと,私が,違法サイトからのダウンロードをしていないとテレビ局にわかってもらうためには,恋人と撮ったムービーなんかを含めて自分のパソコン内の全ての動画ファイルを,テレビ局の人に取り上げられて,精査されないといけないんですよね。しかも,テレビ局等は,そうやって入手した個人情報を,スキャンダル報道等に活用することが自由にできるのですよね。先生は,そんな社会を作ることに賛成なのですか」と聞いてみたらよいのではないかと思うのです。この立法案の問題点の一つは,自分は違法にアップロードされたデータをダウンロードしていなくとも,潔白を証明するためには,自分の保有するパソコン内に蔵置された情報を丸ごとテレビ局に差し出さなければならないのであり,しかも,特定の(隠しておきたい)情報だけは見せないということができないと言うことになります。すなわち,このような立法がなされた暁には,裁判所とテレビ局とが「証拠保全」という形で結びつくことにより,一種のAntinyの機能を果たすことになるのです。

Posted by 小倉秀夫 at 01:34 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

「ダウンロード違法化」に反対するのはよく分かるのですが、このようにあまり正確でない事柄を言いつのって情緒的な扇動をするのは感心できませんねぇ。
少し理屈のわかる人であれば、その論に説得力がないことがすぐわかってしまいます。もう少し冷静な主張をされてはいかが?

Rédigé par: いけませんねぇ。。。 | le 10/21/2008 à 09:57

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