2009年度の著作権法ゼミの受講生の皆様へ
2009年度の著作権法ゼミの受講生の皆様へ
基本書は特に指定しませんが,なにがしかは入手して,できるだけ早めに一回通読して下さい。
現状ですと,とりあえずお勧めできるのは,
- 中山信弘「著作権法」
- 田村善之「著作権法概説(第2版)」
- 三山裕三「著作権法詳説(第7版)」
といったところです。加戸守之「著作権法逐条講義」や作花文雄「詳解著作権法」は,何かを発表するに際しては参照すべき文献だと思いますが,通読するにはきついと思います。半田正夫「著作権法概説 」や千野直邦=尾中普子「著作権法の解説」,斉藤博「著作権法」は,その薄さに惹かれるところだとは思いますが,現代型の論点を考える手がかりとして使うにはいまや少し厳しいような気がします。
言わなくても買わないとは思いますが,半田正夫=松田政行編「著作権法コンメンタール」は買う必要ありません。その価格に情報量が見合っていないように思います。注釈書が欲しければ,後数ヶ月待って下さい。
判例集はもっておいた方がよいです。現行の著作権法判例百選を買うのなら今のうちです。著作権法分野は21世紀に入ってからも重要判例が目白押しという珍しい法領域なので,きっと次期バージョンとは収録判例ががらっと変わると思います。本橋 光一郎=本橋 美智子「要約 著作権判例212」でもよいです。岡邦俊「著作権の事件簿—最新判例62を読む」もいい本ですが,学生にはつらい値段だと思います。また,ユニ著作権センターや駒沢公園行政書士事務所日記等で最新の判例をチェックしておくのも良いことだと思います。
特に音楽著作権に興味がある人は,安藤和宏「よくわかる音楽著作権ビジネス—基礎編 3rd Edition」,「よくわかる音楽著作権ビジネス—実践編 3rd Edition」を読んでおくと良いと思います。その他のエンターテインメント系の著作権問題やIT関係の著作権問題については,たくさんの書籍は出ていますが,「これはお勧め」というものはなかなかありません。学生のうちは時間が余っているので,片っ端から大学の図書館に買わせて読みまくるというのも一つの手だとは思いますが,ただ,中途半端なQ&A集を読んでいるより,それぞれの業界のありかたを説明している文献(例えば,映画だったら,兼山錦二「映画界に進路を取れ (エンタテインメントビジネス叢書) 」等)を読んだ方がよいような気がします。
六法については,著作権法が全文掲載されているものを使用することは大前提です(小型の六法だと,抄録扱いになっている場合があります。)が,できるだけ,著作権法施行令,同施行規則,旧著作権法,ベルヌ条約,WIPO著作権条約等が掲載されているものを選んで下さい。角田政芳「知的財産権六法」あたりで良いと思います。まあ,今は法令等はオンラインで入手できるので,A4のバインダー用紙等に必要な法律をプリントアウトしてオリジナルの「知財六法」を作ってしまうというのも一つの手ではあります。
Posted by 小倉秀夫 at 01:45 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
判例を読むなら、これを入れて欲しいです…。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896283643/danblog-22
Rédigé par: Toshimitsu Dan | 25 mars 2009, 10:32:07