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04/15/2009

一太郎の終わりの始まり

 「一太郎」で知られるジャストシステムがキーエンスの傘下に入ったというニュースは、今や昔といったところでしょうか。

 先日の知的財産研究会で、「一太郎」特許事件においてジャストシステム側の代理人を務めた弁護士さんがレポーターとして研究発表をされていたのですが、官公庁を大口の顧客とする製品に関して、なぜしなくともよい冒険に敢えて踏み切ったのか(この事件で問題とされたところって、パッチを当ててプログラム本体から削除しても、特段の問題もなくプログラムを使える程度の些末的なところだったわけではないですか。)、「予防法務」という観点からは不思議でたまりません。このような技術が特許として認められていることが許せないというのであれば、特許無効審判を申し立てた上で、それが認められた段階で、次期バージョンからその技術を利用すればよかったはずであり、当時の一太郎のシェアからいえば、それで何の問題もなかったはずです。

 結果的に、第2審で逆転勝訴しそれが確定はしたものの、第1審で敗訴したときの印象が強い為に、あのころから保守的なところから「一太郎」回避に向かっていったのではないかという気がします(実証データはかき集めていませんし、今後も集める気はありませんが。)。そういう意味では、あの事件は、結果的にジャストシステムが勝訴したものの、「一太郎の終わりの始まり」だったような気もします。

 もっとも、一太郎文書については、一太郎ユーザー以外でも内容を閲覧できるビューワーないしコンバーターを積極的に頒布しなかったということ自体が、プリントアウトした書類をやりとりするのではなく、データファイル自体を添付形式でやりとりする時代には合わなくなってきているように思うので、あの事件がなくても、圧倒的なシェアを保っていた時代の感覚を抜け出せていないジャストシステムが衰退していくのは歴史の必然だったような気もしなくはありません。一太郎のシェアが圧倒的なままであれば、ビューワー等を敢えて用意しないことにより、「一太郎文書が読みたければ、一太郎を買え。今の機種では一太郎が動かないのであれば動く機種を買え」と殿様気分で言えたのでしょうが、MS WORDというライバルがいる現状でそれをやってしまえば、「一太郎文書だと、Winユーザー以外には迷惑がかかるから、MS WORDにしておこう。我が社は、Macユーザーを切り捨てるわけにも行かないし」ということになってしまうのは、仕方のない話です。

 といいますか、「一太郎」に関して言及されているブログのエントリーをチェックしていれば、「一太郎文書が読めなくて困っている」というMacユーザーの怨嗟の声がいくらでも目に入ってくるはずであって、そのような声をフィードバックして、Mac用のビューワーやコンバーターを開発して無償配布しようという声が、少なくとも会社としての正式決定に至る程度に上がってこないという点で、組織として硬直化してしまっているのではないかという気がします。

Posted by 小倉秀夫 at 04:42 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Commentaires

全く、違うでしょう。
確か2002年の終わり頃の当時の松○との裁判ですよね。
そのころには、国産にこだわる役所以外なら、完全にMS-Officeとの勝負はついてましたよ。

Rédigé par: fn.line | le 04/18/2009 à 07:21

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