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05/02/2009

何も畏れることはない

 朝日新聞によれば,

インターネット検索最大手の米グーグルが進める書籍検索サービスについて、詩人の谷川俊太郎さん、作家の三木卓さんらが30日、東京都内で記者会見し、著作権侵害の恐れがあると危機感を訴えた。

とのことです。

Google Inc.も,著作権者が検索サービスに組み入れるなと明示的に意思表示をしているものについてそれでも組み入れてやると言っているわけではないのですから,和解した上で,検索データベースからの作品の削除を申し出ればいいだけであって,何も危機感を覚える必要はないのではないかという気がします。むしろ,和解から離脱することにより,終局判決において,書籍データベースでの書籍データの利用はフェアユースにあたるという判断が下される可能性だってあるわけですから,検索されたくないのだったら,和解に乗った方がいいのではないかという気がしなくはありません。弁護士からどういうレクチャーを受けているのかわからないのですが,書籍データベースへの組み込みのために複製・翻案って,検索結果の出力さえ工夫しておけば,正規商品たる書籍と代替性のないものとすることが可能ですので,フェアユースにはなりやすいように思ったりはします。

 CNet Japanによれば,社団法人日本ビジュアル著作権協会は,

弁護人を立て、米国の出版ルールに即した今回の和解案ではなく、ネットでの利用方法や利用料の分配について、日本の慣行に即したルールづくりを目指し、独自にGoogle側と交渉を進めていく意向を明かしている。

とのことです。

 「日本の慣行に即したルールづくり」って,同種のサービスが日本で行われていない以上どこにいったら「日本の慣行」とはなんぞやがわかるというのか,訳がわかりません。書籍の貸与権のときに現れた,「著作権者でも,著作隣接権者でもない,著作権法上は何らの排他的権利をも有しない出版社に相当の分け前を与える」っていう,根拠不明のルールに従えということではないことを望むばかりです。それって,出版社としての優越な地位を悪用した,(法律の原因に基づかない)単なる搾取なのではないかと思えてなりませんし。

Posted by 小倉秀夫 at 02:35 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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Voici les sites qui parlent de 何も畏れることはない:

» あまり恐れることはない(けれど) de mohno
小倉弁護士が google ブック検索の和解について「何も畏れることはない」というエントリを書かれている。和解した上で,検索データベースからの作品の削除を申し出ればいいだけであって,何も危機感を覚える必要はないのではないかという気がします。原則としては、このとおりであろう。以前にも書いたが、和解に残留すれば自分の作品については版権レジストリで仔細を管理でき、一切の使用を禁じることさえできる。それ自体が和解残留の“エサ”になっている気がしないでもないのだが、それは脇に置いておこう。繰り返し書いていると... [Lire la suite]

Notifié le 2 mai 09 22:48:27

Commentaires

訂正
この場合はこうですか。
  ↓
×アメリカで法案が通ったら
○アメリカで法的に問題なしとなったら

Rédigé par: コマプ墨田 | le 05/02/2009 à 12:02

思うに、これって、反対団体は政府に対してベルヌ条約からの離脱を要請すればいいんじゃないですかね?アメリカで法案が通ったら他国の権利者もみんな同じ扱いということがネックですよね?

めでたく離脱すれば、ベルヌ条約の権利ネットワーク(世界枠)は消失するので、他国の権利団体が国内で徴収活動始めることになるんでしょう。業務基盤の大きい領域がベルヌ条約に関係する音楽著作権徴収事業は相当大きい影響を受けますね。全権利の相当な分量にあたる海外権利分は、直接海外の団体との契約になります。そうなると、今問題のJASRAC包括契約の独禁法違反問題は、当然に公取委論拠どおりで下地を作っとかないと、これは世界レベルの問題に展開しちゃうんじゃないですかね? 今JASRACが公取委に訴えてる論理を世界中の権利団体が主張し始めると、利用者は膨大な使用料を支払わないと利用できなくなりますね?

Rédigé par: コマプ墨田 | le 05/02/2009 à 11:54

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