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08/18/2009

ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会

 久保田裕さんがまた「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」なる団体を立ち上げたようです。

 でも、こういう団体を立ち上げるのであれば、MIAU等の利用者団体にも声を掛けるべきだったのではないかなあと思います。特に、WinMXのディープユーザーへのインタビュー経験豊富な津田さんを中に入れないだなんて、もったいないなあと思います。更にいえば、私ならば、Winnyの金子さんにも声を掛けるけどなあと思います。この発表されているメンバーだけだと、ファイル共有ソフトの利用者の実像を過度に醜悪なものとする認識を共有してしまうがために、彼らの心理にあった有効な対策を打ち出せないような気がします。

 さらにいえば、このメンバーの中に法律屋さんが含まれていないことも問題でしょう。

Posted by 小倉秀夫 at 05:31 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

新設著作権法第30条第1項第3号の解説

 新設著作権法第30条第1項第3号の解説を、SOFTIC LAW NEWSに寄稿しました。

Posted by 小倉秀夫 at 05:06 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

ダウンロード違法化の具体的な問題点

 高木浩光さんとMIAUとの関係が少々険悪になっているようで、心配です。

 MIAUについてはいろいろな批判があるのは分からないでもないし、私はMIAUが有害コンテンツ関係や児童ポルノ関係に手を出すのは戦略的に拙いなあと思いはしますが、自分が会員にすらなっていない団体がどの領域に主たる関心を示し、どの領域に関心を示さないかについてとやかく言ってみても始まらないので、その点は基本的に静観しています。

 Googleとプライバシー権の関係一つとっても、高木さんはストビューの問題に関心を持っているのに対して、私は、グーグル検索(ウェブ検索のみならず画像検索を含む)によるプライバシー情報の拡布の問題に関心を持っているというように、関心のあることがそれぞれ異なるのだから、その問題に強い関心を持っている人がその問題に関して動いていくしかないように思ったりしているからです。

 もちろん、MIAUは、入会資格をオープンにしているという程度しかインターネットユーザーを代表する資格の担保をしていないわけですが、インターネット利用者の匿名性が強く保証されている現状でそれ以上の代表資格の担保を求めると、結局、どこもインターネット利用者の代表者たる資格はないという話にしかならないような気がします。そして、それは結局、インターネット利用者の声など、審議会等で聞く必要はない(いや、聞いた方がよいと思うのだが、聞く手段がない)という話になっていきそうです。

 その上で、ダウンロード違法化との関係について若干言及すると、高木さんは、

Winny等はその仕組み上、ダウンロードすると同時にアップロードする(送信可能な状態におかれる)ようになっており、そのことをよく知らない大量のネット中級者が無差別にファイルを溜め込んで送信可能な状態においていることが、違法コンテンツ流通蔓延の原因になっている。ネット上級者であるMIAUの人達ならよく知っていることだろう。
アップロードを自覚しないWinny利用者らは摘発できない(故意が認められない)のだから、津田代表理事が言うように「アップロードの摘発をもっと効率的に行うべき」であるなら、Winny等の利用者に向けて、「あなたがやっていることはアップロードですよ」という注意喚起をしたらいいのに、MIAUはそういうことをやらないのだろうか。MIAUは、インターネットリテラシ読本作成のプロジェクトも活動の柱の一つとしているのだから、そうした啓発活動をするのも本来、自然なはずではないか。

仰るのですが、民事的に、不法行為(著作権侵害)に基づく損害賠償請求をする分には、Winny利用者に故意がなくったって大丈夫なのですから(過失なしとはいえないでしょう。)、権利者側に「摘発」する気があれば摘発できます。民事上の発信者情報開示請求手続が正常に機能しているのであれば、権利者が、その手続を利用して発信者を突き止めて損害賠償請求権を行使するというのが本筋だと思うのです。いきなり警察がやってきて一罰百戒とばかりに逮捕→起訴→失業→執行猶予という制裁を、アップローダーのごくごく一部に加えるよりはよほどましかなあと。

 そういう意味では、権利者側が「発信者情報開示請求→アップローダーに対する損害賠償請求」に踏み切らない理由が発信者情報開示請求制度の中にあるのであればそこを改善すれば良いではないかというのは、分かりやすい話ではないかと思うのです。そして、「Winny等はその仕組み上、ダウンロードすると同時にアップロードする(送信可能な状態におかれる)ようになって」いることすら理解していないライト感覚のInfringerは、IPアドレス偽装とかそういうことにも頭を使っていなさそうなので、権利者側からすれば簡単に「摘発」できるはずなのになあと思ったりします(真実性の抗弁が成立しないことの立証まで求められる名誉毀損事例と比べると、遥かに簡単だと思ったりします。)。

 で、アップローダー規制だと、アップローダーの共有フォルダに蔵置されているファイルに蔵置されている著作物等のみが被侵害著作物となるので、アップローダーの共有フォルダは通常公開されている以上、アップロードに用いられているコンピュータのハードディスク自体を検証する必要がないのに対し、ダウンローダー規制の場合、アップローダーではない純粋ダウンローダーに対して権利行使をする場合は、被侵害著作物の全容を明らかにするためにはダウンロードに用いられているコンピュータのハードディスク自体を検証しなければならず、その過程でダウンローダーのコンピュータ・プライバシーは全て権利者側に筒抜けとなるのです。そして、権利者の一極は、テレビ局という報道機関であり、そのような報道機関に自分のプライバシー情報が丸裸にされるわけです(しかも、それらの情報の目的外使用を禁止する条項はありません。)。

 だから、ダウンローダー規制の旗を振ってきた松田政行弁護士だって、ダウンローダー規制を新規立法しても大した弊害がないということを説明するためには、そのような法規制ができても権利者は権利行使しないから大丈夫だという話をするしかなかったわけです。で、新規立法によって可能となった権利が権利者によって行使された場合に、メディア企業によるプライバシー侵害等の弊害を何ら抑止できない、そういう立法について「具体的な問題がない」といってしまうのは、私は抵抗を感じます。

Posted by 小倉秀夫 at 12:33 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

08/06/2009

対案や妥協策の提示がなかった理由

 高木浩光さんがMIAUの中川さんをはてブコメントで非難する過程で,

これはMIAUの活動の話かな?ダウンロード違法化反対運動と児童ポルノ単純所持処罰化反対運動はまさに「考えられる危険性をリスト」しまくったあげく対案や妥協策の提示がなかった。そもそも何のための反対なのか。

と述べています。

 JASRACやテレビ局に個々人の使用しているパソコンのハードディスクの内容を検証する権限を付与する「究極のプライバシー侵害」法である「ダウンロード違法化」について,どんな対案や妥協策を提示すべきだったというのか,はなはだ疑問です。改正法案を作る前から,改正法が成立しても,改正法により行使可能となった権利を行使しないと,ロビー活動を行った側の弁護士が表明(あくまで弁護士しか表明していないことに注意。レコード輸入権のときは業界団体の長が不行使宣言をしたことと対比すべき。)せざるを得ないほど,この改正法により可能となるプライバシー侵害の度合いは大きいのです。それに,「考えられる危険性をリスト」しまくったといわれても,権利者側に証拠がない場合に証拠保全等による公的な証拠収集手続がとられる可能性があると考えるのは,法律実務家からすると当たり前の感覚であって,「証明が大変だから,権利行使は実際にはなされないので,安心せよ」みたいな言い方に疑問を提示するのは「考えられる危険性をリスト」しまくったといわれるほどのことなのか,大いに疑問です。

 もちろん,実際の条文案が公開されてからは,想像以上にずさんな条文を改善する方向で提案をすることは可能だったかもしれないですが,ただ,レコード輸入権のときとは異なり,改正法の目的自体が私たちのコンピュータ・プライバシーとは相容れないので,いくら条文案を手直ししても,さしたる意味はありません(解釈上不明確な点を明確化できる程度のお話です。)。

Posted by 小倉秀夫 at 02:30 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (1)

08/01/2009

違法コピー現象の立役者

 NBLの2009年7月15日号では,ACCSの久保田裕さんの巻頭コラムも掲載されています。

 もっとも,日本におけるソフトウェアの違法コピー率の低下をさもACCSの手柄のようにいうのは正確さを欠くかなあという気がします。

 日本において,ソフトウェア,とりわけビジネスソフトの違法コピー率が低下した最大の要因は,違法コピーをする必要がなくなったということにあります。

 私のゼミ生などはほぼその時代のことを知らないわけですが,昔は,たかだかワープロソフト1本で定価9万8000円など当たり前という時代があったわけで,そういう時代においては,比較的金銭的なゆとりのある企業においても,社内のパソコン1台につき1パッケージを購入するように社内的に申請を出すことはかなり抵抗感を感じざるを得なかったわけです。ところが,最近は,オフィススイートが非常に安くなりましたし,さらにパソコンにプリインストールされて提供されることが増えてきました。こうなってくると,例えば,Win系のパソコンを導入する場合に,MS OFFICEのプレインストールされているものを導入するように社内申請を行うことに,従業員はさほど抵抗を感じずに済みます。すると,わざわざ,「違法コピー」する必要がなくなるわけです(だから,今でも十分高いアドビ系のソフトは,今でも違法コピーの対象となりやすかったりします。)。

 また,ビジネスで通常利用するソフトウェアが固定化してきたために,アーリーアダプターな同僚が使用しているソフトを──どうも便利そうなので──試しにインストールしてもらうみたいなこともかなり少なくなってきているのではないかと思います。もちろん,「痒いところに手が届く」ようなニッチなソフトは今でも栄枯盛衰は激しいのですが,そういうのって,フリーウェアかシェアウェアだったりするではないですか。

 そういう意味では,ソフトウェアの違法コピーを減少させる最大の方策は,正規商品市場を成熟化させることにあったということになるのだろうなと思ったりします。

Posted by 小倉秀夫 at 07:30 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)