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08/01/2009

違法コピー現象の立役者

 NBLの2009年7月15日号では,ACCSの久保田裕さんの巻頭コラムも掲載されています。

 もっとも,日本におけるソフトウェアの違法コピー率の低下をさもACCSの手柄のようにいうのは正確さを欠くかなあという気がします。

 日本において,ソフトウェア,とりわけビジネスソフトの違法コピー率が低下した最大の要因は,違法コピーをする必要がなくなったということにあります。

 私のゼミ生などはほぼその時代のことを知らないわけですが,昔は,たかだかワープロソフト1本で定価9万8000円など当たり前という時代があったわけで,そういう時代においては,比較的金銭的なゆとりのある企業においても,社内のパソコン1台につき1パッケージを購入するように社内的に申請を出すことはかなり抵抗感を感じざるを得なかったわけです。ところが,最近は,オフィススイートが非常に安くなりましたし,さらにパソコンにプリインストールされて提供されることが増えてきました。こうなってくると,例えば,Win系のパソコンを導入する場合に,MS OFFICEのプレインストールされているものを導入するように社内申請を行うことに,従業員はさほど抵抗を感じずに済みます。すると,わざわざ,「違法コピー」する必要がなくなるわけです(だから,今でも十分高いアドビ系のソフトは,今でも違法コピーの対象となりやすかったりします。)。

 また,ビジネスで通常利用するソフトウェアが固定化してきたために,アーリーアダプターな同僚が使用しているソフトを──どうも便利そうなので──試しにインストールしてもらうみたいなこともかなり少なくなってきているのではないかと思います。もちろん,「痒いところに手が届く」ようなニッチなソフトは今でも栄枯盛衰は激しいのですが,そういうのって,フリーウェアかシェアウェアだったりするではないですか。

 そういう意味では,ソフトウェアの違法コピーを減少させる最大の方策は,正規商品市場を成熟化させることにあったということになるのだろうなと思ったりします。

Posted by 小倉秀夫 at 07:30 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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