闇米
石坂会長はまた、道義的・倫理的な側面でも啓発の必要性を訴えた。「CDという固形物を万引きすることは、おそらく多くの若者にとって悪いことだという認識が徹底しているのに対して、音楽ダウンロードは無形のものであるため、いともたやすく法律に違反したり、道義に反する行為に出る。CDは盗まないが、デジタル音楽はタダでもらっちゃう」と指摘。「これほど国民性が乱れるのを容認するのは、大げさに言えば歴史上初めて」と憂慮した。
でも,道義的・倫理的な側面からいうと,不労所得を得んがために情報の流通をブロックする行為と,ひとたびブロックされたが誰かがブロックを壊して再び流通させた情報を入手する行為とを比べたときに,後者の方が道義的・倫理的に悖るとは必ずしも言えないのではないかと思ったりはします。著作権侵害罪って,今はやりのインセンティブ論から言えば,法定犯であって,自然犯ではないですし。
歴史的に言えば,特定の流通経路以外から商品等を入手することが法律上禁止されていたが多くの人がそれを守っておらず,守らないことが道義的・倫理的に問題があるとさほど考えられていなかった例としては,例えば,戦後の「闇米」などがあります。
Posted by 小倉秀夫 at 02:36 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
発言者の気持ち自体はよく分かるのですが、日本のコンテンツ配信ビジネスの多くが法的な正当性を盾にした殿様商売であり、支払い方法の多様化を求めたり、インターフェイスの改良を求めてもなかなかこれに応じようとせず、業を煮やしたファンが泣く泣く違法サイトに走るなどの事情も多少はくんでほしいと思います。著作権には物権的な側面がありますから、一つの作品に二つ以上の著作権は成立せず、よってその作品を提供する上での価格やサービスに競争が起こりません。このことを無視したまま、法的な手段をチラつかせて威嚇し、時には実力行使を行い、一方でいい加減な商売はなんら改善されないという場合には、何らかの抗弁や過失相殺が認められてもいいのではという気がしてしまいます。
Rédigé par: gase2 | 20 nov. 2009, 05:10:52