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11/05/2009

私的録音録画補償金訴訟のリスク

 私的録音録画補償金に関してSARVHが東芝に訴訟を起こしたとして,訴訟自体の勝ち負けはおそらくどちらにとってもたいしたリスクではないのだと思います。

 しかし,SARVHにとっては,理由中の判断又は傍論として,補償金相当額を出荷価格に上乗せした上で補償金をSARVHに支払うという方法以外の協力義務の履行方法が認められた場合には,SARVHにとっては,大きな打撃となります。ことは,地デジ専用DVDレコーダーにとどまらなくなるからです。

 AV機器メーカーとしては,製品の入った段ボールにホチキス等で留められた,保証書等が梱包されているビニール袋の中に,SARVH作成の請求書を入れておけば,これまでSARVHに納めてきた補償金を納めなくとも済むということになれば,それはそれで幸せなことです。ユーザーとしては,私的録音録画補償金を支払わなくとも,その機器によって行われる私的使用目的の録音録画が違法となるわけではないので,仮にSAVRAから訴訟を提起されて敗訴しても,最大で1台あたり1000円を支払えば済むことです。

 そうなったら法改正によって製造業者等を支払義務者にすれば足りると考えているのかもしれませんが,利用者による私的録音録画により著作権者等が被った損失の一部補填をAV機器の製造業者に義務づける合理的な理由がありません。にもかかわらず,AV製造業者に対する一種の徴税権を指定管理団体に与えることは憲法上大変な疑義が生ずることになります。しかも,自民党は下野してしまいました。そう簡単にはいかないと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 01:30 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

Commentaires

もうすぐダウンロード違法化が始まりますが、補償金が適法な私的領域での録音録画を対象にするものであるならば、補償金の額はダウンロード違法化とタイミングをあわせて改訂しないと正当性を失うのではないかと思うのですが、小倉先生はこの点、どのようにお考えでしょうか。
(今までの補償金規程は、違法にアップロードされたものをダウンロードした場合の録音録画も含むという前提で決められたと思いますし、104条の6第4項でも30条1項の趣旨を汲めといっているので、今の規程のままで徴収をしてしまうのは、sarah、SARVHにとってリスクなんじゃないかと思いまして。)

Rédigé par: とくめい | le 11/24/2009 à 19:15

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