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08/10/2010

「音楽CDが売れなくなったのは違法アップロードの影響が大きい」とレコード会社が未だに考えていることの衝撃。

 J-CASTの「音楽ファイルを違法アップ 個人に540万円支払い判決の衝撃」という記事によれば、

大手レコード会社幹部は、音楽CDが売れなくなったのは違法アップロードの影響が大きく、業界全体の売上げの10%近くに影響を及ぼしている、と考えている。

とのことです。しかし、P2Pファイル共有等により音楽ファイルが違法アップ/ダウンロードされるということが普及していなかった時代よりも広く普及するようになってからの方がCD等の売上げが落ちた要因の一角を違法アップ/ダウンロードに置くことの当否はともかくとして、P2Pファイル共有等により音楽ファイルが違法アップ/ダウンロードされるということが定着した以降もCDの売上げが落ち続けている要因を違法アップ/ダウンロードに置くのは的を射ていないというべきでしょう。

 音楽業界はむしろ「違法アップ/ダウンロード」に直接影響されない指標との比較でCDの売上げが落ち続けている要因を考えてみるべきではないかと思ったりします。

 例えば、オリコンのカラオケ週間ランキングを見ると、1位 坂本冬美「また君に恋してる」、2位 西野カナ「会いたくて 会いたくて」、3位 GReeeeN「キセキ」、4位 高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」、5位 AKB48「ポニーテールとシュシュ」、6位 一青窈「ハナミズキ」、7位 西野カナ「Best Friend」、8位 MONGOL800「小さな恋のうた」、9位 ヒルクライム「春夏秋冬」って感じで、ここまで今年の歌って西野カナとAKB48しか入っていないわけで、今年の新曲って、違法ダウンロード以前に、そもそも大衆に受け入れられていないとみるべきなのではないかなあっていう気がしてなりません。ミリオンセラーが続出した90年代って、みんなこぞってカラオケボックスで新曲を歌っていたわけで、だからこそ新譜を買ったわけだけど、こんな風に新曲が歌われもしないのであれば、P2Pがあろうとなかろうと新譜なんて買ってもらえないよなあと正直思ってしまいます。

Posted by 小倉秀夫 at 03:05 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

08/09/2010

試行運用終了後のプログラムの継続利用

 大学生、法科大学院生もまた夏休みでしょうから、事例問題を出してみることにします。興味がある方は考えてみてください。


【設例】

 大手電気通信会社であるYは、カード情報管理会社Zと提携して、TCP/IPを用いたクレジットカード認証システムを構築することを予定していた。しかし、TCP/IP用の認証プログラムを作成することができなかった。そこで、Yは、TCP/IP用の認証プログラム「甲」について著作権を有しているXに、正式採用した場合にはX社からクレジットカードの認証端末を購入するので、甲を試行運用させて欲しいと申し向けた。この説明を信じたXは、一時的な試行運用に供する目的で、YがAに委託して調達したサーバコンピュータ「乙」にプログラム「甲」をインストールし、Yが管理するデータセンターにこれを設置した。

 Yは、程なくしてサーバコンピュータ「乙」をZに譲渡してその運用を任せるとともに、Zと提携して、Xに無断で、プログラム「甲」を用いたクレジットカード認証システムを正式に運用し始めた。

 その後、Yは、Xに対して、「Yは、プログラム「甲」は正式に採用しないことにした」と通告し、認証端末をXから購入しない意思を明らかにした。そこで、Xは、Yに対し、プログラム「甲」のインストールされたサーバコンピュータ「乙」の引渡しまたは破壊を要求したが、Yはこれを拒み、Zとともに、サーバコンピュータ「乙」にインストールされたプログラム「甲」を用いてクレジットカード認証業務を継続した。

 Xは、Y及びZに対し、いかなる請求を行うことができるか。


 まあ、現実の著作権紛争を単純化すると、こんなものです。

Posted by 小倉秀夫 at 04:42 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

08/08/2010

ペルシャ猫を誰も知らない

 昨日は、渋谷まで行き、映画「ペルシャ猫を誰も知らない」を見てきました。

 好きな歌を好きなスタイルで歌いたい──そんな今の日本では当たり前のことすら、現実には叶わない国や社会があり、その中でも才能のあるれる若者は国や社会の壁を突破しようともがいている。好きな音楽を演奏するというだけのことなのに、地下に潜り、逮捕と釈放を繰り返さえさなければならない。そんな現実がこの21世紀にもまだ残っている。

 そんな国だから映画の撮影も自由ではなく、ゴバディ監督は、当局に無許可でゲリラ撮影を敢行せざるを得なかったし、主役の2人は、撮影が終了した4時間後にイランを離れざるを得なかった(というか、イランを離れることを既に予定していた二人を主役にしたというべきか)わけです。

 もちろん、そんなイランだって、IT革命の波から全く自由であるわけにはいかなくて、登場人物は皆携帯電話を使っているし、イギリスやドイツとメールでやり取りしているし、コンピュータで自分たちの音楽を編集してCDを作成したりしているわけだし、西側の音楽に関する情報だって入ってきているわけで、むしろ、それだからこそもどかしさが強いのだろうなという気にさせられてしまいます。

 好きな音楽を好きなスタイルで当局の許可を得ずに演奏できる喜びを噛み締める、という意味でも、音楽業界で仕事をしているorしたいと思っている人は是非とも見るべき映画だと思いました(Pirates Rockとは違う意味で)。

Posted by 小倉秀夫 at 06:33 PM dans musique | | Commentaires (0) | TrackBack (1)