「音楽CDが売れなくなったのは違法アップロードの影響が大きい」とレコード会社が未だに考えていることの衝撃。
J-CASTの「音楽ファイルを違法アップ 個人に540万円支払い判決の衝撃」という記事によれば、
大手レコード会社幹部は、音楽CDが売れなくなったのは違法アップロードの影響が大きく、業界全体の売上げの10%近くに影響を及ぼしている、と考えている。
とのことです。しかし、P2Pファイル共有等により音楽ファイルが違法アップ/ダウンロードされるということが普及していなかった時代よりも広く普及するようになってからの方がCD等の売上げが落ちた要因の一角を違法アップ/ダウンロードに置くことの当否はともかくとして、P2Pファイル共有等により音楽ファイルが違法アップ/ダウンロードされるということが定着した以降もCDの売上げが落ち続けている要因を違法アップ/ダウンロードに置くのは的を射ていないというべきでしょう。
音楽業界はむしろ「違法アップ/ダウンロード」に直接影響されない指標との比較でCDの売上げが落ち続けている要因を考えてみるべきではないかと思ったりします。
例えば、オリコンのカラオケ週間ランキングを見ると、1位 坂本冬美「また君に恋してる」、2位 西野カナ「会いたくて 会いたくて」、3位 GReeeeN「キセキ」、4位 高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」、5位 AKB48「ポニーテールとシュシュ」、6位 一青窈「ハナミズキ」、7位 西野カナ「Best Friend」、8位 MONGOL800「小さな恋のうた」、9位 ヒルクライム「春夏秋冬」って感じで、ここまで今年の歌って西野カナとAKB48しか入っていないわけで、今年の新曲って、違法ダウンロード以前に、そもそも大衆に受け入れられていないとみるべきなのではないかなあっていう気がしてなりません。ミリオンセラーが続出した90年代って、みんなこぞってカラオケボックスで新曲を歌っていたわけで、だからこそ新譜を買ったわけだけど、こんな風に新曲が歌われもしないのであれば、P2Pがあろうとなかろうと新譜なんて買ってもらえないよなあと正直思ってしまいます。
Posted by 小倉秀夫 at 03:05 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
「大手レコード会社幹部」は、特定/不特定、単数/複数のいずれなのでしょうね。英語ならはっきりわかるのでしょうけれど。
多くの大手レコード会社の多くの幹部がそう考えているのか、あるレコード会社のひとりの幹部がそう考えているのか。「このJ-CASTの記事を書いた人が取材した相手は、どちらなのだろう?」と思います。
Rédigé par: しまねこ | 10 août 2010, 20:55:14