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02/06/2012

「知的財産推進計画2012」の策定に向けた意見

 「知的財産推進計画2012」の策定に向けた意見募集がなされていたので、以下のとおり応募してみました。

戦略4 クール・ジャパン戦略

 商用コンテンツとして公表された著作物の活用が3年以上なされていないときも、裁定による著作物の利用を可能とすべきである。

 著作権法は文化の発展に寄与するために「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図」ることとしたのであるから、著作物を通した文化の発展を阻害する方向で著作権を行使することは本来許されるべきではない。

 しかし、現行著作権法の下では、「創造のサイクルの確保」とは全く別の理由で、コンテンツの再利用を阻むために著作権法が活用される例が散見される(例えば、世界的にも人気がある「キャンディ・キャンディ」はもはや利用困難である。)。「著作権」は純粋な私権ではなく、創作に対する投下資本の回収機会を保障するための競争制限規制である以上、創作物の活用を阻むために著作権が活用されるという本末転倒ぶりをこのまま放置しておくべきではない。

 したがって、3年使用されない商標が取消の対象となるのと同様に、3年以上活用されないコンテンツは、裁定による利用が可能となるような法改正が望まれる。

戦略3 最先端デジタル・ネットワーク戦略について

 著作権、著作隣接権等に関して、広く国民や団体(企業を含む。)から新たに創設を希望する権利制限規定についての案を募集し、これを法案化して定期的に閣議に提案する。

 検索エンジンに関する著作権の制限規定が立法されるまで長い年月が過ぎ、その間に米国企業が市場を支配してしまったことは記憶に新しいところである。このように、ITを駆使した新たなサービスに関しては、従前の立法のスピード感では、権利制限規定が制定されるころには、広汎なフェアユース規定を背景に先行投資をなし得る米国企業に太刀打ちができないのが実情である。

 もちろん、米国並みの広汎なフェアユース規定が置かれることが理想ではあるが、これまでの文化審議会での議論を見る限りにおいては、それも期待しがたい。

 であるならば、個別的制限規定の制定速度を速めることにより、新しいITビジネスが米国企業に牛耳られるのを回避するような制度設計をすべきである。

 そして、個々の権利制限規定についていえばこれを活用する人や企業は少数に留まる場合が少なくないこと、また、新しいITビジネスを始める企業の多くは人的及び金銭的な資源に恵まれていないこと等を考えると、彼らはロビー活動能力が低いので、文化庁の官僚に取捨選択権限を付与すると、権利制限規定の創設に関する陳情のほとんどが法案化されず、お蔵入りとされる蓋然性が高い(検索エンジンに関する権利制限規定も永らくお蔵入りとされていたのである。)。

 したがって、文化庁には全件法案化の義務を課し、取捨選択は内閣による政治判断に委ねるのが適当である。

戦略2 知財イノベーション競争戦略について

 難視聴地域に受信させる目的で東京キー局が地上波番組について衛星放送設備を用いて行っているサイマル放送を、難視聴地域であるか否かにかかわらず、日本全国で受信できるようにする。

 日本全国にある地方テレビ局は、そのほとんどの時間を、東京キー局で放送された番組を、同時又は異時に再放送することに終始しているのが実情である。これは、衛星放送やインターネットなどの技術がなかった時代には合理性があったが、現在では合理性を欠いている。のみならず、当該地域を放送対象地域とする系列局がないキー局の放送は視聴できない、地方テレビ局が希に自主制作番組(関西の準キー局を除けば、概ね1割前後である)を放送している間はキー局の放送を視聴できない、キー局で放送されている番組を放送していてもなぜか1週遅れで放送されている場合がある等の不便が存在している。

 考えてみれば、貴重な電波使用権を与えられている地方テレビ局が、その放送時間のほとんどを東京キー局のテレビ番組の再放送に充てているということこそが不合理である。衛星放送やケーブルテレビ等によって日本全国どこにいても東京キー局のテレビ番組の全てを時間差なしに視聴することが出来るとなれば、地方テレビ局は、自主制作番組を制作して放送しなければならないこととなる(東京キー局の放送を受信可能な地域を放送対象地域としている千葉テレビやテレビ埼玉、東京MX等は実際そうしている。)。それは、テレビ番組という著作物を新たに創作して東京キー局と競争することを促進するとともに、実演家等のさらなる活用を促すことになるのである。

 もちろん、東京キー局の制作した番組を右から左に垂れ流すだけで高収益を挙げることができている地方テレビ局は猛反対することとは思うが、放送コンテンツにおける競争を促進するためには、上記施策が有意義である。

戦略4 クールジャパン戦略

 J-POPの歌詞に関するデータベースを作成し、世界に向けて公表する。

 J-POPをさらに世界中で普及させるために、「言葉の壁」を取り除く工夫が必要である。そのための施策として、J-POPの歌詞の日本語表記、ローマ字表記、英訳を検索、表示可能なデータベースを国として制作し、または、そのようなデータベースを制作する企業・団体等を資金面及び法律面から支援すべきである。

戦略4 クール・ジャパン戦略

 商用コンテンツとして公表された著作物の活用が3年以上なされていないときも、裁定による著作物の利用を可能とすべきである。

 著作権法は文化の発展に寄与するために「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図」ることとしたのであるから、著作物を通した文化の発展を阻害する方向で著作権を行使することは本来許されるべきではない。

 しかし、現行著作権法の下では、「創造のサイクルの確保」とは全く別の理由で、コンテンツの再利用を阻むために著作権法が活用される例が散見される(例えば、世界的にも人気がある「キャンディ・キャンディ」はもはや利用困難である。)。「著作権」は純粋な私権ではなく、創作に対する投下資本の回収機会を保障するための競争制限規制である以上、創作物の活用を阻むために著作権が活用されるという本末転倒ぶりをこのまま放置しておくべきではない。

 したがって、3年使用されない商標が取消の対象となるのと同様に、3年以上活用されないコンテンツは、裁定による利用が可能となるような法改正が望まれる。

戦略3 最先端デジタル・ネットワーク戦略

 著作権法上の「公衆」の定義を見直す。

 まねきTV事件及びロクラクⅡ事件の最高裁判決により、契約により関係性が築かれる相手方への情報の送信は公衆に対する送信とされ、広く著作権法により規制されることとなってしまった。

 しかし、このような解釈は、オンラインストレージサーバやクラウド事業の国内展開を不可能としかねず、わが国のデジタルネットワーク産業を破壊しかねない。したがって、「公衆」を「特定/不特定を問わず、多数の者」とするなり、「不特定…の者」から「当該著作物の提供又は提示に関して契約関係を結んだ者」を除外する等の措置を早急に講ずる必要がある。

Posted by 小倉秀夫 at 12:31 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle |

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