違法ダウンロードに刑事罰は必要か
表題のシンポジウムで短くスピーチをしてきました。そのために用意して置いたメモは下記のとおりです。
違法サイトからのダウンロード行為を犯罪化する法改正は何が最大の問題か。
持っていない情報を手に入れること、すなわち、知らないことを知ることを犯罪とすることこそが最大の問題です。
今回の議員立法では、日本では正規ルートで入手できないコンテンツをダウンロードする行為も処罰の対象となります。それは、レコード会社、映画会社の巨人たちが、「日本人たちに知らせるのはもったいない」と思った情報を日本人は知る術を失いということを意味します。また、世界中のテレビ局で放送されたニュースをネット経由で日本人が知ること自体が犯罪とされることをも意味することになります。
また、情報を入手すること自体が犯罪となりますから、警察は、私たちが、どんな情報をどんなルートで入手したのかを調査する権限を持つこととなります。当然、警察は、私たちが使用しているPCを差押えし、私たちがPCにセーブしている情報を全部調査することが出来ることとなります。
この点に関して、公衆送信者を処罰する場合と一つ大きく異なることがあります。公衆送信を行う人は、公衆に対して積極的に居場所を示しています。ウェブサイトであればURL、ファイル共有サービスであればIPアドレスを晒しているわけです。だから、警察は、これらの情報を基に、公衆送信を行っている蓋然性の高い人々を絞り込んだ上で、強制捜査に踏み切ることになります。しかし、ダウンロードをする人たちは、公衆に対して一切居場所を示しません。だから、ダウンロード行為に対する罰則規定を実効的に運用するためには、十分な絞り込みを行わなくとも、PCの捜索差押えがなされる必要が生じてきます。通常逮捕とは異なり、捜索差押令状は、犯罪の捜査をするについて必要があれば、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がなくても発せられますから、インターネットに接続させてPCを使用している国民は、いつでも自分のPCを差し押さえられる危険が生ずることとなります。逆にいえば、その程度で捜索差押えが認められないと、ダウンロードの犯罪化は絵に描いた餅に終わります(すると、もっと劇薬のような法改正が導入される危険が生まれます。)。
だからこそ、ダウンロードの犯罪化はすべきでないのです。
Posted by 小倉秀夫 at 06:41 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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Commentaires
オマエら、こんな違法なスレッドを閲覧していると、違法ダウンロード刑事罰化法案で処罰するヨ!
閲覧するには、ダウンロードが必要。この法案は、違法なサイト閲覧に適用可能。しかも、恣意的処罰が可能。
Rédigé par: 青木きわむ | 9 mai 2012, 21:24:28