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01/29/2016

首都大での期末試験

 今年は、一年間サバティカルをお取りになっている山神先生のピンチヒッターとして、首都大学東京の法科大学院で、半期だけ著作権法の講義を担当しました。昨日期末試験が終了し、あとは採点だけということになりました。今の著作権法を半年、15回で回すというのはきついですね。

 なお、期末試験の問題は、下記の通りです。

A新聞社の記者Bは、C社が主催するスキーツアーにおいて旅行客らを乗せたバスが転倒し、旅行客Dが死亡した事故について記事Eを作成した。記事Eは、事故の翌日のA新聞の朝刊に掲載された。

問1 Dは生前、D所有のスマートフォンを友人Fに渡して撮影してもらうことで作成したDの肖像を含む写真画像Gを 、Dの個人ブログにアップロードしていた。Bは、記事EにおいてDの肖像写真を掲載したかったので、Dの個人ブログにアクセスして写真画像Gの画像データをダウンロードし、A新聞社の編集長Hにそのデータをメールで送信した。編集長Hは、部下Iの命じて、D以外の人物の肖像についてぼかし処理をした上で、記事Eの真下に掲載されるように、写真画像GをA新聞の事故翌日の朝刊の組版に挿入させた(新聞掲載時、画像もモノクロで印刷されることになっていた。)。

 Dの唯一の法定相続人であるDの母Jは、A社のこのような行為に憤りを感じているが、A社に対してどのような主張をすることができるか。これに対し、A社としては、どのような抗弁を主張することができるか。

問2 A新聞社では、A新聞のWEB版に記事Eを掲載することとした。その際、写真画像Gについて、① A新聞のWEB版用にA新聞社が確保しているサーバ領域に写真画像Gの画像データを新たにアップロードした上で記事Eの本文を記録したウェブページから同画像データに埋め込み型リンクを貼るという手法を採用すべきか、② Dの個人ブログにアップロードされている写真画像Gの画像データに、記事Eの本文を記録したウェブページから直接埋め込み型リンクを貼るという手法を採用すべきかが問題となった。両手法の著作権法上の取扱いの差を説明した上で、A新聞社の法務担当として適切なアドバイスをせよ。

問3 Bは、A新聞社が発行する週刊誌Kにおいて、上記事故後1年が経過した段階で上記事故を振り返る記事を執筆した。その中で、Bは、旅行客Dの無念を強調するため、Dが小学生の時に作成した卒業作文の中から、Dの将来の夢を記載した一節を抜き出した上で、ひとこと、「このようなDの夢を打ち崩した、もうけ優先主義のC社のずさんさは、決して許されるべきではない」と締めくくった。抜き出された一節部分に創作性が認められる場合に、Jは、A社に対してどのような主張をすることができるか。これに対し、A社としては、どのような抗弁を主張することができるか。

Posted by 小倉秀夫 at 09:09 AM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)