« janvier 2016 | Accueil | mai 2016 »

03/27/2016

演歌の復権はあり得るのか

 「自民、民主、公明など超党派の有志議員が2日、演歌や歌謡曲を支援する議員連盟「演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会」の発起人会合を国会内で開いた。」というニュースが今月初め話題となりました。しかし、議員連盟を作って何とかなる問題でしょうか。

 ここで、まず演歌が置かれた状況を見てみましょう。

 Joysoundが発表している年代別カラオケランキングをみてみましょう。2014年度のそれをみると、10代から30代まで、トップ20に、演歌は入ってきません。40代でようやく石川さゆりの「天城越え」がランクインします。50代だと、石川さゆりの「天城越え」と「津軽海峡・冬景色」が入ります。坂本冬美の「また君に恋してる」を演歌に含めるべきかは少し迷います。60代になるとさすがに演歌が多く歌われているようで、福田こうへい「南部蝉しぐれ」「峠越え」、石川さゆりの「天城越え」「津軽海峡・冬景色」、吉幾三「酒よ」、大川栄策「さざんかの宿」、石原裕次郎「北の旅人」、秋元順子「愛のままで…」、美空ひばり「みだれ髪」、川中美幸「ふたり酒」、テレサ・テン「つぐない」「時の流れに身をまかせ」、三山ひろし「あやめ雨情」、渥美二郎「夢追い酒」、そして坂本冬美の「また君に恋してる」がランクインします。2015年も演歌に関してほぼ同じようなもので、60代に関して、さらに牧村三枝子「みちづれ」、小林旭「昔の名前で出ています」、平和勝次とダークホース「宗右衛門町ブルース」がランクインし、その代わり「峠越え」や「あやめ雨情」がランク外に落ちているに留まります。

 これを見てわかることは、もはや演歌は、10代、20代に見放されているだけではなく、30代、40代、50代にも見放されていると言うことです。そして、60代が好んで歌う演歌のうち、比較的最近リリースされたのは三山ひろし「あやめ雨情」(2014年)、福田こうへい「南部蝉しぐれ」(2012年)「峠越え」(2014年)、秋元順子「愛のままで…」(2008年)くらいなものです。2008年を「最近」というのもどうかと思いますが。このくらいの年代になると、もはや新しい曲を聴いてレパートリーに加える意欲すらなくなっていくと言えそうです。

 先ほどの記事に依れば、「今後、議連では地方のカラオケ大会などに歌手を招いて演歌や歌謡曲に直接触れる機会を設けて愛好者の裾野を広げるなど、振興策を検討する。」とのことです。しかし、演歌を好んで聴いていると思われる60代ですら、受け入れられる新譜が年に1つあるか否かというのが実情です。そして、40代、50代に関しては、昔ながらのヒット曲を知らないってわけではないものの(子どものころに音楽番組を観ていればそのころに聞いていますから)、敢えて歌う気にならないというのが実情です。このような状況下で、地方のカラオケ大会で歌手本人が出てきて歌ってくれたらその曲を聴き、歌うようになるかっていうと、絶望的な感じがします。

 では、50代以下の人々に演歌に親しんでもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。単にCDが売れればいいと言うことであれば、小林幸子のように歌手それ自体のキャラクターを若い世代に浸透させるというのもありなのかもしれません。しかし、普通の若者は、小林幸子のことは知っていても、小林幸子の持ち歌のことは知らないのであって、そういう歌手のキャラクター重視の売り方は、演歌自体の復権には繋がらないような気がします。

 やはり、ここは、50代以下の音楽ファンがなぜ演歌を聴こうとも歌おうともしないのかを知るところから始める必要があります。

 私自身、演歌って年一回、紅白歌合戦の時に聴くくらいですのでその理由は定かにはわかりかねますが、その範囲でいえば、1つは歌詞にインパクトがないということはいえるのではないかと思います。60代以上には受け入れられた「あやめ雨情」や「南部蝉しぐれ」の歌詞を見ても、引っかかる言い回しもなく、はっとするストーリー展開もありません。もちろん、50代には受け入れられている「天城越え」はその点に関してはクリアできているとは思いますが、そこで描かれている女性像が若い世代の共感を呼ぶものなのかというと、40代の私でも引いてしまうかなという気がしなくもありません。演歌関係者は自分たちこそ「日本人の心」を歌っているという自負があり、歌詞には自信を持っているのかもしれませんが、平均的な「日本人の心」自体、社旗構造の変化に沿って変わっていくものなのです。もはや、既に別れた元彼のために、どうせ着てもらえないことを知りながら、寒さをこらえてセーターを編み続ける時代ではないのです。

 あと、演歌の場合、ベースやドラムなどのリズムセクションが弱いかなという印象派あります。伴奏を管弦楽団にやらせてしまうと、リズム感不足というクラッシックの欠点をそのまま引きずってしまうのかなあとは思ってしまいます。さらにいえば、ハモらない、韻は踏まない、メロディ展開に意外性がないなど、いろいろな点は指摘できそうです。

 まあ、もっとも、マーケッティング手法を駆使して若い世代にも受け入れられる楽曲を作っていった場合に、それはもはや「演歌」なのだろうか、という問題は生ずるのですが。

Posted by 小倉秀夫 at 05:38 AM dans musique | | Commentaires (1) | TrackBack (0)

03/06/2016

『日本における追及権導入の可能性-欧州の見地から―』を聞いて

 昨日、早稲田大学の8号館に行き、「2016春RCLIP国際シンポジウム 『日本における追及権導入の可能性-欧州の見地から―』」を聞いてきました。その上で、疑問に思ったことを少し羅列してみることにしました。

  1.  追及権を著作権(著作財産権)と位置づけておきながら「譲渡不可」とするという構成があり得るのか。
  2.  原作品の特定の売り主に対する追及権に基づく金銭支払請求権は差押え禁止財産となるのか。
  3.  追及権を「譲渡不可」とした場合、自然人たる著作者が破産した場合どうするのか。
  4.  追及権を「譲渡不可」とした場合、自然人たる著作者が死亡し、その法定相続人が限定承認した後の換価をどうするのか。
  5.  追及権を「譲渡不可」とした場合、法人著作との関係をどうするのか。
  6.  法人著作についても「譲渡不可」な追及権が成立するとすると、当該法人が破産したり、解散した場合にどうするのか。
  7.  原作品が裁判所の競売手続で換価された場合にも、追及権は及ぶとするのか。
  8.  裁判所の競売手続における換価についても追及権が及ぶとした場合、差押え債権者や一般債権者との優劣はどうなるのか。
  9.  原作品が譲渡担保に提供された場合、担保提供時に金員の支払い義務が生ずるのか、あるいは清算時に生ずるのか。
  10.  ある建物内の動産全体に集団動産譲渡担保が設定された場合に、当該建物内に絵画の原作品が含まれていた場合、どうするのか。
  11.  ある建物内の複数の絵画が一括して売却された場合に、どの絵画の著作者(又はその相続人)にいくらの支払い義務を有するかをどのように算定するのか。
  12.  追及権創設後に新たに原作品が第一譲渡される場合、将来の追及権負担を考慮して価格水準が低下することとならないか。
  13.  追及権を創設することが、絵画の著作物の創作のインセンティブを高めることに繋がるとするメカニズムは何なのか。

Posted by 小倉秀夫 at 05:43 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | | Commentaires (0) | TrackBack (0)