2021年の私的ベスト10
今年発表された楽曲での私的ベスト10を発表します。
The Peggies「ドア」
私は、ぺぎっ子なので、The Peggiesの作品は全て素晴らしいと思ってしまうのですが、中でも出色なのは、この「ドア」です。基本的には、キラキラしたシングルカット曲よりも、くねたアルバム収録曲に名曲が多いバンドです。
「ドア」もまた、くねた感情を吐き出した歌詞が秀逸です。「君を最低な奴だと言い聞かせて 全部嫌いだと泣いている」という、感情を押し殺す苦悩の表現とか、ガールズバンドとしては群を抜いている感があります。
そこに、The Peggiesとしては珍しい、泣きのギターソロが効果的に入ってきます。
Gacharic Spin 「MindSet」
YouTube動画で、PVを流して感想を述べる「reaction動画」というジャンルがあるのですが、外国人YouTuberのreaction動画で軒並み高い評価を得ていたのが、この「MindSet」です。
ドラムとベースの圧倒的な演奏力が印象的な楽曲です。歌詞自体は「人生をリセットしたい→リセットしなくていい」という趣旨のもので、近時よくありがちのものかなという気がしなくもありませんし、もう少し推敲した方がいいのではという部分もなくはないですが(特に、「無敵に見えた」云々のところは、陳腐かなと。)、そんなふうに歌詞に目くじらを立てるべき楽曲ではないのでしょうね。
HAKUBI「誰かの神様になりたかった」
今年の初めにメジャーデビューしたHAKUBIですが、とりあえず何かをなくすことなく猛烈な数のツアーを行い、いくつものシングルを発表し、そして満を持して発表したアルバム「era」はかなりの名盤です。
先行してシングルカットされた「アカツキ」や「在る日々」も名曲ですが、アルバム収録曲である「誰かの神様になりたかった」が出色かなと思いました。特に後半のたたみ掛ける部分には圧倒されざるを得ません。
マハラージャン「セーラムン太郎」
曲のタイトルと、PVのサムネイルを見ただけだと、コミックソングに見えますが、バックバンドの演奏を含めてとてもファンキーで格好いい楽曲に仕上がっています。この歌は、あまり歌詞のことを考えずに、演奏を楽しめばいいのかなと思います。
生活は忘れて「生活」
「生活は忘れて」という名前のソロシンガーの「生活」という楽曲は、絶望感とやるせなさに満ちあふれた歌詞と、不思議感が漂うメロディとセルフハーモニーと、シンプルな伴奏からなる、印象的な作品です。
韻を踏みまくるという、HIPHOPの洗礼を受けた後のポップスの技法を守りながら、投げやりな感情をうまく表せていると思います。
ano「SWEETSIDE SUICIDE」
ano「SWEETSIDE SUICIDE」は、重い歌詞と、シンプルなフレーズを繰り返すメロディと伴奏、anoさんの歌う姿と交互に映し出される不思議な家族の映像、そしてPVのエンディングを含め、今季一番ヤバい作品だと思います。
Scandal「蒼の鳴る夜の隙間で」
この歌は、Scandalの結成15年記念の大阪城ホールでのライブでいきなり発表された楽曲です。
自粛期間中に起こったことに対するRinaさんなりの思いを表した作品とのことです。考えてみると、そういう作品今年はもっと出てくるかと思っていましたが、案外少なかったですね。この歌詞自体は、抽象的かつ幻想的で、聴く側でいろいろな解釈ができてしまいますが。
時速36km「アンラッキーハッピーエンドロール」
このバンドは、メインボーカルの仲川さんの声をいかに生かすかに掛かっているバンドだと言っても過言ではありません。それ以外は、まさにロックの原点に最も近いと言っても過言ではないバンドです。今年フルアルバム出せて本当に良かったですね。
FAITH「Yellow Road〜Summer〜Stand Up and Scream It 」
FAITHは、メジャーデビュー後初のアルバムを出し、全国ツアーを回れると思ったら、アルバム発売直前にドラムが脱退し、程なくして解散してしまいました。全編英語詞のバンドでブレイクする可能性のある数少ないバンドだったので、非常に残念です。
これは、メジャーデビュー後最初で最後の東京でのライブを写したビデオです。
FAITHのナンバーでは、この「YELLOW ROAD」が、一番希望に満ちあふれていて好きなので、特にピックアップしてみました。
Ice Paper「中间人」
メランコリックなメロディに、哲学的な歌詞。シンプルな伴奏。
Ice Paperは、中国江蘇省出身のシンガーソングライターのようですが、中国本土の音楽シーンもこのレベルにまでとうとう行き着いたかという感じです。
Posted by 小倉秀夫 at 01:55 AM | Permalink
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